【3分でわかる】三菱商事株式会社 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

企業説明

三菱商事の会社概要・活動内容

三菱商事は国内五大総合商社の一角で、知名度・年収・就活生からの人気全てでトップクラスに位置する企業である。1918年に三菱合同会社から独立する形で設立されて以降、「必要な商品やサービスを、必要なだけ、必要なところに効率的につなぎ合わせる仕組みをつくること」という初代社長岩崎彌太郎氏の言葉の通り、各産業の有機的な統合においてリーディングカンパニーとしての役割を果たしている。英名は”Mitsubishi Corporation”であり、三菱グループ内最大の売上高を誇ることから、総合商社内だけでなく4000社以上を誇る巨大な三菱グループの中でも代表的な立ち位置に君臨していることが伺えるだろう。

売上高・純利益・従業員数といったIR指標では毎年のように業界内No.1となっている。”商社不要論”・”商社冬の時代”といった業界全体で向かい風となった期間の中でも、リーマン・ショック前から2015年3月期まで全てで純利益でトップを叩きだした。途中伊藤忠商事にトップの座を明け渡すことはあったものの、2022年3月期決算では通期純利益9,375億円と長い総合商社の歴史で最高の値となった。この地位に甘んじることなく、中期経営戦略2024 では「価格要因を除いた利益の着実な成長」をキーポイントとし、事業規模や領域の広さをより活かした持続的な発展に向けた循環型成長モデルを掲げている。2016年度の巨額赤字の影響もあってか財務指標の中でも純利益を重視しており、全利益の半分近くを非自然分野で稼ぎながら、特定のセグメントに頼らないポートフォリオを組んでいる。2018年の経営改革で2021年度の目標とした純利益9,000億円も見事に達成し、利益還元では累進配当も公式に表明していることから、今後も数値指標面で高いパフォーマンスを維持することに注目したい企業の一つと言える。

三菱商事の特徴や価値観

三菱商事の特徴を掲げるうえでのキーワードは複数あるが、ここでは特に重要な「総合力」「人材力」「財政力」の3つについて解説していく。

まずは「総合力」について。三菱商事はコーポレートサイト・就活生向け説明会資料・外部のニュース記事といったあらゆる情報元で”総合力”という言葉が使われている。冒頭で触れた岩崎彌太郎氏の「つなぎ合わせる仕組みをつくること」という言葉にもあるように、三菱商事に限らず総合商社はワンストップで様々な事業に統合的に関わることに大きな存在意義を持つ。仮に、メーカー・銀行・リテール・運輸といった個別業界では成し遂げられなかったような事業でも、総合商社の存在により最適化された事例は枚挙にいとまがない。

この点、総合力を強みとする三菱商事は、総合商社のビジネスモデルとの親和性が高く、競争優位性を確保できるポテンシャルが高いと示唆される。もちろん総合力の要素は多々あるが、そのうちの一つに「携わった事業領域の幅広さ」が挙げられる。旧財閥系商社の中では設立自体は最初ではなかった三菱商事だが、開国以降で貿易仲介を主としていた黎明期の早い段階から、取扱い商品数で先発の三井物産を追い抜いたとされている。今ではビジネスモデル上商品の交換以外にも多数の収益源を持つ総合商社だが、トレーディング・事業投資共に携わった数と広さはそれだけ総合力に直結し、総合商社の中でも高いオーガナイザー機能を有していると言えるだろう。総合力の要素として他には、「情報力」といった面も挙げられる。近年総合商社のケーススタディでは、新興国の事例が取り上げられることが多くなった印象がある。新興国で新規ビジネスを立ち上げようとした場合、どんな国で・どんな市場が存在し・どういう戦略を立てればいいかそもそも情報が入って来にくいという課題に直面することは多い。例えば三菱商事の代表事例であるミャンマーでのヨーマセントラルプロジェクトは、ミャンマーの市場・新興国での都市開発・長期的な雨季地域での業務遂行といったように、情報ノウハウ面での価値提供をより多くの新規事業に活かす可能性を秘めている。補足として、ヨーマセントラルプロジェクトでは三菱地所もパートナーとして大きく絡んでいることからもわかるように、財閥系の中でも最も巨大な三菱グループの力を総結集して事業に携われる点も広い意味での総合力と言えるだろう。

