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「就活時点でセカンドキャリアのことも考えるべき?」

「どういった企業に転職する人が多いのかな?」

「大企業=安泰」の時代は終わり、受動的に働くのではなく今後ますます個の力が重要となるでしょう。そのため、就活時点からセカンドキャリアを考えて、理想の働き方に向けて行動する方が増えています。

この記事では、セカンドキャリアを考えるうえで大切な主要業界からの転職先や、転職時に選ばれやすい業界、転職する際の注意点を解説します。転職を見据えて就職先を考えている就活生は、キャリア選びの参考にしてみてください。

就活におけるセカンドキャリアの考え方

キャリアプランとは「自分の将来の理想像を明確にし、実現するために構築する具体的な行動計画」のことです。

就活時点でセカンドキャリアを考えるのは、気が早いと感じる方もいるでしょう。しかし、変化の激しい現代において、将来を見据えてキャリア形成するためには、就活時点からセカンドキャリアを考えることも重要です。

企業における終身雇用制が崩壊しつつある今、就活時点で人生の方向性を定めることが重要です。ファーストキャリアのみならず、セカンドキャリアや中途採用も視野に入れた、長期的なキャリア形成を学生の間から考えてみましょう。

セカンドキャリアを形成する前に「職種は変えられない」「業種を変えた転職は無理」といわれることもあるでしょう。しかし、30歳前後で異なる職種・業種に転職する方は多くいます。

もし今後の働き方を模索している段階であれば、できるだけ早くキャリアプランを形成し、必要に応じてセカンドキャリアも視野に入れましょう。

新卒でコンサル業界に就職した場合

コンサル業界からのキャリア形成

コンサル業界で経験を積むと、高いスキルや課題解決能力を養えます。そのため、転職市場における市場価値が非常に高く、さまざまな業界で活躍している方が多く見られます。

コンサル業界では入社後、3〜4年で半数ほど転職しますが、その主な理由は自身のキャリアアップです。

コンサル業界からの主な転職先は、以下のとおりです。

  1. 競合他社
  2. ベンチャー企業の幹部ポジション
  3. 外資系企業
  4. 大手日系企業のプロジェクトリーダー
  5. 起業

新卒で投資銀行に就職した場合

投資銀行とは、法人向けに証券業務を行う銀行のことです。企業を顧客としてM&Aや資金調達のアドバイスをしたり、機関投資家や自社のために金融商品を売買したりします。

実力主義の世界であり、成果を出せなければ異動や解雇になるリスクも高いといわれています。​一方で、若手でも重要な業務を任されることもあり、自主的に動ける人であれば成長しやすい環境です。

同時に、急に職を失ってしまうリスクから、​早めに実力をつけて投資銀行から転職しようと考える方も一定数います。投資銀行からの主な転職先は、以下のとおりです。

  1. 同業他社
  2. PEファンドや資産運用会社
  3. コンサルティングファームの戦略・財務・金融部門
  4. スタートアップやベンチャー企業のCFOや経営企画室長
  5. 起業

新卒で商社に就職した場合

総合商社はネームバリューがあり、グローバルな仕事もできるのが魅力です。資源やインフラといった伝統的なビジネスだけでなく、ITをはじめとする革新的なビジネスにも積極的に乗り出しています。

革新的なビジネスの現場では、次々とイノベーションが生まれます。より大きなビジョンを求めて外の世界に飛び出し、自由なセカンドキャリアを構築するケースも少なくありません。

総合商社からの主な転職先としては、以下のとおりです。

  1. 戦略・経営コンサル
  2. 金融業界
  3. スタートアップ・ベンチャー
  4. 起業

大手総合商社は給与水準が高いため、第二のキャリアを踏みだす際には年収が半分以下になるケースもあることには注意が必要です。

新卒でベンチャーに就職した場合

「自分の力をつけたい」という思いから、ファーストキャリアにベンチャーを検討している方もいるでしょう。

実際、ベンチャー企業では実践を繰り返し行えるため、積極的に仕事に取り組めば大手企業より速い成長が見込めるでしょう。

ベンチャー企業で働くメリットは、個人の裁量の大きさにあります。そのため、特定の会社でのみ活かせる知識やスキルではなく、業界や業種が変わっても使える汎用性のあるスキルが身につきやすいといえます。

