[マッキンゼー編]戦略コンサルティングファーム ケース問題過去問&回答集 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜
[マッキンゼー編]戦略コンサルティングファーム ケース問題過去問&回答集

戦略コンサルティングファームは、東大・京大生の就活人気ランキングで近年上位を占めている業界です。そのなかでも特に人気なのがMBBと呼ばれる、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、ベイン・アンド・カンパニーの3社です。

本記事では、マッキンゼー・アンド・カンパニーにしぼって、各社の選考内容、そして実際に筆記試験や面接で出題されたケース問題の過去問や解答例を紹介します。

過去問により出題傾向を押さえて対策を行うことは、選考を受けるうえで非常に重要です。選考までに本記事に掲載されている過去問の演習を行い、効率的な対策を行いましょう。

ケース面接とは

ケース面接とは

ケース面接は、コンサルティングファームや外資系企業の選考などでよく行われる面接です。面接官によりその場で特定の課題を出され、一定時間考えたのちに面接官に回答する、課題解決力を見極める即席ケーススタディです。

多くの場合、回答に対する質問も追加で聞かれるので、自分の答えと矛盾が生じないように質問に答える必要があります。特殊な選考内容であるため、対策に悩む就活生が多いテーマです。

①ケース面接の思考プロセスとは

ケース面接においては、以下のような思考のプロセスが必要となります。

  1. 具体的な提案を考える前に、達成すべき目標や前提条件を整理する
  2. フレームワークや理論といった要素をもとに戦略を立てる
  3. 前提条件を踏まえて、戦略を具体的なプランに落とし込む
  4. プランのなかで最も合理的かつ有効な手段を見極め、打ち手をしぼり込む

②ケース面接で何が試されるのか

ケース面接では何を試されているのでしょうか。一般的に「論理的思考力・コミュニケーション能力・思考の柔軟性」といったポイントが重要視されます。

  • 論理的思考力

コンサルティング業界ではロジカルシンキングが必須であり、ケース面接においても論理的思考力の高さは重視されます。論理的思考力は本質的な問題解決を効率的に、かつ相手を説得させるために必要な能力です。

コンサルタントはクライアントが解決できない高度な課題に取り組み、答えを出さなければなりません。徹底した論理的思考を用いて仮説を検証し、課題の原因を分析・解決する能力が求められます。

また、コンサルタントの仕事は、クライアントの課題解決だけではありません。打ち出した施策をクライアントに納得してもらい、さらには実行して成果を出してもらう必要があります。クライアントを納得させるためにも、論理に穴がないようにしなければなりません。

  •  コミュニケーション能力

コンサルティングファームの面接では、極端に高いコミュニケーション能力は重視されませんが、結論と根拠を端的に話し、的確に質問に答えることが求められます。

また、実際にコンサルタントとして就業したら、クライアントとの信頼関係の構築が重要です。企業によってはひとつの案件に対して、社内外問わずさまざまな分野のメンバーと協力して携わることもあります。円滑に業務を遂行するためにも、コミュニケ-ション能力は必須です。

  • 思考の柔軟性

いくら地頭がよく優秀であっても、人の意見を聞かず自分の考えに固執してしまう人材は成長の余地がないとみなされます。面接官とのディスカッション方式で行うものやグループディスカッションによるケース面接の場合、面接官から自分の考えと異なる提案や思いもしなかった質問をされることもあるでしょう。

そういったときに面接担当者は、頭の回転の速さや指摘を素直に受け入れられる素直さを評価します。自分の意見と異なる場合でも、ひとまず受け入れたうえで新たな仮説を作り出すといった柔軟さを見せることで、評価や好感度が高まります。

ここからは、マッキンゼー・アンド・カンパニーの会社概要や選考の傾向、ケース面接の過去の出題内容を見てみましょう。

マッキンゼー・アンド・カンパニーはどのような会社か

マッキンゼー・安堵・カンパニーはどのうような会社か

「ザ・ファーム」と呼ばれているマッキンゼー・アンド・カンパニーは、世界最大級の実績・知名度・売上を誇る、グローバルな戦略系コンサルティングファームです。

同社はシカゴ大学経営学部教授のジェームズ・O・マッキンゼーによって、1926年に設立されました。アメリカ合衆国に本社を構え、欧州・アジア・南米・東欧など、世界65か国に130以上の拠点をもっていています。

