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あなたはハードワーク派?ワークライフバランス派?就活の面接で聞かれるキャリアプランの立て方

就活では自分に合った働き方について、十分に考える必要があります。自分にどの仕事スタイルが向いているか自覚している人は、多くありません。面接でキャリアプランについてよく聞かれますが、明確に答えられたとしても、自分に適していなければ、理想の働き方からはほど遠くなってしまうでしょう。

本記事では主な仕事スタイルを、私生活と仕事の調和を重視した「ワークライフバランス派」と、ガッツリ働く「ハードワーク派」の2つに分けて、それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。自分がどちらに合うのか知ることで、会社選びの役に立つだけでなく、入社後のギャップを埋められます。この記事を参考に、自己分析してみましょう。

ワークライフバランスとハードワークにおける、キャリアプラン設計術について解説していきます。

ワークライフバランスの正しい意味

ワークライフバランスの正しい意味

ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」を意味します。注意点として、仕事と生活をなんとか両立させようと無理したり、どちらかを疎かにして比率を傾かせたりすることは、ワークライフバランスの実現ではありません。

本当の意味でのワークライフバランスとは、仕事の効率化によって業務時間が短くなり、価値観や視野の幅が広がったり、生活面で充実したりすることです。つまり「仕事」と育児や趣味、休養といった「仕事以外の生活」が互いに影響し合う好循環を指します。

「仕事に追われて好きなことができない」「私生活とプライベートを両立できず、精神的なストレスを抱えている」などの問題があることを受け、2017年に内閣府は「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を制定しました。

憲章によると、人々の働き方に関する意識や環境が今の時代に適応しきれず、仕事と生活を両立させづらい現実を指摘しています。そのうえで、仕事上の責任を果たしながら、私生活で充実感を得られる豊かな生活や、仕事と生活の調和の実現をめざしています。

ワークライフバランス派の特徴

ワークライフバランス派の特徴

ワークライフバランス派に向いている人の特徴は、以下のとおりです。

  • 趣味がある人

仕事以外に楽しみがある人は、プライベートを充実させる傾向があります。

  • よく友達と遊びに行く人

多数の友達と交流し、一人の時間が得意ではない人は、仕事だけに自分の時間を割きたくないと考える傾向があります。

  • 家での作業が向いていない人

家にこもるより、学校やカフェで仕事や勉強をする方が捗る人は、自宅での仕事を好まないことも。職場は仕事、家はプライベートと完全に分けて考えている人が多い印象です。

  • 給料より休みを重視している人

「たとえ高給でも、忙しく働いてまでプライベートな時間を犠牲にしたくない」「仕事が忙しくなることでストレスを溜めたくない」といった、そもそもハードワークをする必要がないと考えている人は、高い給料よりも十分な休みを選択するケースが多く見られます。

  • 勝ち負けに関心がない

こだわりや成功に固執しないタイプの人は、激務で踏ん張る以前に作業を中断してしまうことがあります。

ワークライフバランスのメリット・デメリット

ワークライフバランスのメリット・デメリット

ワークライフバランスを実践するメリット・デメリットを紹介します。

メリット

①仕事へのモチベーション、生産性が向上する

ハードワークをする人は、残業や休日の仕事も珍しくありません。一方、ワークライフバランスを充実させるには、限られた時間のなかで十分に働かなければなりません。よって、無駄な作業の排除や、時間・タスクの管理、スキルアップに注力する必要があります。結果、仕事へのモチベーションやパフォーマンス、生産性の向上につながると考えられます。

②ライフステージに合わせて働ける

ワークライフバランスは子育てや介護など、一人ひとりの事情に合わせて仕事できる点がポイントです。特に出産や育児を控える女性は、男性と比べるとキャリア進出は難しい場合が多く、また、もとの職場に戻りにくいのが現状です。家事をしながら仕事もしたい人は、それぞれのライフステージに合わせた働き方を重視しましょう。