  • 新規事業を立ち上げ、自分で事業を運営するスキル
  • スタッフを束ねてプロジェクトを推進するスキル
  • 自身の裁量で決断し、ビジネスを推進する経験

これらのスキルや経験を活かし、大企業の新規プロジェクトの責任者として転職を果たす方もいるでしょう。また、ベンチャー企業で仕事をしていくなかで、自分がやりたいことを見つけ、起業を選択するケースもあります。

転職時に選ばれやすい業界の特徴

転職時に選ばれやすい業界の特徴

ここまでのデータを踏まえて、転職時に選ばれやすい業界の特徴をご紹介します。

  • 自分の力を活かせる業界
  • 未経験でも採用されやすい業界
  • 規模が大きく、拡大中の業界

以下で詳しく解説します。

自分の力を活かせる業界

どの業界から転職する場合でも共通しているのは、自分の力を活かせる業界へ転職する方が多いことです。働き方や給与体系も当然大切ですが、セカンドキャリアを考えるうえでは、自分の力をさらに飛躍させたい方が多いためでしょう。

転職を検討する際は自分のスキルを棚卸しして、今後のキャリアで何を成し遂げたいのか明確にしましょう。具体的な棚卸しの方法として、まずは自分の経歴の振り返りから始めることをおすすめします。

例)

・○○年○月  ●●株式会社 営業部

・○○年○月  人事課に異動

・○○年○月  ●●株式会社 退職

・○○年○月  ◆◆株式会社 マーケティング事業部 入社

・○○年○月  ◆◆株式会社 退職

・○○年○月  ■■株式会社 入社

次に、それぞれの仕事内容や実績を、具体的に書き出してみましょう。そうすると、自分の強みがわかり、どこをめざして転職すべきか明確になります。

未経験でも採用されやすい業界

就職してもイメージとのギャップから退職し、未経験の業界へ踏み出す場合もあるでしょう。20代での転職であれば、新しい業界へのチャレンジも可能です。コロナ禍を経て、IT業界では特に有効求人倍率が高まり、比較的転職しやすくなっています。

しかし、未経験でも採用されやすい業界は、長く定着する人材が少ない傾向にあります。キャリアプランが定まったうえで、その業界を選ぶのなら問題ありませんが「なんとなく転職しやすいから」といった理由で転職することは避けましょう。

規模が大きく、拡大中の企業・業界

キャリアアップを求める場合は会社としての規模が大きく、中途入社の社員を教育する余裕や制度が整っている会社を選ぶと良いでしょう。特に、業績が良く拡大中の企業であれば、将来的な成長の機会が多くあり、長期スパンでの成長を見越して採用してもらえる可能性があります。

逆に規模が小さいベンチャー企業への転職では、幅広い業務をこなせるゼネラリストとして即戦力を求められるケースがほとんどです。社会人経験が乏しい状態であれば、転職はハードルが高いといえます。万が一採用されたとしても、入社後に苦労する恐れがあります。

また、拡大中の業界は人手不足なことが多く、加えて社会の変化に合わせて企業とともに成長できる余地も大いにあるため、転職先としておすすめです。

転職の際の注意点

転職の際の注意点

ここからは転職する際の注意点を解説します。

  • 年収が下がることがある
  • 理想と現実のギャップがある
  • 未経験業界・職種への転職は基本的に難易度が高い
  • 軸を明確にしておく

順番に見ていきましょう。

年収が下がることがある

第二のキャリアへ足を踏み出す際、未経験の業種・職種への転職であれば、年収が下がりやすい傾向にあります。特に日系大手企業にいた場合、年功序列で給料が上がり、自身が積み上げてきたスキルや経験も評価され、高待遇だった可能性もあるでしょう。

