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ジョブインターンとは?選考・対策のポイントや基本の流れを紹介

インターンシップは学生が夏休みなどの長期の休みを利用して、一定期間の職場体験を行う制度です。お互いに相性や条件が合えば採用に結びつくため、企業・学生の両者にとってメリットのあるシステムです。本記事では、外資系コンサルで行われているジョブインターンを詳しく解説します。

ジョブインターンとは?

ジョブインターンとは

インターンシップには、さまざまなタイプがあります。日本企業でよく見られる社会見学に近いインターンシップをはじめ、外資系コンサルで行われる、チームで課題解決をするインターンシップなどが代表的です。

外資系コンサルでは「採用に直結するインターンシップ」をジョブと呼び、実際の選考プロセスとしてインターンシップを課しています。外資ではインターンシップの働きぶりをみて、内定を出すかどうか判断します。そのためジョブインターンは、外資コンサルティングファームの選考プロセスにおいて非常に重要です。インターンシップのあとの面接は、最終的な意思確認のようなものなので、ジョブインターンが実質的な最終選考となります。

ジョブ型研究インターンシップとは

ジョブと混同されやすいものに、ジョブ型研究インターンシップがあります。ジョブ型研究インターンシップとは、自然科学分野を専攻している大学院生を対象としたインターンシップです。2ヶ月以上の長期間かつ有給のインターンシップで、正規の教育過程の単位科目として、実施されることが特徴です。

企業側はガイドラインに沿ったジョブディスクリプションを学生に提示し、学生は大学院における教育過程の一環として、インターンシップを受けます。インターンシップ終了後は、面談評価を行い、評価書・評価証明書を発行します。

インターンシップの評価は企業が適切に判断し、採用選考活動に反映させます。今後ますます、社会に定着されることが期待されている選考のひとつです。

従来のインターンとの違い

基本的にインターンは、採用には直結しません。従来のインターンシップは企業が学生に就業体験の機会を提供し、学生が体験、参加できる制度です。以前は本選考につながらない、短期の就業体験プログラムを指していました。

しかし、ジョブインターンを含め、選考型のインターンシップや長期インターンシップは、そのまま就職するパターンがあります。また、現在のインターンシップは本選考につながっていないとはいえ、採用選考に組み込まれているのが実情です。

その流れを汲み、25年卒からは本選考につながる長期の就業体験プログラムが認められることになっています。今後はますます採用直結型のインターンシップが増える可能性があります。

参考:「ジョブ型研究インターンシップ(先行的・試行的取組)実施方針(ガイドライン)」文部科学省高等教育局

ジョブ・選考型インターンで評価されるには

ジョブ・選考型インターンで評価されるには

ジョブインターンや選考型インターンシップで評価をされる人には、どのような特徴があるのでしょうか。一般のインターンシップで評価される人との違いを含め、評価される4つの項目を詳しく説明します。

思考体力がある

ジョブまでの選考で評価の対象となる「俯瞰して議論できるか」「頭の回転の速さ」は引き続き重視されます。加えてジョブでは、思考の質を最終日まで維持できるかどうかも重要です。

ジョブ中は頭を使いすぎるため、初日に鋭い議論ができていても、最終日にはほとんど思考停止してしまうインターン生も見受けられます。実際の仕事では徹夜して考えなければならない局面もあるので、ハードなブレイン・ワークを乗り越える力が試されます。たとえ疲労を感じても、思考の質を最後まで維持できることを示さなければなりません。

コミュニケーション能力・チームワークが取れる

社会人に必要なコミュニケーション能力は、学生時代とは異なります。学生時代は基本的に自分の気の合う友人だけでコミュニティを形成すればよく、相手を知っているがゆえに、十分な説明をしなくても伝わることが多かったでしょう。

社会人になると、バックグラウンドや考え方がまったく異なる相手とも円滑にコミュニケーションを取り、業務を遂行しなければなりません。そのために必要なことは、まず相手の意見を入念に聞くことが基本です。これは顧客のニーズを把握することにつながります。相手の意見を聞いたうえで自分の意見を述べ、相手を納得させる能力が必要です。

また、社会人はチームで課題に取り組み、アウトプットを出す機会が多くあります。さまざまな人の意見を聞きながら汲み取っていく、コミュニケーション能力やチームワークが求められます。

思考の柔軟性・成長性がある

いくら能力が高い学生でも、素直さは重要です。なぜなら、素直さがなければ成長の余地がないと思われるからです。インターンにはメンターがつきます。メンターからフィードバックを受けた場合は素直に自分のなかに取り入れ、思考の柔軟性や成長性を見せることが大切です。

メンターは学生を自分の部下にした場合、成長できるかどうかを判断します。したがって、メンターが「一緒に働きたい」と感じるような姿勢を見せることが大切です。

会社にマッチしているか

粛々とした雰囲気のなかで、もの静かにデスクに向かって仕事をする人が多い職場や、コミュニケーションが活発で賑やかな職場など、どの会社にも社風があります。社風は会社によってまったく異なります。

