官民を渡り歩いて辿り着いた唯一無二の「考え方」【官と民を両方体験して#03】 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

前回(#2)に引き続き、官僚と民間の双方をご経験された栫井誠一郎さんに、ご自身のキャリア観についてのお話を伺いました。

官民を渡り歩き、たどり着いたPublinkという形

——これまで官僚でのご経験についてうかがってきましたが、今代表を務められているPublinkを起業されたきっかけは何でしょうか?

栫井:そうですね。そもそも日本の10年後は今よりも人口が減って社会保障も支えるのが難しくなって、政府の借金がどんどん大きくなるみたいに悪くなることが当たり前になっていますよね。今後生まれてくる子供達が日本に生まれてよかったと思えないような国になるのがすごく嫌なんです。人生として、今も目指してることでもあるのですが、分断されている組織の垣根を下げていき、個人の思いで未来を作れる世の中にする。それが実現できれば日本はもっと良くなるし、僕も死ぬ時100万人から感謝されてハッピーだなというところがベースでありました。その中で、官僚と民間を両方経験してきたので官と民を融合させて事業として実現できれば世の中も良くなり、会社も大きくなる。超ハッピーだっていうところが原点ですね。

——Publinkでは実際にどのような事業をされているのでしょうか?

栫井:理想の未来に向けて、コミュニティと事業という2つの形でドライブしてます。

コミュニティは収益化していないのですが官と民の主要な人脈を広げて化学反応を起こすことを目的としています。ただ、全員と僕が会うのは不可能なのでコミュニティを作りました。例えば「霞ヶ関ティール」という現役の国家公務員限定のコミュニティであったり、色々な省庁から民間に転職した人のコミュニティを創設したりしています。

Publinkの事業を収益化するところではWebのメディアの「Publingual」や、官と民で率直に対話する「Publingual Salon」を運営しています。月額3000円かかりますが学生でも入会できて、毎月1,2回虎ノ門で官僚も来るイベントをやっています。その他にも大企業の人と官僚や自治体の人がお互いに仮説を磨きあって交流する研修事業や、イベントの運営、コンサルティングなどもしています。

コミュニティと事業という両面でドライブしていく事で多様な人たちが組織を超えて社会に対して価値を出していくことができたらと思っています。その活動をメディアやイベントを通して拡散して、人がまた集まるエコシステムを作れたらと思いながら絶賛同時並行で進めています。

思い描く「個のための組織」という新しい社会の形とは

思い描く「個のための組織」という新しい社会の形とは

——現時点で栫井さんの当初の目的はどの程度達成されていると思いますか?今後のビジョンも教えていただきたいです。

栫井:人生の目標の達成に向けては、Publinkでの挑戦はもちろん、将来のあらゆる選択肢を追求したいと思っています。官民に限らず社会のあらゆる分断をつないでいくようなことをしたい、繋ぐだけでなく実事業もしてみたいし、企業に対しての投資もやっていきたいと思っています。人生の中で何合目かで言うと今日本で僕しかできないことや僕だけに認めてもらえている価値が出てきて、僕のビジョンに共感してくれた人も増えてきたので、1.5合ぐらいかなと思います。

——栫井さんは日本の人材の力を倍増し、日本をより良くされる活動を多くしておられると思うんですが、日本は衰退していく一方だと言われている中で、どのように今後変わっていけばよいと考えていますか?また、どうしていきたいと考えていらっしゃいますか?

栫井:僕はまず、組織と個人の主従関係を逆転させたいと思っています。今は圧倒的に組織の力が強いんですが、これからの時代は「組織のための個人」という形から「個のための組織」という形に変わっていくと思います。個人が個々の思いを率直に出し、組織という器にとらわれず協力しあえる世の中にしたらもっと日本は元気になるし、日本がそのように変われば世界から人が集まってくる。そうしたら自然とフィールドとしての日本っていうのは元気になっていくだろうなという風に思っています。世界中のいいひとが集まれば、経済も盛り上がるし、食事も美味しいし、最強の国だと思うんですよね。

毎日ワクワクする方法を考えて生きる

毎日ワクワクする方法を考えて生きる

——もし今の自分だったら大学卒業後一番最初の職業として経済産業省・官僚を選んでいたと思いますか?

