内定辞退の方法|承諾後もメールで大丈夫?よくある理由や例文を紹介 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜
内定辞退の方法|承諾後もメールで大丈夫?よくある理由や例文を紹介

内定が決まっている企業に辞退の連絡をするのは、非常に心苦しいものです。しかし何の連絡もなしに、黙って内定を辞退することはできません。この記事では、内定を辞退するときに注意すべき点や、辞退の意思を伝える方法を解説します。また、電話やメールで伝える場合の例文も紹介します。内定辞退を考えている学生の役に立てれば幸いです。

内定辞退は誰にいつまでに伝えるべき?

内定辞退はいつまでに伝えるべき?

内定辞退を伝えるなら、できるだけ早い方がいいのは言うまでもありません。内定が出た時点で、雇用契約が成立しているからです。具体的には、内定が出てから2週間以内に連絡するべきです。企業は内定者が入社することを前提に、準備を進めています。また、伝える際には人事課の採用担当者に伝えましょう。

詳しくは後述しますが、たとえ内定承諾書を提出していたとしても、2週間以内の辞退は法的にも問題はありません。準備を進めている企業側も、時間的に余裕があれば新たな採用者を選考する余裕もできます。

ほかの企業でも面接を受けていて、そちらが第一志望というケースもあるでしょう。そのような場合には、内定承諾を待ってもらうこともできます。必ず電話かメールで連絡を入れておきましょう。それでも、3日〜1週間以内には回答すべきです。

いずれにしても企業側にとって、内定者の辞退は事業に遅れが生じかねません。できれば内定辞退は避けたいという思いから、面接のときに「内定を出したら来てくれますか?」という質問をされることもあるでしょう。「御社から内定をいただいたら必ず入社します」と答えて問題ありませんが、良心的な人であればあるほど、内定辞退の連絡に心苦しさを感じるでしょう。

内定辞退の方法

内定辞退の方法

本来は会社を尋ね、直接辞退を伝えるのが好ましいですが、そこまでしなくとも必ず連絡はするべきです。間違っても、黙って内定辞退することは避けましょう。内定を辞退することだけでなく、時間を取っていただいたことに対する感謝と、負担をかけたことに対するお詫びはあってしかるべきです。

内定辞退の方法には、以下の3つが挙げられます。

  • 電話
  • メール
  • 手紙

いずれの方法もメリットとデメリットがありますが、おすすめは電話での連絡です。担当者にダイレクトに伝えられますし、メールのように見てくれたかどうかとやきもきせずに済みます。とはいえ企業規模や選考パターン、人事担当者との関係性などによって、どの方法を取るかを考えるとよいでしょう。それぞれのポイントや特徴を解説します。

電話

電話で内定辞退を伝える際には、以下のポイントを意識しましょう。

  • 簡潔に伝えることを意識する
  • 始業前や直後、お昼休みの時間は避ける
  • 担当者が不在のときは自分から後ほどかけるか、メールで伝える

電話は直接話ができ、相手に誠意を示しやすい方法です。タイミングとしてはできるだけ早い方がよいでしょう。可能であれば、内定の連絡がきたその日のうちに電話しましょう。企業は内定者が入社することを前提に、すでに準備を進めている可能性があります。

電話をかけるときには簡潔にしましょう。また、電話をかける時間帯にも気を付けるべきです。早い方がいいのは確かですが、始業前や直後は忙しい場合が多く、朝一番に電話をするのはかえって失礼になることがあるので注意しましょう。

お昼休みの時間帯も、担当者が休憩で席を外していることがあるので避けるべきです。担当者が不在の場合、電話に出た人は「折り返します」と言うのが一般的ですが、そこはお断りするのが礼儀です。必ず「自分からもう一度電話します」と伝えましょう。内定辞退自体が企業にとっては手間なので、担当者にこれ以上手間を取らせないようにするべきです。

大切なのは、相手の時間を奪わないことです。もし担当者が不在であれば、メールで連絡もできます。その場合は「先ほどお電話いたしましたがご不在でしたので、メールでご連絡させていただきます」という一文を入れ、電話をしたことが相手にわかるようにしましょう。

