長期インターン、短期との違いはどこ?デキる学生が「今すぐ始めるべき理由」 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

近年、企業が実施する長期インターンシップに参加する学生が増えています。従来の短期インターンシップでは、大学3年生や4年生で始める人がほとんどでしたが、長期インターンシップにおいては必ずしもそうとは限りません。

長期インターンを始める時期や期間、必要性、得られるもの、さらには知っておきたいデメリットもご紹介します。 

インターンの種類とは

インターンシップ(以下、インターン)とは、学生が企業を訪問したり、実務を積んだりする職業体験を指します。けれども、その内容や重要度は「即戦力の確保」から「会社見学のようなもの」まで、実施する企業によってかなり違いがあるのが現状です。

最初に、インターンの種類についてご紹介します。インターンには「長期インターン」と「短期インターン」の2つがあり、これらは主に従事する期間によって分けられています。

長期インターン

実施される期間が短くとも3カ月以上、ときには半年、1年と長期にわたるのが「長期インターン」です。ベンチャー企業に多く、企業にとっては職業体験というより、実質的な労働力として学生を雇い入れるパターンです。

ベンチャー企業ではすぐに戦力になる人材を常に求めています。そのため、早い時期から優秀な学生を「長期インターン」にて確保し、社内で育成します。そして企業側から「この人材は当社の即戦力になれる」と判断された段階で、内定を出すケースもあるのです。 

短期インターン

実施される期間が1日~2週間程度のものが「短期インターン」です。企業が自社への応募者を増やしたり、優秀な学生を確保したりする目的で行うケースが多く見られます。

会社見学型

応募者を増やしたい企業が、インターンという形式で会社見学を実施するものです。インターンと銘打ってはいるものの、 実際には親睦会や工場見学など、受け身型の学習が多い傾向にあります。 期間も半日から1日と短いうえ、候補日程が複数組まれることがほとんどです。

最終選考型

外資系企業に多いインターン形式です。1〜2週間程度の中長期インターンを実施して、学生たちの働きぶりを観察します。このような中期にわたる形式においては、どれほど繕っても、本性が出やすくなります。

そのため企業側にとっては「それまでの面接でうまくごまかしてきたものの、本来は当社に不向きな学生」を最終的にふるい落とすための場なのです。 選考の後期にインターンが設定されていたら、実質的な最終選考だと考えて気を抜かずに挑みましょう。 

長期インターンを「今すぐ」始めるべき理由3つ

短期インターンは、企業が募集を始める時期がある程度決まっており、学生側も3年生や4年生でスタートする傾向にあります。これは短期インターンの開催意図が、職業体験を通じて学生たちに気軽に複数の企業への理解を深めてもらうことだからです。

一方、長期インターンには特定の募集期間はなく、多くの企業では募集を通年で行っています。さらに長期インターンの主な目的は、実務経験を積んだりスキルを高めたりすることです。つまり、あなたが長期インターンに関心をもった「今」が、スタートするのに最適な時期だといえます。

理由①募集は早いもの勝ちだから

長期インターンは短期インターンと異なり、一回の募集が10名を超えるようなケースはまれです。さらに、企業側にとって優秀な人材の採用が決まれば、その時点で募集が終了してしまいます。

「興味のある企業にそのうち応募しようと思っていたけど、募集が終了していた」という失敗談も耳にします。そうならないためにも、興味をもった企業の募集を見つけたら、すぐに応募するようにしましょう。

理由②より成長できるから

「習うより慣れよ」という言葉がありますが、同じ仕事をするのであれば、より長い期間従事したほうが習熟度や成長速度は高まります。つまり、インターン期間中にいかに自己を成長させられるかは、従事する時間に比例しているといってよいでしょう。

そうであれば、少しでも早い時期に応募した方が、インターン期間をより長く確保できます。さらに、長く従事すればするほど企業側からの信頼度も高くなります。それによって任せてもらえる仕事の重要度が大きくなり、よりやりがいのある働きができるようになるでしょう。実際に長期インターンを通して、企業に一から新規プロジェクトを任せられるほど成長した学生も少なくありません。