同社には現在世界中に30,000人以上のコンサルタントが在籍しており、全世界のさまざまな業種・業界を対象に、年間1,600件以上のコンサルティング・プロジェクトに対応。日本では「マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパン」という社名で、国内企業トップ30社のうち80%を支援しています。

国内では⽇本特有の状況や環境に適応させながら、特に国際競争力のある自動車・化学・消費財・ローカルエンターテイメント・エネルギーなどの幅広い業種において、本質的かつ継続的な成⻑を遂げるための⽀援を⾏っています。

マッキンゼーの出題傾向

マッキンゼーの出題傾向

マッキンゼーは網羅的・構造的に質問されるのが特徴です。特定の視点だけでなく多角的に、もう一段深堀りするような面接官が多いため、広く深く考えられるようにトレーニングする必要があります。また、資料を渡されて計算するような問題が出されることもあるので、計算が苦手な場合はそういった問題への対策もしておきましょう。

また、マッキンゼーの選考フローは以下のようになります。

ES→適性検査(独自シミュレーションゲーム)→面接(2,3回)→最終面接→内定筆記試験→エントリーシート→1次面接→2次面接→ジョブ選考

本記事では筆記試験、1次面接、2次面接で出題されたケース問題をできるだけ多くまとめているので、十分に過去問を研究して試験に臨んでください。

筆記試験

試験内容は企業のオリジナルで、時間は約90分となります。ここ数年の22卒のWebテストでは「Mckinsey Problem Solving Game」というオンラインゲーム型の独自試験が採用されました。今後の選考ではどのような試験が実施されるか定かではありませんが、独自性の高い試験が行われる可能性があることを念頭におきましょう。

1次面接

社員1人対学生1人の、個別面接の形式で行われます。一次面接は所要時間30分程度で、マッキンゼーのオリジナルの題材を用いたケース問題が課されます。ケース問題に関しては、網羅的・構造的に考えなくてはいけません。下記で紹介するような、網羅的に項目を挙げる問や図表の読み取りなどが出題されます。

一次面接は、面接官との対話を進めるなかで提案を考えていく形式です。面接では「ほかにまだありますか」「できるだけ挙げてください」というように、広く深い思考を求められる傾向があります。

練習を積むことで、面接官がどのようなことを聞いているのか、質問を先読みできると良いでしょう。また面接中に資料を提示され、それに基づいた計算問題が課せられることもあります。計算が苦手な場合は、その対策も忘れずに行いましょう。

2次面接

基本的に1次面接と形式は同じです。2次面接も1次面接と同様に所要時間30分程度で、マッキンゼー独自の題材を用いたケース問題が課されることがほとんどです。また、志望動機やほかの戦略コンサルティングファームと比べてマッキンゼーを選んだ理由を聞かれることもあるので、入念に準備しておきましょう。

ケース面接の例題と解答

マッキンゼーの出題傾向に沿った例題と、その解答例を紹介します。ケース問題を解く際の参考にしてください。

なお、マッキンゼーでは資料読み取り問題が出題されるため、実際にはケース問題を解く能力だけでなく、資料読み取り能力も問われます。本項のケース問題は資料がなくても対応できる、過去問を応用した例題を掲載しています。

例題1

あるレンタル着物会社の利益率が減少している。この会社の利益率を向上させる最善の戦略を立案するうえで、
・調査しなければならないことを網羅的かつ構造的に列挙せよ。
・あなたが提案する施策を実行した場合に、1日当たりの利益が何%上昇するか計算せよ。
・上記の施策を実行する際にともなうリスクにはどのようなものがあるか。

  • 施策案
    • 上記の精査における課題
      • ①「単価を上げる余地はないのか?」
        • 着物を着てもらう(イベントで、かつ1人ではできない)サービスなので、より高単価なものにできそう。
      • ②「イベントごとに関して、七五三の3、7歳の女の子にも着てもらう余地はないのか?」
        • ジェンダーレスの観点からも、この風潮に転換することは充分ありえそう。
      • ③「店舗賃料に関して、バーチャル映像を用いてできるだけ実店舗削減」
        • 購入ではなくあくまでレンタルだけなので、実店舗需要はそこまでないのでは。
  • 施策選定
    • ①の方針で「各イベントで最高の写真を残せるサービスを、他業種との連携で実現。その紹介マージンや、連携することによって生まれる価値から利益捻出」
      • 1. 一眼レフカメラレンタル会社と連携し、卒業式で最高に「映える」写真を撮れるようにする。
      • 2. カメラマン(プロとはいわず学生カメラマンなど)を割安で紹介する。
    • これが実現しうる理由
      • ある程度高単価でも人生で2〜3回しか借りないため、障壁は高くないと考える。
      • 主に若者が写真を撮る理由はSNSにあげることにあるので、そこで一眼やカメラマンを使うことによって消費者の需要にマッチする。
  • リスク
    • 実際に予算がいくら程度なのかリサーチしなければ、高付加価値路線が可能かどうかはわからない。
    • 「一眼レフカメラレンタル」はあまり一般的ではないため、実はカメラは貸出に向いていない可能性がある。
    • iPhoneでも高画質で撮影できるので、一眼レフカメラの利用価値は相対的に低いかもしれない。