メール

近年、内定辞退は電話での連絡よりも、メールの方がよいと考える人事担当者もいます。電話は時間を奪われますが、メールなら時間やタイミングを気にせずに対応できるからです。そもそも内定辞退の電話に時間を取られるのは、担当者にとってメリットがありません。

ただし、ほかのメールに紛れてしまい、担当者が見落としてしまう可能性があります。相手が就業している時間帯に送るようにしましょう。先に電話をかけて、担当者が留守だった場合にメールで辞退の意思を伝えることもできます。一般的に内定辞退は少なくないため、担当者にとって逐一の電話応対は負担になりがちです。

手紙

誠意を伝えたい場合、電話をした後に手紙を送ればなおよいでしょう。手紙は必ず手書きで、無地の便箋に縦書きで書きます。縦書きできれいに書くのは練習が要りますが、つたなくとも丁寧に書けば相手に誠意を伝えられます。

特に、学校からの推薦で内定をもらっている場合は、印象をよくするためにも手紙で伝えるのがよいでしょう。後輩たちの就活が不利にならないよう、誠意を見せる必要があります。

内定辞退を伝える際のポイント

内定辞退を伝える際のポイント

内定辞退を伝える際には、次のことに留意しましょう。

  • お礼とお詫びを忘れず
  • 辞退理由は簡潔に

お礼とお詫びは忘れず

まず、内定通知に対するお礼を述べます。そのうえで、辞退することを必ずお詫びしましょう。企業はたくさんの応募者のなかからあなたのESを読み、面接・選考の時間をかけています。内定を辞退することに対して、誠意をもってお詫びする必要があります。

辞退理由は簡潔に

辞退の理由を詳しく伝える必要はありません。辞退する人が一定数いることは、企業も織り込み済みです。こと細かに言い訳がましく伝えるより、簡潔に「一身上の都合」や「他社の内定を受けることにした」とだけ伝えましょう。

人事担当者も事情は汲んでくれるので、長々とした説明は避けるべきです。ただし、担当者と関係が深まっている場合には、理由を聞かれる可能性があります。その場合でも簡潔で、相手に失礼にならない理由を準備しておきましょう。

人事担当者が内定を辞退する理由を聞くのには、もうひとつ理由があります。内定辞退者が多く出るのは、企業にとっても痛手です。予定していた人員が揃わなければ、採用活動をもう一度始めなければならないこともあるでしょう。

そのため、今後できるだけ内定辞退者を減らすために、データを取っている場合があります。正直すぎるのは失礼な場合もありますが、内定を出してくれた企業に協力するためには、具体的な理由をひとつ挙げるのは構わないでしょう。

内定辞退のよくある理由

内定辞退のよくある理由

内定辞退の理由は人それぞれです。人事担当者にすべてを伝える必要はありません。他社に内定が決まり、そちらに行きたい場合は正直に伝えればよいでしょう。そのほかの理由として、よく挙げられるものには以下のものがあります。

  • 給与面、勤務地などの条件が折り合わなかった
  • 求人情報と実際の条件が違っていた
  • 仕事の内容、業界が自分の適性に合わないと思った
  • ネットで当該企業のよくない口コミを見た
  • 面接した担当者との相性が悪かった
  • 社風が自分に合わないと思った

難しいのは「確かな理由はないけれど、なんとなく自分が働きたいのはこの会社じゃない気がする……」という場合でしょう。そのようなときには具体的なことは言わずに「一身上の都合」、または「御社で活躍できる自信がない」といった理由を伝えます。いずれにしても、担当してくれた相手が不快になるような、ネガティブな内容は伝えないようにしましょう。

内定辞退を電話で伝える際の例

実際に内定辞退を電話で伝える際には、どのように伝えればよいのでしょうか。

  1. 所属大学と名前をいう
  2. 内定辞退の件を早い段階で伝え、謝罪とお礼を述べる

基本的にはこれだけで十分です。

例文:

「お世話になっております。内定の通知をいただきました〇〇大学の〇〇と申します。採用担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。


