【在学中合格者が語る!】公認会計士資格取得のメリットとは? - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

公認会計士の概要

公認会計士とは

公認会計士とは、会計・監査のプロフェッショナルであることを証明する資格であり、医者・弁護士と並んで三大国家資格の一つに数えられます。公認会計士の主な業務は財務諸表監査(企業の経営成績や財政状態を記した書類である財務諸表が正しく作成されていることを証明する業務)であり、これは独占業務として公認会計士のみ行うことが認められています。

なぜ監査が必要なのでしょうか。財務諸表は企業の経営者が自ら作成します。しかし、経営者はなるべく企業の状態をよく見せるため、利益を過大に計上するなど、財務諸表において虚偽の記載を行う動機を持っています。そこで、公認会計士が独立した立場から財務諸表の信頼性を担保することで、投資家を保護する必要があるのです。これが公認会計士の主な使命になります。

公認会計士試験について

公認会計士となるためには、短答式試験、論文式試験、修了考査の3つに合格する必要があります。一般的に公認会計士試験は短答式試験と論文式試験を指すため、本記事ではこの2つについて解説します。(修了考査とは、公認会計士試験合格者が実務経験と並行し3年間の学習を経て受験する試験であり、これに合格することで最終的に公認会計士登録することが出来ます。合格率は概ね高い水準で安定しています。)

・短答式試験
短答式試験とは、公認会計士を目指す受験生が最初に突破する必要があるマーク式試験です。12月と5月の毎年2回行われます。科目は財務会計論、管理会計論、監査論、企業法です。素早い計算力に加え、比較的細かな知識まで問われる点が特徴です。一度短答式試験に合格すれば、3回目の論文式試験までは短答式試験の受験が免除されます。

・論文式試験
論文式試験とは、短答式試験合格者が受験する記述式試験です。毎年1回8月に行われます。科目は会計学、監査論、企業法、租税法、選択科目(経営学、統計学、経済学、民法)であり、選択科目についてはほとんどの受験生が経営学を選択します。短答式試験に比べると細かい知識は問われませんが、素早い計算力と深い理解が求められます。

願書提出者数、合格者数、合格率の推移は以下の通りです。合格率は一貫して約10%程度となっており、難関資格であることが分かります。また、ここ数年は願書提出者数の増加が顕著であり、魅力ある資格として注目を集めています。

公認会計士のキャリア

公認会計士試験の合格者の約9割はまず監査法人に就職します。監査法人とは、上述した財務諸表監査を主に行っている法人であり、

  • EY新日本有限責任監査法人
  • 有限責任あずさ監査法人
  • PwCあらた有限責任監査法人
  • 有限責任監査法人トーマツ

からなるBIG4が代表的な監査法人です。キャリアを通じて監査法人に勤め、パートナー(一般企業の役員に当たる役職)を目指すことは王道の一つです。
しかし、実際には監査法人から転職しキャリアアップを目指すのが主流でしょう。公認会計士の資格は会計・監査のみならず、ビジネス全般に関する知識を有することを証明できる資格のため、将来のキャリアパスは非常に広く広がっています。代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 独立開業
  • 上場企業の経理
  • スタートアップ企業のCFO(最高財務責任者)
  • 社外役員
  • 起業家

また、会計の基本的なルールは世界中で統一されています。そのため監査法人から海外へ出向したり、現地企業に直接就職して会計士として働くなど、海外でキャリアを築くチャンスも大きい資格と言えます。
以上のように、公認会計士の大きな魅力は、将来のキャリアの可能性が無限とも言えるレベルで広がっていることでしょう。また監査という独占業務がある以上、公認会計士としての仕事がなくなることはありません。そのため、独立やスタートアップへの転職など、リスクの高いキャリアを安心して選ぶことができることもメリットと言えます。