続いて、「人材力」について。総合商社が競争優位性を確保していくためには、先述した企業体制や実績以前に、人材確保がポイントになってくる。総合商社は基本的に生産設備・店舗といった固定資産や在庫を抱えるビジネスモデルではないため、最も重要な競争の源泉はヒトになる。これは例えば営業の人間力と比較してマーケ・研究開発が花形となりやすいtoCメーカー等とは大きく性格を異とする。もちろんビジネスパーソンとしての価値を可視化・定量化するのは難しいが、やはり知名度や採用大学の実績・転職実績を見ても総合商社には優秀な人材が集まっている傾向が強いと言える。人的資本への投資が競争力のキーとなるうえで、同業の中でも三菱商事は企業規模・年収共に例年トップに位置しており、複数内定を取るような優秀な人材にも選ばれる可能性が高いと考えるのは自然なことだろう。また、三菱商事はPE/投資ファンド系へのジョブチェンジが業界内他社と比較しても多いことが度々指摘されるように、経営者人材としてより高い視座でパフォーマンスできる人材がより多く集まっていることが推察される。事実、採用HPでも「三菱商事は、経営人材が育つ会社を目指しています。経営人材とは、経営マインドをもって事業価値向上にコミットする人材です」明記されていることから、総合商社の立ち位置並びに三菱商事の総合力を活かしていくにあたって、このような人材を多く抱えていることは同社の強みの一つということができるだろう。

最後に、「財政力」について。先述の通り三菱商事は純利益でほとんどの年度で業界内トップに位置してきたが、その他の指標でも王者にふさわしい数値を叩きだしている。連結総資産・連結株主資本辺りはその代表例だ。資源価格の変動や国際情勢の変化・地政学リスクといった、一つの要因で巨額の変動が起きうる総合商社のビジネスにおいて、財政面での優位性は事業継続・持続的な成長にあたっての重要度が相対的に高い業界と言えるだろう。

総じて、経営の四要素はヒト・モノ・カネ・情報と言われる中で、「総合力」「人材力」「財政力」の3つでこれら4要素を強みとして満たしている点が三菱商事の大きな特徴であると結論づけることができる。

三菱商事の最近の動向

総合商社業界全体の動きとしていわゆる「トレーディングから事業投資へ」が挙げられるが、リーディングカンパニーとしてこの傾向をより推し進めているのが三菱商事だ。例えば2017年のローソン子会社化は記憶に新しいが、同社との資本提携の実績は2000年にまで遡る。バブル崩壊以降の商社不要論の向かい風の中で、いち早く事業投資に業務転換をはかったのが三菱商事と言われている。直近では後述のニュースにもあるように、「事業投資から事業経営へ」への転換が図られている点も特筆すべき事項だろう。もちろんどこまでが”投資”でどこからが”経営”かというのは言葉の問題も絡んではいるが、単なる出資者として投資商品のようにインカムゲイン・キャピタルゲインを得るだけでなく、事業として発展させるフェーズにより深く関わっていく方向性は今後も続いていくと予想される。近年戦略コンサルティングファームが実行支援に介入するケースが増えてきたように、総合商社に求められる姿であるビジネススキームの上流から下流まで抑える姿勢は加速していくだろう。

先述の通りグループとして多数のノウハウや経営人材を抱えていることから、積極的に経営に携わるための土俵が整っている側面は強みと言える。やはり自社社員を送り込むといった人的投資は総合商社の特徴の一つであるため、ここでも三菱商事の人材力はより価値発揮されることが期待される。

また、三菱商事の経営戦略では度々「サービス分野と川下領域を強化」というキーワードが直近で見受けられる。資源系や一次産業製品(肉・魚・穀物など)といった総合商社のお得意分野であった上流フェーズから、リテール・モビリティサービスといったより消費者に近い下流フェーズに力を入れていくということだろう。この点も「事業経営」として実業に関与する姿勢と共通していると言える。

更に、2019年4月の組織再編でにデジタル戦略部が設置されたことも注目すべき事項である。経済産業省を中心に政府もDXを推進し、各企業もこぞってDX関連のビジョンを提示しているが、三菱商事では特にコア技術の内製化を掲げている。近年、NECの「新卒1000万円」やKDDIの「ジョブ型採用」といったように、旧態依然の年功序列型から脱却しようという動きが度々ニュースとして取り上げられている。2022年現在、三菱商事の新卒入社のうち理系学生の採用は毎年全体の2割程度だが、今後の事業動向によっては理系学生の採用や中途採用の幅が広がっていく方向性も想定できる。三菱商事がこれまで培ってきた総合力とDXがうまく活用されることで、より社会的インパクトが大きい事業への経営参画や、部門を横断化したシナジー効果が見込まれるだろう。