例題2

ある会社が今度発売しようと考えているスマートフォンについて、どのような機能が必要か?
・そもそも何をどのように調べないといけないか。
・あなたはどのような機能が必要であると考えるか。

  • 前提
    • Apple社
  • 何をどのように調べるのか
    • 現状の商品に関する自社と競合の関係
      • (自社のこれまでの製品/他社製品)×(価格/スペック/重さ/販売チャネル)のマトリクス
    • 今後の需要予測
      • 災害対策・リセッション対策・個人ビジネス(副業)・メタバース・SDGs関連
    • スマホ自体の特性
      • e.g. 持ち運び・体に近い・GPS・ウォレット機能・カメラ機能など
      • (→iPhoneがかつてヘルスケア機能に進出したような軌跡を辿りたい。)
  • 施策
    • 「商品やサービスにスマホを近づけるだけで、それがサステナビリティなものかどうかすぐに判別できる機能」
      • 背景↓
        • 環境配慮に関する規制が増えると予想
          • これは生産者ではなく、消費者にも課せられると考えられるので、それぞれが敏感になる(「人々が健康に気を使うようになった」といったトレンド変化)
        • 毎回の人間の消費行動とともに動くスマホならではの機能。

例題3

ある会社の商品価値が今後上がるか下がるか、分析してほしいと頼まれた。そのときに分析すべき項目はどういったものがあるか?

  • 背景
    • 「ある商品の需要が今後もあるかどうかを検討したい」という風にとらえる。
    • (e.g. 富士フィルムから「フィルムカメラの価値は今後どうなるか(=需要がどうなるか)」調べてほしいという依頼)
    • 価格の観点は無視する(現状の価格での需要を考える)
  • 分析する項目
    • ①現状の価値
      • 誰が
      • いつ
      • どこで
      • 何のために
      • どのように

買っているのかを精査

  • →それぞれに対してリスクとポテンシャルを考える。
    • e.g.「誰が」→「その層の人口減少or増加は?」
    • e.g.「どこで」→「その場所でのカントリーリスクは?」
    • e.g.「何のために」→「その目的が失われるリスクは?」
  • ②今後新たに生まれる価値(ポテンシャル)
    • マクロ的に予測される需要を網羅的に。
    • その製品の特性を網羅的に。
    • ↑これを縦と横のマトリクスでかけ合わせて考える。
      • e.g.「富士フィルムが持っている光彩技術を、医療検査で活かす」

例題4

あるペットボトル緑茶の売上はこの6か月間で半分に落ちている。それがなぜか考えられる要因をすべて挙げよ。

  • 生産側
    • 店頭出荷数半減
      • 売り手先でのシェア減少
        • 他社の小売店に対する交渉力向上によって、店に置ける量が減っている
      • 売り手先での陳列場所悪化
        • 同様に、置ける場所が悪くなっている
    • そもそもの生産効率低下
      • 工場での廃棄量が高くなっている
      • 作業での無駄が生じていて、生産量が落ちている
  • 需要側
    • 飲料全体の需要動向
      • 寒くなり、冷たい飲み物を飲まなくなった
    • チャネルの問題
      • 自販機での購買数低下
        • 外出回数が減ることによって自販機の利用率が落ちた。
      • コンビニでの購買数低下
        • ネットでのまとめ買いが流行し、コンビニの利用回数が落ちた
    • 種類の問題
      • ペットボトル飲料全体の需要動向
        • エシカル志向によって、ペットボトル需要が落ちた
      • お茶の需要動向
        • お茶以外の飲み物が流行した
    • 価格の問題
      • エンゲル係数の低下
        • 所得の低下
      • 競合の低価格化
        • より安価な飲み物が市場に出てきた

