【スキル≠内定】見られるのは経験ではなく“この性格”!新卒でエンジニアになる選択肢。 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

AIやIoT、ビッグデータ、ディープラーニングなど先端テクノロジーが加速するにつれ、その分野で働くエンジニアがますます必要とされています。どのような企業であっても、ITツールは業務と切っても切れない関係です。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)により新たな価値を生み出すためにも、エンジニアの役割は不可欠です。

この記事では、新卒でエンジニア就職を考えている場合の就活の流れや特徴を押さえたうえで、求められる人物像や面接のポイントなどを解説します。

新卒でもエンジニアは目指せる?

新卒でもエンジニアを目指すことは十分可能であり、むしろ目指しやすい職種といえます。その理由は以下のとおりです。

慢性的な人手不足が続いている

IT分野、特に先端領域においては慢性的な人手不足が続いており、今後もその状況は続くでしょう。

現在、日本のIT人材は約120万人といわれており、これは米国約400万人、中国・インドの約230万人に比べて大きな差があります。10年後は米国・中国は500万人、インドは300万人になると予測されている一方、日本の伸び率は低く、約150万人にとどまります。

みずほ情報総研が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査」では、今後の生産性上昇率やIT需要の伸びに関していくつかのシナリオを設け、エンジニア不足についても予測しました。

その試算によると、今後、生産性上昇率が年率0.7%、IT需要の伸びが3〜9%であれば、2030年には約79万人のエンジニアが不足するとしています。

労働力人口が減少している

もはや周知の事実ですが、日本では少子高齢化にともない、労働力人口(15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)が減少しています。

2021年の労働力人口は平均で6,860万人で、2020年比8万人の減少でした。15〜64歳の労働力人口に限れば、2020年比15万人の減少と、もはや歯止めがかからない状況です。今後もこの傾向には拍車がかかり、2030年には約5,880万人、2040年には約5,268万人、2050年には約4,640万人まで減ると予測されています。

労働力人口が減ることで、労働市場全体が人手不足に陥ることは間違いありません。加えて、企業は経済規模の縮小や国際競争力の低下に対処するために、生産性向上にこれまで以上に注力することになります。そうした状況下で、ITを駆使してソリューションを提供するエンジニアの役割はますます大きくなるでしょう。

理系・文系問わず就職が可能

理系・文系問わず就職が可能

エンジニアと聞くと「理系出身者」「プログラミング習得が必須」といったイメージが強いでしょう。しかし、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)社会基盤センター発行の「IT人材白書2020」によると「先端IT従事者の最終学歴での専攻分野」はIT・情報系が36%、IT・情報系以外の文系が30.2%、IT・情報系以外の理系が26.4%でした。

このデータを見ると、少なくとも先端IT従事者の約3割が文系出身者です。そのため「自分はプログラミング未修得だからエンジニアは無理」などと、短絡的に考えないようにしましょう。

もちろん、プログラミングスキルがあれば、有効なアピール要素にはなるでしょう。しかし、IT技術は日進月歩、絶えず進歩しているので、過去に学んだ知識が現場ですぐに活かせるとは限りません。むしろ、重要なのは日々進歩するITのトレンドを絶えず学ぶ姿勢です。

また、開発現場ではコミュニケーションスキルも求められます。ほとんどのプロジェクトは一人で黙々と作業するというより、チームで進めるのが基本だからです。相手の立場になって、情報を共有しながら仕事をするための、高いコミュニケーションスキルの習得は文系・理系問わず必要です。

エンジニアの就活の流れ

エンジニア就活は一般的に、以下の流れで行われます。

①企業へプレエントリーする(仮応募)

②説明会やインターンへ参加する

③本エントリーする(応募)

④エントリーシートを提出する(書類選考)

⑤筆記試験

⑥面接

⑦内々定

⑧内定

それぞれのフェーズを簡単に説明します。

企業へプレエントリーする(仮応募)

プレエントリーとは、企業のページやマイナビ・リクナビなどの就活サイトに登録し、仮応募することです。プレエントリーすると、企業から説明会や選考に関するお知らせが届きます。

