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戦略コンサルの選考フローを企業別に紹介

就職最難関ともいわれている戦略コンサルは、京大・東大といった上位学生に人気の業界です。ほかの外資系企業や日系企業に比べて早くに選考が行われる傾向にあり、ファームによっては選考時期や受験可能回数が異なります。そのため、早期からの対策や十分なスケジュール管理が必要です。

本記事では、内定を獲得するために知っておくべき戦略コンサルの選考フローについて紹介します。本記事を参考に、ファームごとの選考時期や受験可能回数も押さえましょう。

戦略コンサルの仕事内容

戦略コンサルの仕事内容

戦略コンサルは、企業における成長戦略の立案、事業計画・新規事業の提案などを行います。仕事内容は、主に戦略立案・DD(デュー・デリジェンス)・オペレーション支援の3つに分けられます。

戦略立案

戦略立案は、赤字企業の再生や時代に即した会社全体の再構築など、クライアント企業の抱える課題に寄り添って戦略を立案することです。

近年、インターネットの普及やAIの成長、ブロックチェーンの進化など、企業を取り巻く環境や技術は目まぐるしく変化しています。どのように外部環境の変化に追いつき既存事業を発展させるか、未来への影響や将来像を見据えたうえでの戦略立てが重要です。

また、既存事業の拡大が困難な場合は、新規事業の立案や新サービスの価値検証を行います。幅広いスコープの戦略立案を3か月から半年という短スパンでこなすことも、戦略コンサルならではのやりがいです。

DD(デュー・デリジェンス)

デュー・デリジェンス(以下、DD)は主に買収を予定している企業を対象に、その企業の価値や将来性、想定されるリスクなどを検証することであり、別名「買収監査」とも呼ばれます。DDでは法律面・金融面・事業面など、複数の視点からアプローチしますが、コンサルティングファームでは事業面の観点から行うのが主です。

DDではさまざまな業界や企業のビジネスモデルを把握し、短期間での評価・検証が求められます。また、特定の業界に限らず多方面からの案件を担当するので、あらゆる業界への理解や知見が深まるでしょう。

オペレーション改善

オペレーションの改善を行うことで、生産性の向上、コスト削減による利益拡大が見込めます。

案件には主に2つのケースがあり、1つ目は戦略立案の延長線上で、クライアントがファームにオペレーション改善を継続依頼するパターン。2つ目は、すでにほかのファームで戦略立案を行った企業から、あらためて依頼を受けるパターンです。戦略コンサルファームの場合、前者の戦略立案から依頼する場合が多いといえます。

戦略コンサルの選考の全体像

冒頭でも説明したように、戦略コンサルは狭き門といわれている業界であり、選考の通過率は非常に低いといえます。

戦略コンサルの選考プロセスは「ES→筆記試験→面接→ジョブ→面接→内定」という流れが一般的です。また、選考を受けられるチャンスは夏選考と冬選考の2回ですが、最近では夏・冬・春と3回の選考を設ける企業も増えています。

ただし、すべての選考を受けられるケースもあれば、一度選考に落ちたら次回以降の選考は受けられない場合もあり、受験可能回数は企業によって変わります。事前に志望企業の選考について十分調べ、選考を受ける時期は慎重に決めましょう。

各選考ステップの対策

戦略コンサルの選考の全体像

全体的な選考のフローがわかったところで、戦略コンサルにおける各選考のポイントも押さえておきましょう。

ES

一般的なESは400字程度であるのに対し、戦略コンサルのESは、200字前後で書くケースが多いといえます。そのため、少ない文字数のなかで論理的かつ端的に書く能力が求められます。ポイントは、結論から述べることを意識しましょう。そうすることで、読み手が内容の全体像をとらえやすくなります。

面接ではESをもとに質問されるため、最初の選考段階だからといって手を抜いてはなりません。ESを書くにあたって業界や企業の理解を深め、自己分析を十分に行いましょう。

