【脱なんとなく】人の数だけ「プラン」はある。“自分らしい”キャリアプランの作り方 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

あなたは「キャリアプラン」と聞いて、何を思い浮かべますか?

「面接で聞かれてもどう答えればよいのかわからない」

「就活が終われば、もう関係がなくなるのでは?」

実はキャリアプランの形成は就活期間中だけでなく、自分らしい人生を送るうえで欠かせません。この記事ではキャリアプランの考え方やメリット、注意すべき点などを紹介します。

キャリアプランは新卒でも考えるべき?

キャリアプランとは「自分の将来の理想像を明確にし、実現するために構築する具体的な行動計画」を指します。

近年、キャリアプランに注目が集まっている背景には、社会の変化によって従来のような会社任せのキャリアプランでは対応できなくなったことが挙げられます。

基本的に今までは、大きな企業に就職できれば、終身雇用制に守られて一生を安泰に過ごすことができました。しかし現在は社会や企業の先行きの不透明さから、会社の一社員としてだけではなく、ひとりの人間として明確な実力とキャリアプランをもったうえで、主体的なキャリア選択が求められます。

企業における終身雇用制が崩壊しつつある今、就活の時点で人生の方向性を定めることが重要です。ファーストキャリアのみならず、セカンドキャリアや中途採用も視野に入れた、長期的なキャリア形成を学生の間から考えてみましょう。

キャリアプランを作成する4つのメリット

キャリアプランを作成するメリットは以下の4つです。

  1. 今行うべきことがわかる
  2. 仕事のモチベーションがアップする
  3. 会社や環境に振り回されない軸ができる
  4. 必要なサポートを受けやすくなる

(1)今行うべきことがわかる

キャリアプランを作成する大きなメリットは、今すべき行動が明確になることです。キャリアプランで自分の理想像を具現化できれば、ゴールから現在の状況までを逆算することで、今とるべき行動がおのずと見えてくるからです。

たとえば、5年後にフリーランスとして独立したいと考えているとしましょう。そのためには豊富な実務経験を積むことや、安定受注につながる人的ネットワークの構築などが必要だとわかります。そこから「この分野での経験を積むために、月30件の仕事を受注する」「積極的に交流会に参加して、ビジネスにつながる人脈を築く」といった、自分がとるべき具体的な行動が明らかになるでしょう。

(2)仕事のモチベーションがアップする

キャリアプランを作成することは、日々の仕事におけるモチベーションのアップにもつながります。キャリアプランを作成することで、会社で立てた目標も自分の人生におけるビジョンの一部であるととらえられます。

このようなマインドをもつことで、会社でもあらゆる仕事に自律的に取り組めるようになるでしょう。

(3)会社や環境に振り回されない軸ができる

キャリアプランを作成することにより、会社やまわりの環境に振り回されない自分なりの「軸」ができます。

終身雇用による保障がなくなりつつある現代では、結婚や出産、転勤、転職などキャリアに関する選択の機会に何度も直面します。会社主導でキャリアを形成するだけでは環境に振り回され、働き方に不安を覚える場面も出てくるでしょう。

しかし、そこに確固たる個人のキャリアプランがあれば、主体的に判断や決断を行い、納得のいく主張や行動がとれるようになります。自分の理想とするキャリア像に近づくためには、どうすることが有益なのか。このような視点に基づいた選択を行うことが、着実なキャリア形成へとつながるでしょう。

(4)必要なサポートを受けやすくなる

キャリアプランを作成するメリットのひとつは、周囲から協力が得られやすくなることです。

普段から積極的に自分のビジョンを上司や同僚などに共有し、機会を見つけて発信し続ける。それにより、希望する仕事につながるプロジェクトや、ステップアップできる部署に誘われる可能性が高くなるでしょう。

このように、日頃から自分のキャリアに対するビジョンを周囲に伝えておくことで、さまざまな人にサポートしてもらえる土台づくりができます。

キャリアプランの考え方・立て方

ここからは、実際のキャリアプランの考え方や立て方を順番に解説していきます。

キャリアプランの作り方は以下の3ステップです。

  1. 理想の自分を具体的にイメージする
  2. 自己分析をする
  3. 現状とのギャップを明らかにする

(1)理想の自分を具体的にイメージする

旅に出るとき最初に目的地を決めるように、キャリアプランの作成においては、最初にゴールとなる理想の自分像を具体的にイメージすることが大切です。このような中長期的なスパンで見た、自分がしたい仕事や人生の理想像を「キャリアビジョン」といいます。