例題5

あなたはPEファンドのクライアント案件を抱えている。そこで、ある化粧品メーカーの買収をすべきかどうか問われている。買収をすべきかすべきでないか決めるうえで、必要となる論点を構造的かつ網羅的に挙げよ。

  • DD
    • (事業・財務・法務・税務・IT)×(ポテンシャル・リスク)のマトリクスで考える
      • とくに事業面では、
        • 商品の特性(化学分野であれば、他商材への転換が可能かどうかなども)
        • 化粧品市場の需要動向
        • 競合動向

など3Cを意識しながら。

  • ファンド側に関すること
    • バリューアップにつながる要因がファンド側にあるか探す
      • 化粧品に近しい業界出身者がいるかどうか
      • これまでの化粧品業界での案件経験
      • 他買収先とのシナジーが生めそうか
  • 価格面
    • 誰が保有しているか
    • 買収方法は何になりそうか
    • ESG債など、割安で資金調達できそうかどうか

例題6

日本のとある市が、自分の市の学校教育の向上について、マッキンゼー・アンド・カンパニーに依頼した。その市の生徒の共通テストの平均点は、同じ都道府県の他市よりも低い。
・平均点の低さを改善するには、どうすべきだろうか。
・対策として「早期教育で小学生に中学課程を教える」と決めた場合、どのようなリスクがあるか。

  • 前提
    • 共通テスト→大学受験ではなく、中高生が学年ごとに受けるもの。

課題特定

  • なぜ都会と地方で差が出るのか
    • 高い得点を出す←勉強をたくさんする環境がある
  • では勉強をよくする環境が生まれるには
    • 自発
      • 幼少期から目標をもてる、勉強自体が楽しい
    • 他発
      • 親、学校のいいつけ(これは筋薄そう)

施策(上記踏まえて)

  • 「幼少期から勉強を楽しみながらやれて、目標を認識できる環境づくり」
    • 楽しむ
      • (都会では親自体がそもそも楽しんでいるケースが多い→それを自治体が肩代わりする)
      • 算数を実生活に結びつけるような取り組み
        • e.g. 子供が暗算で計算すれば、割引にする仕組みとか
    • 目標を認識させる
      • 社会で活躍しているOBを学校に講演会を頻繁に行う

リスクの問題

  • 子供に出てくる影響
    • 高難易度なので、落ちこぼれる生徒が出てくる
    • 基礎を学ぶ時間が減って、結果的に能力が低くなる
  • 教える現場で出てくる影響
    • それを教えられる教師の不足

例題7

売上が伸び悩んでいるガス会社があるとする。改善策としてガス会社はガスと火災保険をセット販売しようと考えた。この施策の可否について、あなたはどう思うだろうか。

  • 整理すべき情報
    • ガス会社のビジネスモデル
      • 天然ガス?を輸入して、各世帯に販売する
    • ガス会社の売上低減の原因
      • ①ガスを使わない家庭増えた(オール電化)
      • ②多くの顧客が単価が低いほかのガス会社に契約を変えた
        • 品質・安全性の差は要因ではないと考えられる
          • それで選んでいる人を見たことがないため
    • 火災保険のビジネスモデル
      • 保険料を徴収し、火災が起きたときに補償金を支払う
  • 思考の流れ
    • ガス会社が現状打つべき手を考える
    • それに火災保険連動がマッチしているか判断する
  • ガス会社が打つべき手
    • 原因は上述した2つに大別されると考える。
    • ①に関して
      • ①のボトルネック
        • オール電化の方が安くすむ。手続きが煩雑ではない。(消費者目線で)
      • ①に対して講じるべき施策
        • 「安く、かつ煩雑さをなくす」という観点であれば、ガス×火災保険のコンビネーションも、打ち手として有効ではある。
    • ②に関して
      • ②のボトルネック
        • 単純に顧客が価格が低い他社に移った
      • ②に対して講じるべき施策
        • すでに移行したユーザーに対してもう一度乗り換えてもらうのは現実的ではない。
        • だが、移る可能性がある既存ユーザーに対しては、全体的な支出が下がるのであれば効果的ではある。
    • 総評
      • 結局ガスの選択は価格の要因が大きい。
        • 商材の品質の差は見えにくいので。
      • なので火災保険と連携して、家庭の合計の支出が小さくなることをユーザーに伝えられれば効果的であると考える。
      • ガス会社ならではの「火災が起きにくいようにするための指導・アドバイス」も実現しうるが、それはユーザーの本質的なニーズをとらえているとは考えられないので、あくまで付随的に。