理由③複数企業のインターンに参加できるから

大学入学当初から、将来やりたい仕事や業界がひとつに絞れている学生はまれです。そのため、長期インターンを通してさまざまな業界のリアルな現場を知ることは、今後の職業選択に大いに役立つでしょう。また、長期インターンであれば、たとえ参加した企業が自分に合っていないと感じても、また企業を変えてやり直せます。

ただし、長期インターンでは短くても半年程度働くことになります。複数の企業で長期インターンを経験したいのであれば、少なくとも1年以上の期間が必要です。そのため、始める時期が遅くなってしまうと、複数の業界や企業を見ることは厳しいでしょう。

業界や企業の理解をより深めるためにも、長期インターンは少しでも早い時期に参加することが重要です。

長期インターンで得られる就活へのメリット

ここからは、長期インターンへの参加が、あなたの就活においてどのようなメリットをもたらすかご紹介します。

①採用担当者から評価されやすくなる

面接の場で必ず聞かれるといってよい質問のひとつが「学生時代に最も頑張ったエピソード」です。しかしここで大学の専門的な学術の話や、サークルでの内輪エピソードを話しても、担当者にはイマイチピンと来ない可能性があります。

そこで効果を発揮するのが、長期インターンの経験です。面接官はプロの社会人であるため「長期インターンにて営業として新規のアポを獲得しました」といった話は評価されやすいのです。

また就活の場において、長期インターン経験者は「ビジネス経験者」とみなされます。つまり面接官にとって長期インターンを経験した学生は、未経験者より社会人としてのビジネスマナーや立ち回り方、さらにはビジネスの厳しさもよく知っていると思われ、高い評価につながるでしょう。

②仕事に対する理解が深まる

就活時に「なんとなく」企業を選んでしまうと、実際に就業した際「この仕事は自分には合わない」といった状況に陥りやすくなります。

しかし、学生時代に興味をもった業界や企業での長期インターンを体験すれば「この業界は今成長しているな」「この業界が求める人物像はこのような人だ」のように、会社や業界に対するより具体的な理解を深められます。

さらに「営業職は案外企画力を求められる」「マーケティング職は想像以上に地道に数字と向き合わなくてはならない」といった仕事に対する実態も、身をもって感じられるでしょう。

加えて自分が仕事に求めているものや、職業観も明確になるので、より今後の仕事選びがしやすくなるのです。このように長期インターンから得られる体験は、自分に合った企業や業界を選ぶうえで確実に役立ちます。

③生きたビジネスを体験できる

長期インターンでは、周りにいる人のほとんどが社会人です。学生と社会人では視点や価値観、ときには趣味まで大きく異なるため、長期インターンを体験することで、自らの視野をより拡充させられます。

また特にベンチャー企業では、社長や役員級の社員とも身近に接する機会も多くなります。優秀な社会人の仕事のやり方やマインドセット、経営ノウハウなどを生で体感できるでしょう。

また会社によっては、そうした優秀な社員から自分の仕事に対する生きたフィードバックをもらえます。つまり、長期インターンによって生きたビジネスを体感しながら、日々成長が見込めるのです。

④報酬が発生する

スーツ代や交通費など、就活にはなにかとお金がかかります。けれども短期インターンでは、交通費は支給されても、報酬がないケースがほとんどです。一方で長期インターンでは、基本的に報酬が発生します。報酬のパターンとしては、時給や日給型、あるいは成功報酬型が主です。

なお、企業や職種によってもらえる金額はさまざまであり、営業職なら契約数や成績に応じてインセンティブ(成果に対する追加の報酬)が与えられることもあるでしょう。また、プログラミング職などの高度なスキルを求められる長期インターンにおいては、それだけ報酬も高くなる傾向があります。