お忙しいところ大変申し訳ありません。今お時間いただいてよろしいでしょうか。

この度は内定のお知らせをありがとうございました。

実は大変申し上げにくいのですが、検討いたしました結果、この度は御社の内定を辞退させていただきたくご連絡させていただきました。

自分がこれからどういった分野で社会に貢献していけるかを真摯に考えていたところ、別の企業様とのご縁をいただき、今回は他社様に入社させていただくことにいたしました。

本来ならば直接お詫びに伺うべきですが、取り急ぎお電話で失礼いたします。この度は貴社にご迷惑をおかけして、大変申し訳ございませんでした。どうぞよろしくお願いいたします。失礼いたします」

太字になっている部分は必ず伝えましょう。一生懸命考えたけれども辞退することにしたということが伝われば、担当者も悪くは思いません。担当者によっては、もう少し詳しい理由を尋ねる可能性があります。もう一段詳しい理由を準備しておけば慌てずに済みます。

慣れない連絡で緊張してしまうでしょう。しかし社会人としての最初の試練と考え、失礼のないよう真摯な対応が求められます。

内定辞退をメールで伝える際の例文

メールなら相手の顔も声もわからないため、内定を辞退する学生にとって少しは気が楽でしょう。しかしここは社会人として、十分に誠意をもってお詫びのメールを送るべきです。また、手続きをスムーズにするために、メールを送る際には件名に必ず自分の名前を入れるようにしましょう。

例文:

「件名:内定辞退のご連絡 〇〇(自分の名前)

本文:〇〇株式会社 人事部採用担当 〇〇様

お世話になっております。内定のご連絡をいただきました〇〇大学〇〇です。

メールで失礼いたします。

この度は内定のご連絡をありがとうございました。大変光栄に存じます。しかし恐縮ながら、熟考の結果今回の内定は辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。

つたない履歴書やエントリーシートをご覧くださり、面接までしていただきながらこのような連絡になりましたこと、本当に心苦しく思っております。申し訳ございません。

本来ならば直接伺ってご挨拶させていただくべきところを、メールでの連絡となりましたことを、重ねてお詫びいたします。

面接のお時間を取ってくださった〇〇様をはじめ、採用に関わってくださった皆様に心より感謝申し上げます。貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

ありがとうございました。

署名:〇〇

内定承諾後の辞退はトラブルになる?

内定承諾後の辞退はトラブルになる?

内定辞退がトラブルになることは、十分にありえます。実際に、損害賠償を請求された事例も過去にはありました。

内定承諾とは「内定を受け、貴社で働く」という意思表示であり、その時点で労働契約書を結んだのと同じ意味をもちます。ただし、それ自体に法的拘束力はありません。個人に「職業選択の自由」が認められているからです。

そもそも、正式な社員であっても一定の期間(通常は2週間)前に会社側に通告すれば、労働契約を解除できます。そのため、内定承諾書を提出したあとでも辞退は可能です。

ただし、企業側としてはすでに内定者の入社に向けて、さまざまな準備を始めている可能性があります。制服の発注や必要な備品など、すべてにコストがかかります。また、1人欠員ができたために、再度採用をやり直す場合もあるでしょう。そのため、内定を辞退する理由が生じたなら、速やかに連絡をするのが筋です。

内定を辞退するだけでも気が重いものですが、内定承諾書を出してしまったあとではなおさら心苦しいでしょう。内定承諾書を提出したあとでも辞退はできますが、よく考えて提出するべきです。

まとめ

複数内定を得た場合、社会人デビュー前の試練となるのが「内定辞退」です。辞退の連絡は気が重くなりがちですが、通常1社だけにエントリーしていることはなく、人事担当者も理解しています。内定者全員が入社することは、初めから期待していません。

よって、必要以上に罪悪感をもつ必要はありませんが、社会人として適切な対応ができることを示す機会と考えて、最後まで真摯に向き合いましょう。内定辞退の連絡をする際には、ぜひこの記事を参考にしてください。

著者

トイアンナ

2012年、慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループのマーケターを経て、独立。
数千人の就活生から相談に乗った経験を活かして書籍『確実内定』を出版し、発行部数2万部以上のヒットとなる。
複数の就活媒体で監修・執筆を歴任。

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