キャリアビジョンの決め方としては、自分の「好き・嫌い」をベースに決める方法がよいでしょう。好きなことに打ち込んだ方が人生は楽しくなり、好きなことには自然と惜しみなく力を注げるため、高い価値を生み出しやすくなります。

反対に「この業界やこの職種がより稼げる」「この企業はトップ層の学生に人気がある」といった損得の観点や世間体は、別にして考えたほうがよいでしょう。他人の評価や価値観に惑わされず、自分の評価基準でキャリアビジョンを決めることが重要です。

(2)自己分析をする

なりたい理想像、キャリアビジョンが見えてきたら、次に自己分析をして現状把握を行います。子供の頃や学生時代など自分がどのような経験をしてきたのか、それらの経験を通してあげた成果や、どういったスキルが身についたのかを振り返り、キャリアの棚卸しをしましょう。

効率的に自己分析を行うためには、フレームワークが有効です。マインドマップ、モチベーショングラフ、SWOT分析などさまざまな手法があるので、自分に合った方法を活用するとよいでしょう。

(3)現状とのギャップを明らかにする

なりたい理想像が描けて、自己分析によってこれまでの経験や獲得した知識、スキルなどの棚卸しができたら、次になりたい自分になるためには、どのような要素が不足しているかをピックアップしましょう。

このステップで重要なのは、現状の自分を過大評価しないことです。自分の足りない部分に向き合うことは辛い作業ですが、目的は自尊心を高めることではなく、理想とのギャップを知ることです。現実から目を背けず、やや厳しめに評価することで現状とのギャップを明らかにしましょう。

(4)ギャップを埋める手段を考える

現状と将来像の間にあるギャップが把握できたら、次にそのギャップを埋める手段を考え、プランニングします。

どのようにギャップを埋めるべきか具体的にイメージできない場合は、すでに自分が目指す仕事や働き方を実現している方に、話を聞いてみましょう。今、理想的と思えるポジションに就いている方も、過去にはいくつかの職歴を挟み、その経験を活かしながら活躍していることが多いからです。

また、ギャップを埋めるための手段を考える際には、企業の採用動向に詳しいプロに相談する方法もあります。インターンシップでコンタクトをとった企業の人事担当者や、人材紹介会社のキャリアコンサルタントなど、さまざまな相談先があるでしょう。

面接でキャリアプランを答える際のポイント

実際の面接でキャリアプランを答える際には、ただ漠然と自分の思いを述べるのではなく、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

企業が面接でキャリアプランを聞く意図とは

企業が面接においてキャリアプランを聞く意図には、どのようなものがあるのでしょうか。‌企業の狙いは主に以下の2つです。

  1. 応募者と企業との相性を確かめるため
  2. 応募者の企業についての理解度を把握するため

(1)応募者と企業との相性を確かめるため

厚生労働省のデータによると、2018年における新卒就職者の3年以内の離職率は31.2%にのぼります。【参考】厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します

‌つまり、およそ3人に1人が早期離職をしているのです。‌早期離職の大きな原因となっているのが、仕事内容のミスマッチです。これは、応募者が入社してからやりたかったことと、実際の業務との間のギャップにより起こります。

‌社員の早期離職は、企業側にとっても大きな問題です。採用担当者は面接時に応募者のキャリアプランを聞いておくことで、応募者がやりたいことと自社でできることに相違がないかを確認します。もしも、そこで応募者が将来的にやりたいことと会社の実態がかけ離れていれば、ミスマッチの可能性が考慮されることから、採用候補者から除外される確率が高くなるでしょう。‌

(2)応募者の企業についての理解度を把握するため

面接官はキャリアプランをたずねることで、応募者がどれだけ具体的に自社での就業をイメージできているのか見極めています。もしも、応募者のキャリアプランが明らかに自社の配属制度や昇進制度から逸脱していたならば「この人は自社を深く理解していない」と判断されるでしょう。そうならないためにも、‌企業の事業内容や制度に関する理解を深め、それらをキャリアプランに盛り込んだうえで面接に臨むことが大切です。

企業を理解したうえで将来を予測する

面接でキャリアプランを語る際は、まずキャリアプランの結論部である「自分が最終的に達成したいこと」を述べます。これによって最も言いたいポイントが明らかになるとともに、聞き手にとってもその後の説明を理解しやすくなるからです。