③時間外労働が削減される

「過労死」という言葉があるように、業務における過重な負担により、精神的なストレスに追い込まれる人が多くいます。正モバイル株式会社の調査によると、職場ストレスの原因の3位が「仕事量の多さ」でした。残業は心身の健康状態に大きく影響するため、働き方を見直す必要があります。

ただし、残業を削減することで、仕事を家に持ち帰らざるを得ない状況になる可能性もあります。必ずしも会社での拘束時間が短ければいい、というわけではありません。あくまで、ワークライフバランスは仕事だけでなく、それ以外の時間の充実も重要です。

④仕事以外からスキルや新しい視点を得られる

仕事以外の時間にゆとりができると、新しいことを経験するチャンスにもつながります。旅行へ行ったり、社交的な場やセミナーに参加したりすることで、人脈形成や新しい視点・価値観の獲得が期待できます。私生活の充実にとどまらず、身についたスキルを仕事に応用できれば、一石二鳥です。

デメリット

①生産性が低下する可能性

ワークライフバランスを推奨することで、今までの仕事内容に対応しきれず、業務を中断せざるを得ない状況ができるケースも見られます。いまだに長時間労働をベースとする企業も多く存在するため、業務時間の削減により減収する懸念が生じるのです。

②他の社員との考え方のギャップ

先述したように、日本では長時間労働が珍しくありません。そのため、社内には「たくさん働いた人が会社に貢献している」といった認識をもつ人も多くいます。ワークライフバランスを導入したものの、一部の人だけの認識で止まってしまうと浸透しづらい現状があります。

ワークライフバランス派のキャリア設計

ワークライフバランスを軸に就活するなら「ホワイト企業」とよばれている会社を中心に探すとよいでしょう。ホワイト企業といっても人によって解釈は異なるため、会社の特徴や働き方を具体的に知ることが重要です。

就活情報を発信する「シキホー!Mine」では、残業時間が過度に多い会社を掲載しない傾向があるので、参考にしてください。また、ランキングカテゴリーにある「残業時間が少なく休みやすい100社」「休みやすく年収も高い会社100社」などから企業を絞る方法もおすすめです。

そこで興味関心のある会社を見つけたら、さらに社員によるクチコミが掲載されている「OpenWork」で企業名を検索し、リアルな残業時間や給与面などをチェックしましょう。会社は部署によって忙しさが異なるため、会社単位ではなく部署単位でもクチコミを読むことがポイントです。

さらに、OB・OG訪問で実際に働く社会人に会って、会社での忙しさや待遇面を聞きましょう。すべてを隠さずに話してくれる人は少ないかもしれませんが、相手が質問に対して口籠もったり、曖昧な表現をしたりしたら、会社の状況を予想できます。

ハードワーク派の特徴

ハードワーク派の特徴

忙しく働くハードワークに向いている人の特徴は、以下のとおりです。

  • 趣味がない人

プライベートでの楽しみがない場合、仕事に対して熱意をもって取り組める人が多いでしょう。

  • 遊びは休日だけでいいと考える人

ハードワーク派は「平日は仕事、遊びは休日」とはっきり分けている人が多く見られます。平日は仕事に没頭し、休日にストレスを発散する、メリハリのある生活が好きな人に向いています。

  • 遊びより仕事や勉強を優先する人

誘惑や多少の疲れがあっても、やると決めたら行動に移せる人は、ハードワークに向いているといえるでしょう。

  • 負けず嫌いな人

仕事で設定した目標を達成したり、ライバルに負けたくないという気持ちがある人は、激務に耐えられるでしょう。むしろ、忙しい状況を楽しみながら働いている人も多い印象です。

ハードワークのメリット・デメリット

ハードワークのメリット・デメリット

ハードワークを実践するメリット・デメリットを紹介します。

メリット

①効率のよい働き方がわかってくる

対応する仕事が多いなかで、どうしたら質を落とさず短時間でこなせるか、といった効率性がわかってきます。ハードワークは経験値を積みやすく、学んだことを今後の業務に落とし込み、改善を重ねられることがポイントです。