企業人事担当者は、学生が社風に合っているかどうかをみて、学生の採用に活かしています。いくら学生の能力が優れていたとしても、フィーリングが合わなければ今後の仕事に支障をきたしてしまうことを知っているからです。

また、学生も雰囲気の合わない会社で働くことは、早期退職などのリスクをはらみます。OBやリクルーターに確認し、できるだけ雰囲気が合いそうな会社でのインターンを選びましょう。

ジョブの一般的な流れ

ジョブの一般的な流れ

実際のジョブの具体的な流れは、どのようになっているのでしょうか。限られた時間内で難易度の高い課題が設定されるジョブでは、課題に対してやみくもに取り組むことは得策とはいえません。一つひとつのステップを確実にこなし、順序立てて結論までたどり着くことが求められます。ここではジョブ全体の流れを、5つのステップに分けて説明します。

1. 現状分析

まずは、課題を特定するための現状分析から始めましょう。多くのケースにおいて、現状分析では3C分析(自社・顧客・競合)を使って分析をすると、効率よく進められます。

自社や市場の情報については多くの場合資料が与えられるので、それに沿って進めます。しかし、分析を進めていくとフレームワークに当てはまらないことも多くあるでしょう。最適解を出すには、フレームワークの枠を越え、自分で考えて論理を組み立てることも大切です。

2. 仮説構築

現状分析によって出てきた課題をもとに、今度は「問題点の仮説」と「解決策の仮説」を構築します。憶測や想像で立てた仮説ではなく、ファクトに基づいた仮説が必要です。

仮説を検証した結果それが誤りでも、正しい分析をもとに仮説を立てていれば、修正はさほど難しくありません。現状分析から飛躍しない仮説を構築しましょう。情報が足りずに、仮説を立てられない場合は、現状分析に戻って深掘りしてみましょう。

3. 仮説検証

構築した仮説が正しいかどうか、実現可能か、また期待どおりの効果を上げられるか検証するために、仮説の精度を上げます。統計データを探す、アンケートやインタビューを行う、実際に現場に行ってみるなど、仮説検証にはさまざまな方法があります。

特に気を付けるべきは、デスクリサーチだけに頼らず、地道に足も使ってリサーチを行うことです。実際のプロジェクトでも、地道な現場調査・定性調査・定量調査が突破口になった事例が数多くあります。

4. 仮説修正・再検証

検証を進めた結果、解決ストーリーの修正を余儀なくされることは多くあります。最初の仮説検証の段階で完璧な仮説が出てくることは、ほとんどないことを念頭におきましょう。

予測と違ったデータを発見したり、メンターにダメ出しされたりもするでしょう。しかし、修正と検証を繰り返すことで、よい仮説に近づけます。そのため、最初から仮説を修正することを、バッファに入れて取り組みましょう。もし仮説が正しければ、仮説検証をさらに具体化していきましょう。

5. プレゼン

ここまできたらいよいよ発表に入ります。プレゼン資料は見栄えより、論理やストーリーの一貫性を意識して作りましょう。そして簡潔にわかりやすく伝えること、また結論に至った根拠を明示しましょう。

厳しい質問が飛ぶこともありますが、質疑応答の時間に聞かれそうな質問を想定しておくと、心に余裕が生まれます。質問は最後のディスカッションの場ととらえて、柔軟な対応で臨みましょう。

ジョブ・インターンのポイント

ジョブインターンのポイント

ジョブ・インターンを成功させる、3つのポイントを解説します。今後のワーク・ディスカッションをスムーズに行うためには、不可欠なポイントです。すぐにワークに入りたくなる気持ちを抑えて、まずは以下の内容を押さえましょう。

メンバーのことを知る

コミュニケーションの項目でも述べましたが、ジョブ・インターンではインターンのチームメンバーと、うまくコミュニケーションを取れているかどうかも評価基準となります。インターンのメンバーは敵ではなく、1年後には同僚となり、一緒に働く可能性が大いにあります。

ワークに入るまでの間に、チームメンバーと打ち解けておきましょう。グループメンバーの特性の見極めや、その特性に合った仕事の分担や割り振りを行うとチームとして機能し、アウトプットを最大限に出せます。また、ジョブを少しでも楽しんで行うためにも、チームメンバーと仲良くなっておくことが大切です。

時間配分を決める

限られた時間のなかで、最大限のアウトプットを出すためにはタイムマネジメントが重要です。大まかでもよいので、一つひとつのタスクに対する時間配分を決めておきましょう。

具体的な目標を立てる

設定される課題によって、具体的な目標を設定します。目標は短期的か長期的か、売り上げアップといった課題の場合は目標額を設定するなど、定量化できる目標を設定するとワークを進めやすくなります。

まとめ

ジョブインターンの定義や内容、求められるスキルなどを解説しました。ジョブインターンは難易度が高く、精神的にも肉体的にもハードです。一方で大きな成長を遂げられるので、機会がある方はぜひ挑戦してみてください。

著者

トイアンナ

2012年、慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループのマーケターを経て、独立。
数千人の就活生から相談に乗った経験を活かして書籍『確実内定』を出版し、発行部数2万部以上のヒットとなる。
複数の就活媒体で監修・執筆を歴任。

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