栫井:それはもしタイムリープしたらという話ですよね。当然ですが自分が新卒で他の経験をしていないのでわからないですが、上位の選択肢であることは間違いないと思いますね。視野が絶対広がるし、絶対成長するので。ただ、役人臭くなってはいけない事が大切だと思っています。実際に必要以上にマウントを取る人がいたり、結果よりプロセスを重視してしまう人が割と多い。吸収した方が良いか、それとも染まってはいけない所なのかを自分で分解することがすごく大切なので、官僚に興味持つ人は大学生のうちに民間でインターンをして視野を広げておくことを強くお勧めします。その上で経済産業省や官僚を選ぶのはすごくいい選択肢だと思います。ただ、それも一生官僚だけというのは違うと考えていて、官と民両方経験をして、究極的には3年毎ぐらいで行ったり来たりするのが一番最強だなって思います。

——最後に大学生にアドバイスやメッセージをお願いします。

栫井:色々ありますが、一個は自分の日々にワクワクしてるかを考えることです。僕が高2の時に自分を変えられたのは、自分が自分のことを嫌いだったって気がついたからです。まずは自分のことを好きになる努力をしようと、自分の嫌いなところを潰していきました。その結果、いろいろと行動して努力する、そうすると周りも見る目が変わってすごく良い経験が出来ました。自分を好きになる努力をしていくともっともっと成長できる。そのうちにモチベーションが湧いてワクワクしていける。将来社会人ゾンビにならない唯一の方法は日々をモチベーションを高く自律的にわくわくさせることだと思っています。全てのことにワクワクするのは難しいですが、できるだけ自分を幸せにしてあげるために工夫することが大事です。

僕も社会人3年目で気が付いたら日々テンション下がってるなって思った時にワンルームの壁にこれを貼ったんです。
「ワクワクすることしかしてはいけない!」って。

朝目覚めた時にこの言葉をみて、ワクワクしていない時はその理由を考える。その中で楽しくする方法やうまくいく作戦を考える癖をつけるとハッピーになると思います。学生時代何したらいいかとか将来何したらいいかを考えることは自分の将来を考えることなので本来楽しいことのはずです。どんどん妄想して、ビジョンを描いて、ワクワクする。ワクワクしていると自然と笑顔になって自然と上をむく事ができる。そのように楽しみましょうってとこですね。

栫井:あとはやはり、勉強だけではなくて、恋愛をしましょう。公務員でも民間でも大事なことは自分だけではなく、周り含めて全員がハッピーになれるかどうかです。そのためには相手のニーズや感情をきちんと汲み取れるかが大事なんです。その究極系が恋愛で、世の中で最も思い通りにならない事って他にないんです。恋愛が究極のコミュニケーション力磨きであり、自分と他者がハッピーになるための人生で最も難しい課題だと思うので、どんどん場数を踏むことを僕はお勧めします。勉強ばっかしてないで恋愛はしろって思います。楽しく生きてください。

——自分もいろいろ頑張らないとと思いました! 

栫井:もう一個、人生哲学を伝えてもいいですか?

アイシールド21という筑駒の先輩が書いたアメフトの漫画が好きで、セナ君という主人公がいるのですが、彼は一流の走るランナーである一方で、体は超貧弱。人生生きてて、超優秀な人をみると一回も挫折していないように見えますが、そんなことはまずない。アメフトでは、誰もがフィールドで倒されたことがあります。でも一流の人は努力してすぐに立ち上がってまた走りだす。普通の人はちょっと立ち上がるのが遅い。敗者、負ける奴はずっと横たわったままなんです。みんな壁にぶつかりますが、その後の違いはすぐ立ち上がって走れるかどうかだけです。僕も起業した直後や官僚の時に辛いと思ったことはたくさんあるんですが、その時はこの漫画読んで、よし「辛い〜」って叫ぼう、そしてもう一回立ち上がろうと思いました。

栫井ってちょっと別格な人だと思う人もいるかもしれないですが、僕だって壁に当たるし皆さんも違う壁にそれぞれ当たると思います。なので、潰れる時はひたすら潰れて、カラオケでひたすらストレス発散して、その後もう一度立ち上がる事が大事ということを考えていただければと思います。

——本当にありがとうございました!!

まとめ

インタビューを通じて、栫井さんの自分の理想を常に追い求める姿勢を感じました。「関わる人みんながwin-winに」そんな自分の理想を体現される人生の歩み方を学ぶ事ができました。その中で感じたのは官僚という仕事の可能性です。栫井さんの描く理想のルーツを産んだ視野を広げる官僚の仕事は今の時代でも魅力的なものだと思います。ワクワクにあふれた毎日を過ごすという簡単なようで難しい幸せを自らの行動で掴むため、どんな壁にぶつかったとしても立ち上がり続けたいそんな気持ちにさせてくれるお話でした。

著者

ATLAS

未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト「ATLAS」の編集チーム。

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