例題8

あなたはグローバルに展開しているフィットネスジムの事業戦略を練る必要がある。ジムの日本国内売上は1,200億円。利益は180億円、市場成長率は年5%である。
・戦略を考えるうえで、あなたは何を調べる必要があるか。
・このジムが年10%以上、売上を成長させるにはどうすべきか。

  • 調べるべき項目
    • 現状のユーザーに関すること
      • 客層
      • 購買理由
        • 根本的なニーズ
        • 生まれうる潜在的なニーズ
      • 抱えている不満
    • クライアントとその競合に関すること
      • ビジネスモデル
      • 店舗立地戦略
      • 設備、それによる顧客層の差
    • 市場全体について
      • 市場規模、シェア
      • ジムビジネスが獲得しうる、潜在的なユーザー層
  • 施策を考える

まず上記の調査項目を埋めていく

  • ユーザーに関すること
    • 客層
      • 若者(18〜30くらい)
        • 筋トレ需要
        • 男性メイン
      • 中年層(30〜50くらい)
        • 健康志向
        • 女性も増えるイメージ
    • 購買理由
      • 若者
        • 筋トレニーズ
          • 筋肉を育てる感覚、楽しい
          • 良い体になって自己肯定感が上がる
          • モテたい
      • 中年層
        • 健康志向
          • 運動不足に危機感
          • 体型を気にしていて改善したい
    • 抱えている不満
      • 若者
        • 女性側の意見としては、利用者の女性比率が少ないため心理的な障壁が高い
        • 器具が少ない、自分に合った物がない
        • 立地が悪い
      • 中年層
        • そこまでハードな筋トレを求めていないので、ランニングマシンなどを拡充してほしい
  • クライアントとその競合に関すること(定義としてエニタイムを想定)
    • ビジネスモデル
      • 月額1万円くらいで使い放題
      • 最低限の器具とシャワールーム
        • それにより賃料や器具代を下げ、低価格路線が実現
      • 幅広く店舗出店するが、それぞれの規模は小さく通常時は無人。
    • 立地戦略
      • 若者がひとりで暮らしていそうな場所に幅広く出店。
    • 設備の差
      • 競合のGOLDGYMはより設備が充実していて、トレーナーによる指導も受けられる。
  • 市場に関すること
    • 市場規模
      • 700万人((20〜25才の1割=500万人)×1.2くらい)×月間1万円×12か月=約8,000億円(少し高い?)
      • シェアはほぼ一位?
    • 潜在的なユーザー層
      • これから筋トレ意識をもちそうな人
      • これから健康意識をもちそうな人
  • 施策の方向性
    • ①競合他社のユーザーを奪う
      • 他社の弱点を補えていることをアピール
      • 他社の強み(=自社の弱み)を補う
    • ②ジム未利用者を狙う
      • 潜在的なニーズにつけ込む
      • ニーズを生む
  • ①の施策
    • 筋トレに重きを置いている層にとっては、器具が充実しているGOLDGYMの方が使い勝手が良い
    • 器具拡充はエニタイムの低価格路線にそぐわないのでは。
  • ②の施策
    • エニタイムのような簡素なスタイルであれば、ジム初心者でも使いやすそう。
    • 「友人紹介キャンペーン」
      • 月額制かつ、変動費が少ないビジネスだからこそ効果的である。(「最初の半年間は無料」としても経営にさほど影響がない、かつユーザーも入会しやすい)
      • 若者はまだ横のつながりが強いので、紹介施策は妥当。
    • 「生命保険会社と組み、健康需要がありそうな中年層をターゲットにする」
      • 顧客に長生きしてほしいニーズがある生命保険会社と組み、健康リスクがありそうな中年層に使ってもらうようにコラボレーションする。

例題9

イタリアのスーパーマーケットが、日本進出を考えている。そのうえで進出の可否を判断するにはどのような情報が必要だろうか。

「進出の可否を判断」→「勝ち筋はあるのか、あればどのような形態でいくべきか。」

3Cの観点で。

  • 自社
    • どういった製品を扱っているか
    • 日本輸出の際における懸念点
      • どのようなロジスティクスなのか
      • 税制など法的な観点のリスクはあるか
      • それらに基づいて販売価格はどうなるか
  • 競合
    • スーパー
      • イオンや成城石井など、それぞれがどのような強み・弱みをもっているのか
        • 価格・地方地盤・ブランド・商品バラエティなどの観点
    • スーパー以外
      • カルディなどは今後も競合になりうるか。なるのであれば、どのような強み・弱みがあるのか
  • 顧客
    • イタリアの商材に対する需要はどれだけあるのか
      • 例えば本場のトマトソース(イオンでは扱っていないもの)を欲しがっている人&あれば欲しがる人(潜在的に)はどれだけいるか
    • 日常的なスーパーを選ぶ決定要因は?
    • 現状、日本のスーパーに抱えている不満は?