以上の「事業投資から事業経営へ」「川下の強化」「DXの推進」という3つのキーワードが反映された直近の事例として、HERE Technologies社への出資が挙げられる。三菱商事のサプライチェーンへの関与・NTTのICT技術知見・HERE社の高精度な位置情報データといった各社の強みを総結集させ、DXを絡めた新しい事業経営への可能性を感じさせる事例と言えるだろう。採用の話にはなるが、三菱商事は伝統的に管理部門系のプレゼンスが強く、事業創出系のキャリアを志向している就活生との親和性が低いというイメージを持つことも多いが、こういった企業としての動きにより採用も変革化される可能性も秘めているのかもしれない。それをまた人材力としてより高い競争力の確保に繋げることができるかにも今後の注目が集まっている。

三菱商事での働き方・キャリア

三菱商事の2022年度平均年収は1559万円と、ご存知の通り日系企業の中ではトップクラスの給与水準を誇っている。それもあってか例年就活生からトップクラスの人気を誇る三菱商事だが、まずキャリアとして特筆すべきはいわゆる”背番号制”は無視できないだろう。2022年現在組織体制として10のグループに分かれる三菱商事だが、総合商社各社と同様に、特定のグループに配属されて以降は継続して同一グループに携わっていく可能性は未だに高い。最近では、丸紅のCareer Vision採用(2021年~開始)・伊藤忠商事の配属先決め採用(2022年度~廃止)といった形で、あらかじめ希望のグループを明らかにした前提での採用の動きも進んでいるが、三菱商事ではこういった動きはまだあまり見受けられていない。

また、先ほどKDDIのジョブ型雇用の例を挙げたが、三菱商事ではメンバ―シップ型のキャリアが色濃く残っており、この辺りは日系大企業らしい性格がまだまだ残っているとも言える。有名な「組織の三菱」という言葉も、「組織間の壁が暑い」という意味で使われることがあるのもこの点から伺える。昇進のスピードに関しても、課長クラスになるまで入社後20年程度要すると数年前までは言われていた。平均勤続年数も18年と長いことから、上詰まりとなっている役職があるのも事実と思われる。近年の人事制度改革で少しずつ実力主義の年齢にとらわれない基準が設けられつつあるが、実態としては年功序列制からのまだまだ移行期にあると言えるだろう。

また、先述した2019年4月の組織再編も、キャリアについて影響を与える面が少なからずあると考えられる。この際にグループの数を7⇒10に再編したわけだが、単なる商材ごとの区分ではなく、需要ベースで本部とグループが対応づけられることになった。これにより、従来の商材に紐づく背番号制から、需要に区分される背番号制の側面が強くなっていくことも考えられるだろう。

また、総合商社と言うとやはり海外常駐のイメージが強いが、三菱商事の場合はグローバル研修制度があり、入社8年目までに海外経験を積ませることが原則になっている。派遣先の国の情勢によって手当の金額は数百万円は年収に上澄みされる。

こうした現状にある三菱商事だが、先述した経営戦略資料にもあるように、「多様な経験を通じた早期育成」「実力主義と適材適所の徹底」「経営人材の全社的活用」が今後の人事制度の方向性として挙げられる。三菱商事が目指す「経営人材が育つ会社」をより浸透していくうえで、どこまで多様なキャリアプランを想定していくかは一つの論点になっていくだろう。

選考情報(インターン)

選考フロー

ES→テストセンター→GD

選考時期

8月

ウェブテスト

テストセンター

1次選考

GD
事前に共有されたお題に関するディスカッションを5人程度で行う

ジョブ、インターン

2日間にわたって行う
会社説明、短時間のワーク、社員への質問などを行う
選考要素はないとのことだが、インターン参加者限定のイベントに呼ばれる

内定者数

150人程度

内定者の所属大学、学部

東京一工、早慶、その他国立大

入社人数

150人程度

年収(新卒)

約550万円(一般的な残業代込み)

アルムナイ/出身人物

  • 安達 保(カーライル・グループ 日本共同代表)
  • 寺田 親弘(SanSan株式会社 代表取締役社長)
  • 内田 陽介(みんなのウェディング 代表取締役社長兼CEO)
  • 黄 皓(ミラーフィット株式会社 代表取締役、4代目バチェラー)

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企業情報

企業名 三菱商事株式会社
設立日 1954年7月1日(設立1950年4月1日)
代表者 代表取締役 社長 中西 勝也
本社住所 東京都千代田区丸の内二丁目3番1号
オフィス数 国内:11 海外:111 (事務所等51/現地法人 本店36、支店等24)(2022年11月1日現在)
従業員数 単体 5,571名 連結 80,728名(三菱商事単体および子会社従業員数) (2022年3月31日現在)
資本金 204,446,667,326円