プレエントリーをするだけでも、就活に関する情報量に圧倒的な差が生じます。ひとまずこの段階を踏んでおくとよいでしょう。

説明会やインターンへ参加する

説明会やインターンをとおして、就職を希望する企業への理解を深めていきます。説明会に足を運ぶ際には漫然と参加するのではなく、面接やエントリーシートにつながるメッセージを「拾う」ようにしましょう。

このフェーズでは、ホームページや資料からではわからない、企業が「求める人材」のイメージを膨らませましょう。入念にメモをとりながら、社員や担当者の話を傾聴することをおすすめします。

本エントリーする(応募)

本エントリー、つまり正式な応募です。ここから選考が始まります。詳しい選考内容は以下で紹介します。

エントリーシートを提出する(書類選考)

エントリーシートとは、志望動機や自己PRを書いた書類のことです。企業から指定されたフォーマットにしたがって記入します。最近はオンラインでの提出が可能な企業も増えましたが、なかには手書きの企業もあるので柔軟に対応しましょう。

筆記試験

筆記試験は主にGMAT、TG-WEB、IMAGES、CAB、GAB、SPI、内田クレペリンの7種に大別されます。筆記試験と聞くと緊張する人も多くいますが、GMATを除けばそれぞれ10時間未満の対策で十分高得点を狙えます。

面接

人気企業の多くはエントリーシートと筆記試験で多くの学生を振り落とすため、面接にたどり着けるのは少数です。面接を複数回実施する企業がほとんどで、最終面接に近づけば近づくほど上の役職の社員が担当します。面接の各フェーズに合わせた対策が必要です。

内々定

内々定とは企業から口頭あるいはメールで、簡略的に内定を伝えられることです。内々定が出てから内定を取り消されることはほとんどないため、実質的な内定と考えてよいでしょう。

内定

正式内定解禁日は毎年異なりますが、大学4年、修士2年の10月1日以降が通例です。

エンジニアの就活・面接対策

エンジニアの就活・面接対策

以上の就活の流れを頭に入れたうえで、エンジニア志望の就活生がとるべき対策を紹介します。

エンジニア就活の特徴

エンジニア就活の特徴として、プログラミングなどの専門知識は必須でない点が挙げられます。前述のとおり、先端IT従事者の少なくとも約3割は文系出身者です。

実はエンジニアの仕事のなかでプログラミングはほんの一部で、実務はほかにもさまざまな業務から成り立っています。そして、ほとんどの実務は入社後の3~6カ月に渡る研修や、実際の現場で学ぶことになります。

エンジニア就活の面接のポイント

面接では高い確率で「なぜエンジニアを目指すのか」「将来どのようなエンジニアになりたいのか」といった質問をされるでしょう。この問いに対して自分なりの回答を出しておくことが、エンジニア就活の面接のひとつ目のポイントです。

漠然とした言葉でまとめるのではなく、自分がエンジニアを志したきっかけや経緯を具体的なエピソードを語れるようにしておきましょう。

ポイントのふたつ目は、コミュニケーションスキルをアピールすることです。前述のようにエンジニアはチーム単位でプロジェクトを進めるため、就活段階では専門知識よりも、チームで共同作業できる人材かどうかが重視されます。

面接では「コミュニケーションが苦手」は当然NGワードです。また、相手の話を傾聴する姿勢があるか、自分の考えを論理的かつ的確に伝えられるかどうかも判断されます。

エンジニア就活で求められる人物像

エンジニア就活で求められる人物像は企業によって若干の違いはありますが、主に次の2点に集約されます。

ひとつ目に「謙虚に学ぶ姿勢があるか」どうかです。前提として、学生時代に自分なりに習得した知識や技術に、固執しないことが重要です。また、日々めまぐるしく移り変わるIT業界についていくためには謙虚に新しい知識をインプットし、新しい技術に興味をもち、それを学ぼうとする姿勢が求められます。

ふたつ目に「メンバーや上司から信頼されるか」どうかです。お互いの信頼関係はいうまでもなく、コミュニケーションから生まれます。そのため、相手の立場に立って情報発信をしたり、質問したりできるかどうかが問われます。

また、自分だけの成功を願うのではなく、チーム全体の成功を願って行動できるかも重要な要素といえるでしょう。自分がチームで行動した結果、得られた具体的な成功体験を示すことをおすすめします。