例題10

日本のとある地方銀行の利益率を改善するために、打つことができる施策を網羅的に列挙せよ。

考える指針

・現状のビジネスモデル、利益ロジックツリー確認

・現状のアセットを確認

・現状の課題確認

・それらに対する施策提案

  • ビジネスモデル
    • 融資の利ざや
    • 経営コンサルティング
      • マッチングや経営指導
      • M&A(事業紹介)のアドバイザリー
    • toCの手数料
  • 利益ロジックツリー
    • 売上
      • 上記のとおり
    • 費用
      • 人件費
      • システム維持費
      • 店舗維持費
      • 支払利子
  • 現状のアセット
    • ファイナンスに関するコンサルティング機能・人材
    • マッチングに使える幅広い顧客網
    • 地元企業との強く長い関係性
    • 貸出に使う現預金
  • 課題確認
    • 融資に利鞘の減少
    • 地方全体のパイ減少(人口、市場規模)
    • 費用がかさむ(規模の経済が働かないので)
  • 施策提案
    • ①地理的に近い他地銀との統合を進めることによって、規模の経済を働かせて費用削減
    • ②地方進出を目指す企業への大胆なデッドファイナンス支援
      • e.g. パソナに対して兵庫の地銀が実質利子0で貸し付けるといった施策
      • 地方衰退というピンチをチャンスにとらえる
      • 銀行側のメリット
        • 融資以外の部分で利益を得る
        • 地域全体が活性化し、人口増大につながる
      • 借りる企業側のメリット
        • WACCを下げられる
        • 地方に行けば人件費を下げられる(最低時給の観点で)

【ケース面接過去問】

ケース面接過去問

以下に実際の過去問を掲載するので、ぜひ過去問を活用して演習を行ってみてください。

ケース問題1

PEファンドがスーツ会社を買収する際に考慮すべき論点を整理せよ。

ケース問題2

PEファンドがある自動車部品メーカーを買収すべきか考える際に考慮することを、網羅的・構造的に検討せよ。

ケース問題3

PEファンドがアパレルメーカーの買収を検討する際の論点を、網羅的かつ構造的に挙げよ。

ケース問題4

時計メーカーA社がディスカウントストアでの時計販売を継続すべきか検討せよ。

継続すべきor継続すべきではないという選択に対して、具体的な検討を行う場合に留意すべき点を挙げよ。

A社に関しての情報

  • A社は日本におけるディスカウントストア経由での時計販売に悩んでいる。
  • A社の社長はディスカウントストア経由の販売が、ブランドを毀損しているのではないかと危惧している。
  • A社は新規の大規模案件を控えており、この案件成功を最優先事項で考えている。

ケース問題5

国内シェアトップのチョコレートメーカーが海外進出を検討しており、海外進出に向けた10年間の戦略の立案を行いたい。

  1. 海外進出を検討するにあたり、どのような情報が必要か。
  2. アメリカ企業と地元企業が市場のシェアを二分している国における、参入戦略の選択肢は何が考えられるか。

ケース問題6

大手電力会社の子会社が保険事業に進出する際に、考慮すべきことを網羅的・構造的に検討せよ。

クライアントの相談背景:既存事業が頭打ちである。

ケース問題7

南米でシェアが1位のお菓子メーカーが、スペイン市場への進出を検討している。その際の論点を網羅的かつ構造的に整理せよ。

ケース問題8

海外の自動車メーカーが、日本国内で電気自動車を売ろうとしている。日本で電気自動車が売れない理由についての調査を依頼されたため、その理由について網羅的・構造的に検討せよ。

ケース問題9

日本のアパレルブランドB社が「オンライン×オフライン」の形での販売をしようとしている。

その際に検討すべきことを挙げよ。

B社についてわかっていること

  • 店舗数が200店舗
  • 店舗形態には直営店舗とパートナー店舗(取扱店)がある
  • 店舗以外では、自社サイトやESサイトでの販売も行っている。

オンライン販売はパートナー店舗にとっては敵であることがわかった。そのような状況のなかで「オンライン×オフライン」の販売形態の導入を進めるにはどうすれば良いか?