筆記試験

特に戦略コンサルの筆記試験は、通過率10%程度ともいわれるほど難易度が高く、東大生でも落ちてしまうケースが多々あります。企業によって行われる筆記試験はさまざまで、最も一般的とされるSPI、Webテストで代表的な玉手箱、テストセンターとWebテストの両方で行われるTG-Web、ほかにも企業独自の筆記試験などがあります。

筆記試験の主な目的はふるい落としです。確実に点数を稼げるよう、少なくとも選考の1〜2ヶ月前には対策を始めましょう。

グループディスカッション

グループディスカッションでは、司会・書記・タイムキーパー・発表者など、それぞれの役が割り振られます。アイデアを出すことが得意、人をまとめるのが上手、物事を客観的に判断できるなど、自分の得意分野を把握しておきましょう。そこでわかった自分の特性は、今後もどのようにチームに貢献できるかを知ることにつながります。

また、グループディスカッションで強みを最大限に発揮するためには、慣れることが重要です。志望度の高い企業の選考を受ける前に、グループディスカッションがあるほかの企業にエントリーして慣らしておくのもよいでしょう。

ケース面接

戦略コンサルの選考での大きな特徴がケース面接です。ケース面接はフェルミ推定やフレームワークなどを用いることで、簡単には推測できない課題に論理的に答える能力を問われます。企業によっては数回にわたって面接が行われることもありますが、当然すべてを突破しなければ内定獲得にはつながりません。各企業の出題傾向を押さえ、入念に対策しましょう。

ジョブ

ジョブとは、コンサルティングファームにみられる数日間にわたる選考のことです。インターンに近いものですが、内定に直結する点が異なります。ジョブでは3人から5人のグループが構築され、そこで与えられた仮想のプロジェクトの遂行が一般的です。

個人ワークとは異なり、ジョブではチームとの向き合い方や限られた期間内で結果を出す能力など、さまざまな観点から評価されます。

最終面接

ジョブの後の最終面接は、就活生と企業双方のギャップを埋めるためのものです。就活生が企業に対して抱く疑問を解消したり、企業側は就活生の志望度を判断したりします。

ファームごとの選考フロー

ファーム毎の選考フロー

主要な戦略系コンサルティングファームの選考フローや選考時期、受験可能な回数を紹介します。ただし、時期により選考の条件や内容が変動する可能性があるため、必ず企業のホームページもご確認ください。

マッキンゼー・アンド・カンパニー

選考フロー:ES→適性検査(独自シミュレーションゲーム)→面接(1〜2回)→面接(2〜3回)→内定
選考時期:夏・冬・春
特徴:一度選考で不合格になると、2年間再受験できない。

募集要項に、一度不合格になると2年間再受験できないと記載されているため、戦略的にエントリーの時期を決める必要があります。

ボストン・コンサルティング・グループ

選考フロー:ES+デザイン思考テスト→適性検査(SPI)→ケース問題筆記試験→面接(2回)→ジョブ→最終面接→内定
選考時期:夏・冬・春
特徴:夏インターンが始まる前に、理系院生向けのセミナーやリファラル限定セミナー経由の特別ルートが存在する。

同社のデザイン思考テストとSPIは、合格のボーダーラインが90%近いといわれています。余裕をもって選考準備に取りかかりましょう。

ベイン・アンド・カンパニー

選考フロー:ES→適性検査(玉手箱)→録画面接→面接(2、3回)→ジョブ→最終面接→内定
選考時期:夏・冬・春
特徴:リファラル限定セミナーに参加することでES・ウェブテスト・録画面接は免除され、面接から選考を受けられる。

近年マッキンゼーの採用枠が急拡大したことで同社の内定辞退者が多発し、春選考が始まったといわれています。

A・T・カーニー

選考フロー:ES→適性検査(独自問題)→グループディスカッション→面接(2回)→ジョブ→最終面接→内定
選考時期:夏・冬・春
特徴:通常、戦略コンサルのジョブはグループワークで行われることが多いが、A・T・カーニーの場合は個人ワークが採用されている。

個人ワークではコンサルタントからのフィードバックをもらえるため、それをいかに活かせるかがポイントです。

アーサー・ディ・リトル

選考フロー:ES→適性検査(玉手箱)→筆記ケース→面接(1回)→ジョブ→最終面接→内定
選考時期:
特徴:わずかではあるものの、就活コミュニティや内定者経由のリファラルルートも存在する。