②マネジメント能力が身に付きやすくなる

仕事量が増えると、業務の優先順位を決めたり、時間の管理を徹底したりする必要があります。どうしても一人で対応できない場合、チーム内の人に仕事を振ることもあるでしょう。人や時間のマネジメント能力が向上するだけでなく、チーム内での効率アップにもつながるメリットがあります。

③チャンスの幅が広がる

さまざまな活動を行うため、業務を通してたくさんのことを経験できるだけでなく、人との出会いも増えます。信頼構築や長期的な関係が生まれたり、そこから新しい案件の獲得につながったりすることもあるでしょう。得たチャンスを活かして自分のスキルを発揮し、会社に貢献することで達成感が生まれます。

デメリット

①体調や精神に悪影響を及ぼす可能性

ハードワークが向いている人にも、個人の能力やキャパシティによって、対応できる仕事量には限界があります。キャパオーバーしてしまうと知らぬ間に体調を崩したり、精神的に追い詰められたりすることも考えられるでしょう。多くのハードワーク派の人は、負けず嫌いな特徴があり、だからこそ無理をしてしまうこともあります。十分に休息を取りながら、自分のペースで進めることが重要です。

②プライベートの時間が疎かになる

忙しく働いている人の多くは、家に帰る時間が遅い傾向にあります。家庭を築いている人は、子どもとのコミュニケーションが重要である一方、どうしても私生活に時間を割けないといった問題を抱えているのです。結果、家庭関係にヒビが入ったり、家族が不満をもったりすることも考えられます。

ハードワーク派のキャリア設計

ハードワーク派のキャリア設計

入社後にたくさん働きたいと考えている人は、将来のキャリアを現実的に想定してみてください。もし、1つの会社に勤めることを検討している場合、20代でハードに働いてスキルを習得できても、30代でそれまでどおりの仕事量で働けるとは限りません。体力次第では転職や異動の可能性もゼロではないでしょう。もし、長くハードワークを継続したいのであれば、自分のキャパシティが下がっても働ける仕組みが、その会社にあるのか考慮しましょう。

一方で、業界によっては20代でハードワークを経験し専門性を高めてから、30代で自分に合ったキャリアの道へと進む選択肢もあります。転職も視野に入れたキャリアを設計する場合、30代からのワークライフバランスを重視することが求められます。

また、求人サイトでは「成長できる会社」といった文言を多く目にしますが、具体的にどういった面で、どのように、どこまで成長できるのかを把握する必要があります。それが自分の設定した目標とマッチしているのか、クリアできるのかを考えると、キャリアがより明確化するでしょう。

一方で、懸念点もあります。若いうちにハードワークを経験すると、忙しさがデフォルト化され、その後も忙しい会社を選ぶ傾向があります。忙しくないと落ち着かない「ハードワーク依存症」になりやすいことを頭に入れたうえで、入社を検討しましょう。ゆとりのある仕事を頼まれても物足りないと考えるのではなく、いかに楽しむかといった視点に変えてみるのもよいでしょう。

まとめ

私生活と仕事がうまく調和している「ワークライフバランス」と、忙しく働く「ハードワーク」。どちらも人それぞれ向き・不向きがあります。まずは、自分がどの働き方に向いているか分析し、それに合った企業を見つけましょう。

入社後にギャップを感じてしまうと、仕事を続けるのが苦痛に感じることもあります。今後のキャリアや人生に関わる最初のステップなので、十分に自己分析・企業分析することをおすすめします。

著者

トイアンナ

2012年、慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループのマーケターを経て、独立。
数千人の就活生から相談に乗った経験を活かして書籍『確実内定』を出版し、発行部数2万部以上のヒットとなる。
複数の就活媒体で監修・執筆を歴任。

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