取得のメリット

公認会計士資格を取得するメリットは何でしょうか。キャリアの多様性については既に述べた通りです。また、高収入と安定性も大きなメリットと言えるでしょう。
平均年収は計算方法によって数値が変わりますが、一般的に公認会計士の平均年収は1,000万円を超えると言われています。キャリアによっては年収数千万円を稼ぐことも全く夢ではありません。
また監査は独占業務であるため、公認会計士の仕事が無くなることはありません。AIによって仕事が無くなるという声も聞かれますが、その点についても心配は不要でしょう。確かに単純作業についてはAIが代替することになるでしょうが、監査においては経営者や従業員とのコミュニケーションを通じて会社の情報を得ることも大事なプロセスであり、これは人間が行うことになります。質の高い監査を提供するためにはこのような部分に時間を割くべきであり、業界全体で人材不足が叫ばれている今日において、むしろAIが単純作業を代替してくれることを待ち望む声が大きいのが現状です。このような点を踏まえると、非常に安定しているキャリアであることが分かるでしょう。

学生時代に公認会計士試験に合格するメリットは複数挙げられます。まずは、早く合格するほどより早くキャリアを築けることです。公認会計士の上下関係は年功序列ではなく合格した年度によって決まります。そのため同期と言っても年齢はバラバラであり、自分よりはるかに年上の会計士が後輩ということも全く珍しくありません。学生時代に合格すれば、より早くキャリアをスタートできるため、報酬面においても業務内容面においても、卒業後に合格した人よりも先に進んでいくことができます。もちろん、受かってしまえば年齢に関わらず門戸が開かれているという点は、年齢の高い方にとってのメリットでもあると言えるでしょう。
また学生時代に合格すれば、卒業まで監査法人で非常勤として勤務することができます。一般的に非常勤の時給は2,500〜3,000円程度であることが多いため、大学の授業が無い日に非常勤として勤務し、長期休みに入ったらそのお金を使って旅行する、といったことも可能です。一般的なアルバイトの時給は1,000〜2,000円程度ですから、学生にとっては非常に魅力的な時給と言えるでしょう。また、非常勤での仕事内容は常勤の会計士と全く一緒です。学生時代に身につけた仕事のスキルがそのままキャリア全体に直結するのも大きな魅力でしょう。

公認会計士試験合格体験記

受験を決めた理由

私が公認会計士という資格を初めて知ったのは高校生の時でした。たまたまネットで見かけたのですが、当時は会計とは何かすら理解しておらず、その後目指すことになるとは思っていませんでした。
しかし大学に入ったタイミングでコロナ禍に突入してしまい、様々な活動が制限される中で、この期間に将来のため何か専門知識を身につけようと考えるようになりました。弁護士といった他の資格も考えられますが、もともとビジネスに興味があったことや、会計は世界共通言語であり、身につければ世界中で活躍できる可能性が開ける点に魅力を感じ、大学1年生の2月から勉強を開始しました。

予備校

予備校はCPA会計学院に通っていました。他にも大手の予備校としてはTACや大原が主流です。なんとなく選んでしまいましたが、今やCPA会計学院は合格者数トップを誇る予備校になっています。受講生同士や合格後の交流やセミナーなどにも非常に力を入れており、個人的には自信をもっておすすめできる予備校です。とはいえ、大手の予備校であればどこでも合格するための実力は十分付けることができるでしょう。

スケジュール

スケジュールとしては、大学1年生の2月に勉強を開始し、10か月の準備期間を経て、大学2年生の12月に短答式試験に合格しました。続いて8か月の準備期間を経て大学3年生の8月に論文式試験を受験し合格しました。勉強開始から論文式試験合格までは1年半を要したことになります。
一般的なスケジュールと比べて学習開始時期が遅かったため、毎日10時間ほど勉強する必要がありました。それに伴って個別指導のアルバイトは辞めるなど、完全に受験勉強中心の生活でした。コロナ禍で大学の授業がオンラインであったことにも助けられたため、これから目指す方は余裕を持って短答式試験の1年から1年半前くらいから勉強を開始する方が安心かもしれません。