エンジニア就活でアピールする方法

エンジニア就活でキラリと光る存在になるためには、次のような準備をしておくとよいでしょう。

技術力をアピールするなら実績を

技術力は最重要ではありませんが、上手なアピールにより頭一つ抜きん出ることができます。ただ、単純に「○○を●●年学びました」「○○ができます」というのでは具体性に欠け、相手はどの程度の技術力をもっているのかわかりません。

可能であれば数字や結果で実績を伝えるのがベストですが、そうでなければ取得した資格をアピールするのもよいでしょう。

マネジメント力をアピールするなら数字を

新卒の場合、いきなりマネジメント職につくことはほとんどありませんが、エンジニアにはコミュニケーション力に加え、スケジュール管理など、自己マネジメント能力も欠かせません。

学生時代に関わったプロジェクトやボランティア活動などで、どのようにマネジメント能力を発揮したか、人数や期間を示す数字を含めることで具体性をもたせ、的確にアピールできます。

ポートフォリオを作成する

以上挙げたような、自分の技術力やマネジメント能力を証明する資格や経歴、エピソードなどをポートフォリオにまとめておきましょう。具体性は大切ですが、情報が膨大にならないように、相手目線でデザインや文章構成はシンプルなものにしましょう。

ポートフォリオを作成することで、自分のスキルやパーソナリティを正確に伝えられ、書類選考が有利になる可能性もあるでしょう。

理系学生なら押さえておきたいその他の職種

エンジニア以外にも、理系学生なら押さえておきたい職種があります。そのなかでも主なものを3つ紹介し、理系専攻の就活生にとってなぜアドバンテージが大きいかを説明します。

技術職

技術職とは、専門知識を活用し、製品の製造を運用・管理する職種です。いわゆる「モノづくり」に関わる仕事といえるでしょう。その分野は製造業界にとどまらず、建設・建築業界、エネルギー業界、運輸運送業界など多岐に渡ります。

製造工程で問題が起きたときは、課題を分析し、原因や改善策を速やかに見つけ出す能力が必要です。そのニーズは、理系学生が培ってきた能力と親和性があります。

研究職

研究職は「基礎研究」と「応用研究」に分けられます。基礎研究とは、応用や用途を考慮せずに、学術的知識をもとにして技術や理論を発見する職種です。それに対して、応用研究は、基礎研究によって発見された知見に基づき、特定の技術や知識の応用化、実用化を探索する職種です。

どちらの研究職が向いているかは、理系学生のなかでも専攻によって変わってくるでしょう。企業によっては研究職の応募要件に「修士課程修了」を挙げているところもあります。また、「博士号」を取得することで一定の研究成果を上げてきたことが証明されるため、高度な研究職への道が開かれます。

開発職

開発職は企業の製品化を担当する職種です。研究職と混同されがちですが、研究職は「0から1を作る」仕事であるのに対し、開発職は研究職がすでに発見した「1」から「10、100へとつなげる」仕事です。

また、技術職とも異なります。技術職が実際の製造工程を管理、運用するのに対し、開発職はその製品そのものを開発する仕事です。例えば、研究職が美容に効く成分を見つけ、開発職はその成分を使った化粧品を開発します。技術職はその化粧品の製造工程を管理、運用する役割があります。

新たに発見された理論や素材を用いて、商品化するプロセスは非常に困難です。繰り返しテストを行って、その結果を分析し、改善を繰り返します。同様の研究を学生時代に行ってきた理系出身者は、粘り強く考える習慣を身につけているため、開発職の就職に有利といえるでしょう。

まとめ

理系学生は、学生時代に研究などを通じて、就活に有利なさまざまな資質やスキルを身につけているといえます。ただ、どれだけ学生時代に専門的な知識や高度なスキルを身につけたと思っていても、実際に入社し、開発や研究、エンジニアリングに携わる過程では役に立たないと感じることも少なからずあるはずです。

そういったときにこだわりを捨てて、素直に学び、進化し続けるポテンシャルを備えているのか。それこそが企業が理系学生を採用する際に、見極めたいと思っているポイントだということを忘れないようにしましょう。

著者

トイアンナ

2012年、慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループのマーケターを経て、独立。
数千人の就活生から相談に乗った経験を活かして書籍『確実内定』を出版し、発行部数2万部以上のヒットとなる。
複数の就活媒体で監修・執筆を歴任。

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