アーサー・ディ・リトルの選考の特徴として挙げられるのが、応募者によって選考ステップが異なる場合がある点です。面接が複数回行われることもあるので、入念に対策を行いましょう。

アクセンチュア(戦略部門)

選考フローES→適性検査(玉手箱の空欄推測)→グループディスカッション→面接(1回)→ジョブ→最終面接→内定
選考時期春、夏
特徴ウェブテストの結果は、戦略コンサル以外の職種への応募にも引き継がれる。夏インターンが始まる前に、選抜コミュニティ経由の特別ルートが存在する。

戦略部門の場合、選考は夏のみとなります。そのため受験者が殺到することが予測され、1回の選考における内定率はほかの企業と比べると低い傾向にあります。

Strategy&

選考フロー:ES→適性検査(TG-Web)→グループディスカッション→面接(複数回)→ジョブ→最終面接→内定
選考時期:夏・冬
特徴:選抜コミュニティ経由など、複数の特別ルートが存在する。エントリー可能回数は実質1回で、どの選考ステップで落ちてもそれ以降のエントリーでは書類落ち扱いとなる。

22卒の選考では、就活サイト経由で女性を対象としたセミナーが存在し、そこからの選考ルートが存在していました。ただし、毎年行われるかは確実ではないため、新しい情報をチェックするようにしましょう。

ローランド・ベルガー

選考フロー:ES→適性検査(TG-Web)→面接(2回)→ジョブ→最終面接→内定
選考時期:夏・冬
特徴:エントリー可能回数は実質1回で、どの選考ステップで落ちてもそれ以降のエントリーでは書類落ち扱いとなる。

適性検査のTG-Webは、ほかのテストと比べると試験時間は短く問題数が少ないため、着実に正解を重ねられるよう対策が必要です。

ZSアソシエイツ

選考フロー:ES→適性検査(独自問題)→グループディスカッション/面接→ジョブ→最終面接→内定
選考時期:夏・冬・春
特徴:一部の選考は英語で行われることもある。

製薬系に強く、社内でのコミュニケーションは主に英語で行われています。そのため選考でも英語力が求められ、面接での受け答えや発表、問題の読解など、どのシーンでも英語対応できるよう対策しておきましょう。

EYパルテノン

選考フロー:ES→適性検査(玉手箱)→ジョブ→最終面接→内定
選考時期:夏・春
特徴:ジョブ以前に面接は行われない。

ジョブで面接が行われる形式を採用しているため、そこまで残るためにはESが重要であると考えられます。

コーポレイト ディレクション(CDI)

選考フロー:ES→適性検査(独自問題)→グループディスカッション→面接(複数回)→ジョブ→最終面接→内定
選考時期:
特徴:就活情報サイト経由で特別ルートが存在する。

エグゼクティブ・コンサルタントの採用においては、23卒を対象に、就活サイト経由で超優秀層のための特別ルートが存在します。

ドリームインキュベータ(DI)

選考フロー:ES→適性検査(SPI)→グループディスカッション→面接→ジョブ→最終面接→内定
選考時期:夏・春
特徴:3日のジョブを通して選考が行われる。

DIはジョブによる採用活動を行っています。インターンの参加者募集はホームページにて行われるため、情報を見逃さないようにしましょう。

経営共創基盤(IGPI)

選考フロー:ES→適性検査(GPS)→面接(2回)→ジョブ→最終面接→内定
選考時期:
特徴:就活サイト経由でESが免除されるルートが存在する。

就活サイト経由でESが免除されるルートが存在しますが、その場合ほとんどの候補者が通過できるといわれています。

まとめ

難易度が高いとされている戦略コンサルの選考に通過するためには、早い段階で対策することが重要です。企業によって選考のフローや受験可能回数、選考時期が異なるため、常に情報をチェックするよう心がけましょう。

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著者

ATLAS

未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト「ATLAS」の編集チーム。

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