教材

教材については予備校で配られたテキストや問題集、答練(テスト)を使用していました。大学受験では市販の参考書が溢れており、実際にそれらを使用している受験生もかなり多いと思いますが、公認会計士試験はこの点が大きく異なります。そもそも市販されている参考書はほぼありませんし、少なくとも大手予備校の教材は網羅性が十分担保されているので、基本的には自分が通う予備校の教材だけで勉強していれば問題ありません。

勉強していて楽しかったこと・辛かったこと

公認会計士試験の勉強をしていて楽しかったことは、将来のキャリアに直結するような会計・ビジネスの知識を身につけることができた点です。企業が日々行っている取引がどのように会計数値に落とし込まれるかを知ることは新鮮で、身につけた知識を活かして活躍する将来の自分を想像することは大きなモチベーションになりました。また、決して簡単な試験ではないからこそ、実際に試験に合格したときの達成感は非常に大きかったです。
反対に公認会計士試験の勉強をしていて辛かったこともたくさんあります。特に大学受験との違いで言えば、大学受験は比較的多くの人が経験する一方で、大学時代から会計士試験に取り組むのは決して多数派ではないですから、周りの友達が大学生活を満喫している中で、自分は受験勉強に向き合わなければいけないのは辛い点でした。しかし、予備校によっては受講生同士の交流会を積極的に行っているため、同じ目標を持った仲間を作れば乗り越えやすくなると思います。

今後のキャリア

私は2022年8月の論文式試験に合格し、BIG4監査法人の一つに入社しました。監査法人に就職する人は一般的には上場企業の監査に従事することが多いですが、私はスタートアップ企業が今後の経済成長を引っ張っていく可能性を強く感じ、未上場スタートアップの監査を専門に行う部署に配属になりました。一口に監査法人と言っても、このように様々な業務を行うチャンスがあるのは大きな魅力だと感じます。
監査法人に勤め続けるのではなく、転職によりキャリアアップを図る公認会計士が主流だということは既に述べましたが、私もその例外ではありません。監査業務を身につけた後は、自らスタートアップ企業にCFOとして参画し、経済成長に貢献できるような企業に育て上げたいと思っています。このような目標を描けるのも、公認会計士試験に合格したからこそだと考えると、この試験に挑戦して良かったと心から思っています。

これから公認会計士を目指す方・目指そうか迷っている方へ

ここまで公認会計士の業務内容や私の受験生時代の経験について書いてきましたが、いかがだったでしょうか。最後に、これから公認会計士を目指す方、目指すか迷っている方にメッセージを送ろうと思います。
まずは、よくぞ公認会計士というキャリアを見つけていただきました。基本的に個人ではなく企業にサービスを提供するという業務の性質上、大半の学生には選択肢としてすら認識されていないのが、残念ながら公認会計士の現状ではないでしょうか。ただ何となく一般企業への就職活動をするのか、公認会計士を目指すという選択肢も持っているのか、それは結果的に公認会計士を目指さなくとも大きな違いがあります。この記事を読んでいただいているというだけでも、広い視野を持てているのだと思います。
そして、実際に公認会計士を目指すという選択をしていただける方がいるならば、これ以上嬉しいことはありません。時代とともに企業の活動が高度化するにつれ、公認会計士へのニーズは高まっていきます。難関資格ですから、いざ目指すとなれば大変なことも多いでしょう。しかし、その分人材としての価値は高く、キャリアの選択肢は他の資格と比べても非常に幅広くなっています。公認会計士資格を取得した将来の自分をイメージし、モチベーションを高く維持することが受験を乗り越える一つのコツだと思います。
この記事が一人でも多くの方の参考となり、公認会計士を目指す後押しが出来れば幸いです。

ATLAS会員限定コンテンツ

ES・体験記

充実したES・選考体験記に加えて、企業ごとの選考突破の攻略法を掲載しています。

g clip-path="url(#clip0_67_2718)"> 限定選考ルート

コンサルやファンド等の特別選考ルートを登録情報をもとにご案内します。

企業分析

企業の最近の動向や競合と比較したときの強み、選考フローについて解説します。