ただ、未経験の業界・職種に転職すると、業務に必要なスキルをもっていないことがほとんどです。よって、転職前ほど自身のスキル・経験の評価を受けられないのが現状です。

そうなると、転職前よりも年収が下がることが考えられます。ただし、転職先で身につけたい具体的なスキルがあれば、年収が下がったとしても満足度は高くなるでしょう。今後を見据えた新たなキャリアデザインが転職の目的であれば良いですが、そのキャリアを実現する前の年収ダウンを許容できるかどうか、転職前に考える必要があります。

理想と現実のギャップがある

理想と現実のギャップがある

転職により「求めていたスキルを身につけられる」と、理想を掲げて転職する方もいるはずです。しかし、実際に転職してみると転職前にイメージしていた業務と現実の業務にギャップが生じるケースがあります。

また、職場の雰囲気や働き方、福利厚生などが期待していたものと異なっていることで、理想と現実の違いを感じる方も少なくありません。この原因は、会社側と転職者側の両方にあると想定されます。

会社側の原因としては、採用活動中に職場のいい部分しか伝えていなかったり、研修プランが確立されていないことで新たな社員を受け入れる体制が整っていなかったりすることなどが挙げられるでしょう。

研修プランが確立されていないケースは、特にベンチャー企業への転職で起こりやすいです。前例がないためマニュアルが確立できておらず、教育の環境や受け入れ体制が十分ではないことから、転職してきた社員は理想と現実のギャップを感じやすいほか、不満も溜まってしまいます。

また、転職者側の原因として考えられるのは、前の職場とつい比較してしまうことです。例えば、「以前の職場よりも上長の承認を得るまでに時間がかかり、スピーディーに動きたいのに動けないと感じる」「以前は和気あいあいとした雰囲気だったが、新しい職場はビジネスライクな雰囲気で馴染みづらく感じる」などがあります。

当然、転職の際に理想を掲げることは大切です。ただ、理想どおりにいかなかった場合、どのように行動するのか事前に決めておくと、転職後も余裕をもって働けるでしょう。

未経験業界への転職は基本的に難易度が高い

転職サイトで「未経験募集」といった求人を見たことがある方も多いでしょう。ただ、未経験業界への転職は、基本的に難易度が高いといえます。会社としても即戦力として期待しづらく、新卒採用と同様に会社で育てる必要があり、積極的に採用したいとは思わないでしょう。

未経験業界に転職するなら、これまでのキャリアや実績を活かして、新たな職場であなたがどう働けるのか、何ができるのかを伝えることが大切です。例えば「〇〇業界での仕事は未経験ではありますが、これまで培った〇〇力を活かして、御社に貢献したいと考えております」といったように、あなたのキャリアや実績をアピールしましょう。

軸を明確にしておく

転職する際はキャリアプランを形成し、会社やまわりの環境に振り回されない自分なりの「軸」を明確にしましょう。

終身雇用の限界を迎えつつある現代では、転勤や転職、結婚を機会にキャリアを選択する場面に何度も直面します。会社主導でキャリアを形成するだけでは環境に振り回され、働き方に不安を覚える場面も出てくるでしょう。

しかし、キャリアプランを明確にしていれば、会社の言いなりではなく主体的に判断や決断し、納得のいく主張や行動を取りやすくなります。

自分の理想とするキャリアを築くためには、どの業界でスキルを磨けばいいのか考え抜くことが重要です。

まとめ

企業における終身雇用制が崩壊しつつある今、就活の時点で人生の方向性を定めることが重要です。理想の職場で働くためには、別の企業・業界で経験やスキルを培わなければならない場合もあります。めざすべきキャリアを構築するうえでは、転職を見据えた就職活動も選択肢のひとつとしておすすめします。

これから就職活動を行う方は、5年後、10年後を見据えたキャリアプランを作成しましょう。

著者

トイアンナ

2012年、慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループのマーケターを経て、独立。
数千人の就活生から相談に乗った経験を活かして書籍『確実内定』を出版し、発行部数2万部以上のヒットとなる。
複数の就活媒体で監修・執筆を歴任。

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