ケース問題10

インドの通信キャリアC社は、インド国内における回線シェアが2位である。しかし、売上は競合他社と同水準で、利益率が低い。この原因を調べるにあたって必要な情報を整理せよ。

ケース問題11

東南アジアのある都市の市長から、街のインフラ整備についての相談を受けた。その相談内容というのは市内に無料のWi-Fiを設置したいが、コストの観点から電話ボックスに設置しようと考えており、それについてどう考えるかというものだった。これについて論点を網羅的・構造的に整理し、検討せよ。

ケース問題12

BtoBでプラスチックの材料をグローバルに提供しているクライアント社が、スマートフォンの画面に使われているガラスの耐久性を高める材料を新たに開発しようとR&Dを行っているが、経営陣は引き続き投資をすべきか悩んでいる。

  1. クライアント社はどのようなことがわかれば当問題に対して判断が下せるか?
  2. とあるスマートフォンメーカーは現時点で約8,000万台を毎年生産しており、自社製品のうち5%が画面の故障により修理品として返ってくる。1台のスマートフォンを修理するコストは$200で、またメーカーは購入後数か月以内であれば自社負担で修理するサービスを提供しており、これに該当するものがその5%の修理品のうち半分となる。

一方で、クライアント社の製品を用いると、今まで$7.50/台だったスマホ製造費が$10.0/台に上昇するが、当然ながら修理品として戻ってくる割合が下がることが予想される。では、自社負担での修理が引き続き半分であると仮定すると、故障率がどの程度に下がればスマホメーカーは損益分岐点に達することができるか?

  1. 2で求めた%についてどう思うか?
  2. クライアント社の顧客となりうるスマホメーカーは、数でいうとアメリカ・東南アジアに集中している。一方で、生産台数に着目するとApple(アメリカ企業)、Samsung(韓国企業)、Huawei(中国企業)によって過半数が占められている。この情報から、本案件において何がいえるか?

ケース問題13

スペインのLCCの昨年の利益率が低下した。

  1. 低下の原因として考えうる要素をすべて出せ。
  2. そのなかで最も重要なのは?ほかは本当に影響がないか?
  3. (出された表中の)5路線についての年間売上を計算。
  4. 3つの利益率低下の原因候補が面接官から共有され、どれが一番あり得そうか答える。
  5. バロセロナから新たに就航するか検討中と言われている都市4候補のデータをみて、バロセロナからの距離はほぼ等しいのに移動人数が多い都市があるがこの理由は?

ケース問題14

クライアント企業である大手化粧品・美容品メーカーの売上を上げる施策について考えたい。

  1. 施策を考えるのに必要な情報を考えられるだけ挙げよ。
  2. クライアント企業に関するグラフが共有されるので、そのグラフについて分析を行いそこから何がいえるかできるだけ多く述べる。
  3. 前問同様に図表が共有され、その図表の数値をもとに計算問題が与えられる。

ケース問題15

クライアント企業であるファンドが、ワインメーカーD社に投資を行うべきかどうかについてアドバイスを求めている。

  1. 投資を行うべきか判断をする際に必要な要素を、網羅的かつ構造的に挙げよ。
  2. 共有された図表の数値をもとに、売上に関する数値を計算せよ。
  3. 提示したグラフからわかる状況の背景にある要因について、考えられることをすべて挙げよ。

ケース問題16

ヨーロッパ圏内でスポーツ用品店を多店舗展開している企業がある。その店はスポーツウェアから器具まですべてのジャンルの商品を取り扱っている。店舗は大型のショッピングモールにテナントを構えるような形で展開している。

ここ3年間で毎年売上、利益ともに5%ずつ上昇しており、今後5年間も同じ成長率を維持したいという相談がマッキンゼーに寄せられた。プロジェクトを始めるにあたって、最初に考えるべき項目を網羅的に挙げよ。

ケース問題17

とあるファストフード店の売上向上に関して、口頭で与えられるクライアントの情報や背景をもとに課題の原因分析を行う。その後与えられる表から読み取れる情報を述べ、新たな仮説を表を用いて行うケース問題。

ケース問題18

ヨーロッパ圏内でスポーツ用品店を多店舗展開している企業の成長戦略を立てるときに、プロジェクトを始めるにあたって最初に考えるべき項目を網羅的に挙げよ。それに関連した図表を分析し、計算問題を解け。これらを踏まえた戦略立て・評価をせよ。