‌このときに意識すべきなのは、企業の体制や状況に即した回答をすることです。

‌「御社のCEOになって世界一の会社にします」

‌このような現実離れした回答は、綿密に考えられたキャリアプランだとは到底いえません。「本当に自社に入る気があるのか」と疑いを相手に抱かせてしまうでしょう。

現在している努力や本気度を見せる

可能であれば、自分が描いているキャリアプランを達成するために、現在具体的に行なっている努力の内容を伝えられるとよいでしょう。

具体的な行動事例をアピールすることで、描いているキャリアプランに対する本気度が聞き手にも伝わるはずです。

数字を用いて具体的な計画・目標を伝える

面接でキャリアプランを聞かれる際に「3年後にどのようなことがしたいですか?」といった具体的な年数で質問されるケースがあります。

このような質問をされた場合は、まず10年後や5年後といった長期的なプランを立てたうえで、そこから逆算して考えることをおすすめします。

そのためには、目標達成のために以下の点を具体的に述べられるとよいでしょう。

  • どの部署に入りたいか
  • ‌どのような業務に携わりたいか
  • ‌それを通して何を成し遂げたいか

面接でキャリアプランを聞かれたときの回答例

では、実際の面接において将来のキャリアプランを聞かれたときには、どのように回答すればよいのでしょうか。これまでの内容を踏まえ、具体的な回答例を交えて解説していきます。

面接での回答例

ここからは状況別に3パターンの例文を紹介します。

  1. 営業職に志願するケース
  2. 技術職に志願するケース
  3. 産後復帰を前提とするケース

(1)営業職に志願するケース

私は御社に入社して、営業部の全国成績トップを目指したいと考えています。御社のサービスを学生時代に利用させていただき、その魅力を一人でも多くの人に知ってもらいたいと強く感じているからです。

最初の2年間は知識をできるだけ早く身につけるために、実際に御社のサービスを幅広く使うことで理解を深めます。営業スキルに関しては、積極的に先輩社員からノウハウを学ぼうと考えています。

また、数年後は既存顧客だけでなく、新規顧客開拓にもぜひ携わりたいです。幅広いクライアントのニーズを分析し、おのおのに合った提案のために全力を尽くし、提案するごとに受注率を100%まで高められるよう精進します。

そのためにも、現在携わっているアパレルのアルバイトでは、お店の前を通る方の服装を観察し、どのような服が似合うのかいつも考えています。このようにお客様にとってのメリットを常に考える習慣がついているため、今後、営業職として働く際に活かしたいと考えております。

(2)技術職に志願するケース

わたしは10年後にはプロジェクトマネージャーとして、プロジェクトを最適なプランで成功に導ける存在になりたいです。なぜなら、御社のプロジェクトマネージャーである〇〇様と実際にお話しをさせていただき、御社のプロジェクトに関わるうえでの考え方に感銘を受け、私も同じ道を進みたいと考えているからです。

そのためにも、まずは顧客のニーズやシステム開発の知識を十分身につけるために、システムエンジニアとして先輩社員から学ばせていただきながら、自走できる人材になりたいです。

数年後には実績を伸ばして、マネジメント能力を活かしてチームをまとめるリーダー職を目指します。常に上昇志向で、クライアントや御社のために自分ができることに全力で取り組みたいと考えております。

そのためにも、現在学業と並行して通信講座を利用し、より専門的なプログラミングを学んでおります。

(3)産後復帰を前提とするケース

わたしは数年後には、御社のマーケティング部門におけるスペシャリストとして、良質なコンテンツを作り続ける仕組み作りに携わりたいです。そのためにも、まずは御社の優秀なマーケターである先輩の方々より実務に関するノウハウを吸収するとともに、書籍や資格の勉強を通して自らを高めます。

また、私は出産や育児と並行しつつ、仕事を継続していきたいと考えています。そのためにも女性社員の割合が高く、産休後の復帰率の高い御社で働くことで、育児と両立しながら自分の目標を追い続けたいです。

それゆえ、現在はアルバイト先の飲食店でも、限られた時間でより効率よく作業ができるように改善をし続け、まわりの方々と協力しながら、限られた時間内で最大限の効果を上げられるように努力しています。

まとめ

変化の大きい現代社会において、キャリアプランの作成は最初の就活時だけでなく、自分の人生を主体的に生きるためにも必要不可欠な要素です。立場や年代に合わせて重要なポイントを理解したうえで、5年後、10年後を見据えたキャリアプランを作成し、積極的に活用していきましょう。

著者

トイアンナ

2012年、慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループのマーケターを経て、独立。
数千人の就活生から相談に乗った経験を活かして書籍『確実内定』を出版し、発行部数2万部以上のヒットとなる。
複数の就活媒体で監修・執筆を歴任。

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