このように、学びながら報酬をもらえる長期インターンは、就活をスムーズに進めるうえでもメリットが大きいのです。

長期インターンにおけるデメリット

よいことばかりに見える長期インターンですが、実はデメリットもあります。

①大きな成果や責任が求められる

長期インターンの多くは、社会人と同様の実務を任されるケースが多く、企業からはその分、大きな責任と成果を求められるのです。

営業職ならば担当顧客を任されることになるので、そのクライアントへの対応責任は学生といえど営業担当者が負います。 したがって「私用のためにより対応や連絡が遅れてしまった」といった言い訳は通用しません。

また仕事外でも、常にその企業のブランドを背負うことになり、モラルの問われ方がより強くなります。社外での行動や発言、SNSでの発信なども節度を保つようにしましょう。

②時間的制約が厳しい 

長期インターンにおいて、一部の会社ではリモートワークが可能な場合もありますが、オフラインでの勤務が基本の場合が多いです。さらに、原則、個人的な都合による急な勤務時間の変更はできません。実際に社会人の近くで仕事を学ぶ

そのため、学生生活全般がどうしてもインターン中心になり、大学の授業やサークル活動、長期の旅行・留学などが難しくなる可能性があります。そうした意味でも決して生半可な気持ちではなく、自分なりの目的を明確にしたうえで、長期インターンに臨みましょう。 

③アルバイトほど楽には稼げない 

同じ時間労働であっても、アルバイトならば責任のある仕事は、すべて社員がやってくれます。また、決められたルールやマニュアルに従って働けば、それでよしとされます。

一方でインターンは、実務を通して社会人、ビジネスパーソンとしてのスキルや経験値を高める成長の機会です。「マニュアルどおりに動く人材」ではなく「自分の頭で考えて動ける」力をもった人が求められます。したがって、アルバイトのように「ラクをして稼ぐ」というわけにはいきません。

さらに、こうした長期インターンのなかには無給で労働力だけ搾取するような企業も存在します。労働内容にふさわしい給料がきちんと支給されるか確認したうえで、参加を決めましょう。

失敗しない長期インターンの探し方

①目的をはっきりさせる

長期インターン先を選ぶ際「なんとなく」といった目的が不明瞭な決め方をすると、後で後悔することになりかねません。

貴重な時間を投入する活動なので、具体的な候補の検討に入る前に「自分は何のためにインターンに参加するのか」という目的をはっきりさせておきましょう。

 目的の例

  •  自己を成長させるため
  •  社会人として成し遂げたいことを見つけるため
  • 業界の実状を肌で学ぶため
  •  高度な専門スキルを自分のものとするため
  •  プログラマーとして将来独り立ちするため
  •  優秀なWebマーケターとしての力をつけるため

②条件を明確にする

目標が確定したら、次はその目的を達成するために必要となる具体的な条件を整理しましょう。なお、それぞれの条件について自分なりの優先順序を決めておくと、その後の作業が楽になります。

  • 自分を成長させるためにはどのような働き方が必要か
  • 理想とする会社規模は
  • 理想とする事業内容は
  •  理想とする業務内容は
  •  週何日くらい働くか
  •  オンラインかオフラインか
  • 理想とする給料はどのくらいか

③条件を満たすインターン先を探す

目標と条件が決まれば、最後にそれらを満たすインターン先を探します。

このとき役立つのが、ATLASです。

ATLAS(アトラス)は未来をつくるリーダーのための就活キャリアサイトです。ATLASが総力を挙げて取材・編集したコンテンツをぜひご活用いただき、あなたに最適な長期インターンシップ先を見つけてくださいね。

まとめ

長期インターンには大きなメリットがあり、本気で打ち込むことで就活に有利になるだけでなく、自己の成長にも寄与してくれます。

一方で、長期インターンは多くの時間を割く必要があるため、学生生活の他の活動との両立が難しくなることもあるでしょう。それだけに、目的や効果などをよく考えたうえで挑戦するようにしましょう。

著者

トイアンナ

2012年、慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループのマーケターを経て、独立。
数千人の就活生から相談に乗った経験を活かして書籍『確実内定』を出版し、発行部数2万部以上のヒットとなる。
複数の就活媒体で監修・執筆を歴任。

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