ケース問題19

あるファストフードチェーン店の売上向上戦略を立てるときに、プロジェクトを始めるにあたって最初に考えるべき項目を網羅的に挙げよ。それに関連した図表を分析し、計算問題を解け。これらを踏まえた戦略を立てよ。

ケース問題20

架空の北米の電力会社の新CEOが考える新しいパッケージ商品戦略に対して、背景やグラフなどの情報をもとに進めるべきかどうか判断せよ。

ケース問題21

アメリカで展開するレンタカー会社の成長戦略を立てるときに、プロジェクトを始めるにあたって最初に考えるべき項目を網羅的に挙げよ。それに関連した図表を分析し、計算問題を解け。これらを踏まえた戦略を立てよ。

ケース問題22

ヨーロッパのプラスチック材料を製造する会社の売上・利益向上策を挙げよ。

ケース問題23

あるレンタカー会社の利益率が減少している。この会社の利益率を向上させる最善の戦略を立案するうえで、

・調査しなければならないことを網羅的かつ構造的に列挙せよ。

・資料に基づいて、ある施策を実行したとき、1日あたりの利益が何%上昇するか計算せよ。

・上記の施策を実行する際にともなうリスクにはどのようなものがあるか。

ケース問題24

アメリカのある地方銀行の利益率を改善するために、

・打つことができる施策を網羅的に列挙せよ。

・グラフを見て読み取れることをできる限り多く列挙せよ。

ケース問題25

クライアントはアメリカにある病院チェーンで経営改善策の検討をしている。

・病院の売上が鈍化している原因を、構造的かつ網羅的に挙げよ。

・グラフの読み取り問題

・ある部門を撤退すべきかどうか、計算問題とその示唆出し

ケース問題26

ある携帯会社が今度発売しようと考えているスマートフォンについて、どのような機能が必要か?

・そもそも何をどのように調べないといけないか。

・その結果次のようなデータが得られた。このデータを見たうえで導き出せることは何か?

ケース問題27

ある大手ゼネコンのクライアントから費用削減について意見を求められている。

・かかる費用はどのようなものがあるか。

・グラフを見て、どのようなことを感じたか。

・グラフの数字を用いた計算問題

ケース問題28

あるクライアント企業が、石油を貯蔵する施設を作る案について検討している。

・グラフを見て、どのようなことを感じたか。

・どの案が一番良いか。

・グラフの数字を用いた簡単な計算

ケース問題29

ある化学系企業のクライアントの売上が低迷している。

・低迷の原因として考えられるものを出来る限り述べよ。

・その原因に対する対策として考えられるものを追加資料を見たうえで、出来る限り述べよ。

・ある新規事業計画を遂行すべきか、理由とともに述べよ。

ケース問題30

ある缶コーヒーの売上はこの3か月間で半分に落ちている。それはなぜか、考えられる要因をすべて挙げよ。

ケース問題31

とあるスーパーの酒部門の売上が減少している。その原因を特定せよ。

ケース問題32

ビジネス街にある定食屋の利益が減少している。その原因を分析せよ。

ケース問題33

ある会社の商品Aが今後価値が上がるか下がるか分析してほしいと頼まれた。そのときに分析すべき項目はどのようなものがあるか。

ケース問題34

ある部品メーカーのコストカット戦略について

・課題の原因として考えられるものをできる限り述べよ。

・追加資料を見たうえで、その読み取りと新たな仮説を構築せよ。

・資料のグラフや図に関する計算問題

最後に

本記事ではマッキンゼー・アンド・カンパニーの選考のケース問題を、できるだけ多く取り上げました。ケース面接対策は基本的に一朝一夕でできるものではないので、早めに取りかかりましょう。また、ケース面接は知識をインプットするだけでなく、演習を積んでアウトプット対策することも重要です。

加えてアウトプットの際にも、ただ解いて終わりでは意味がありません。OBやOGなどに適切なフィードバックを受けて、自身の仮説の筋や論点設計など修正を繰り返すことで、より早く実力を高められます。

コンサルティングファームでの選考はひと筋縄ではいかない設問も多く、また入社後もさまざまなスキル・知識を求められます。これらのケース問題を活用しながら、コンサルティングファームに必要な素養を身につけましょう。ケース面接に特化した書籍や就活講座などを最大限活用し、後悔しないよう十分な対策をしましょう。

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著者

ATLAS

未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト「ATLAS」の編集チーム。

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