【3分でわかる】ADKホールディングス(アサツー ディ・ケイ) - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

企業説明

ADKホールディングスの会社概要・活動内容

ADKホールディングスは電通・博報堂に次ぐ国内総合広告代理店の一つである。いわゆる”電博”が長らく圧倒的な存在感を保っていた中で、1998年に第一企画と旭通信の合併により誕生した。起源である旭通信社でも設立は1956年と、電通・博報堂と比較すると比較的歴史が浅い企業になっている。ADKホールディングスが純粋持株会社として取られる現在の形態となったのは2019年からで、新卒採用ではADKホールディングスで一括採用されたのちに各事業会社へと配属されていく形を取っている。同社は2018年に東証上場廃止となったため直近の決算については公開されていないが、現在は電通・博報堂・サイバーエージェントに次ぐ売上高とされている。海外市場にも広く事業を展開しており、中国の新華通信社とも業務提携関係にある。イギリス・フランス・韓国・アメリカ・アラブ首長国連邦などにも現地法人や合併会社を置くなどしている。

ADKホールディングスはすべての人に「歓びの体験」を与えることを自社の社会的存在意義としている。モノやサービスそのものの基本的な機能だけでは差別化・付加価値の提供は困難と考え、消費者を動かす原動力はモノやサービスそのものだけでないという考え方が歓びの体験だ。根本はサービスの「体験」だとして時代に合わせた変化を行いビジネスを情報発信から総合的な体験デザインへとシフトさせている。これらはすべての人々の生活を明るく豊かにしていきたいという考えをベースにされており、事業としての成長はもちろん、世の中のニーズをいち早く察知して動くことが大事だとする会社としての強い意志の表れだろう。また、統合型マーケティングをキーワードに、消費者にとっての心動く体験をあらゆる接点で継続して一貫的に提供することで、消費者の行動を促し消費者から顧客へ・そしてファンへと進化させることを目指している。こうした取り組みによってファンになることで一度受け入れられたモノやサービスが長く愛用され、その良さがSNSなども含めたメディアを通じてさらに広がっていくことが期待されている。近年ではSNSなどのソーシャルメディアの急激な普及などを始めとするデジタルテクノロジーの大きな変化に伴い、広告は商品やサービスの認知度を高めるためだけの媒体ではなく、消費者の購買やマーケティング議題を解決する方法の一つとして変化している。

こうした広告業界を取り巻く事業環境に柔軟に対応していくため「株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ」「株式会社ADKクリエイティブ・ワン」「株式会社ADKエモーションズ」を設立。親会社を含む4つの会社に事業を振り分けることで、持株会社体制へと移行した。これは大手広告業界でも先例が少ない取り組みで大きな注目を集めた。大元であるADKホールディングスの事業内容としては、グループ全体の戦略・運営法人の立案、そして事業会社の管理・監督が挙げられる。より強固なシステムを構築し、専門性を高めプロフェッショナル集団として確立することがADKホールディングスの取り組みの根本にあり、他分野のプロフェッショナルが様々なスキルを持ち寄り、「協働」することで今までにないソリューションを生み出していくことを目指している。

ADKホールディングスの特徴や価値観

国内総合広告会社において、電通・博報堂の存在感は極めて大きい。絶対王者の電通・クリエイティブの博報堂という世間にも広く知られたイメージが浸透しているが、そんな中でのADKホールディングスの特徴について考察していきたい。まず挙げられるのが「スピード感」について。大手クライアントと関係を築き、コミッションベースで多額のマージンを獲得するという伝統的なビジネスモデルに関しては、特に超巨大企業である電通に対しては実際問題太刀打ちすることは難しくなっている。コミッションのパイを奪い取るということは容易ではない。そんな中でADKホールディングスがより重視しているのが、このスピード感だ。同社が公開している事例を参照すると、スピード感を持って対応したという記述が数多く散見される。元からの広告業界のモデルで言うと、短期で結果を出すというよりは長期的な関係構築の方が重要視される傾向にあったが、これに一部逆行する形でポジショニングを明確にしていく方針がうかがえる。これは若手育成においても「成長株育成プロジェクト」と題して「これまで以上のスピードで、これまで以上の成果をだす。新人育成にも改革が必要だ。」というテーマが掲げられていることからも、重要方針としてうかがえる。このスピード感と実際に形にしていく実行力を合わせ持った形で展開していく精度を高めていくことが、業界内での地位向上に繋がっていくことだろう。

ADKホールディングスでは先述の通り、日本の広告会社において初となる取り組みとして事業を親会社である「ADKホールディングス」を含む4つの会社に振り分けを行っている。これによって各分野の専門性を高め、より権威性のある事業を展開していくためだ。傘下の会社にはそれぞれ特色があり、異なる事業を行っている。ADKホールディングスは全体の管理、統括をしていることは先程お伝えしたが、他の会社の事業内容についてはこのようになる。まず始めに「株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ」は議題解決の提案実施を担っており、コミュニケーションを中心としたマーケティングで統合的なソリューションの提供を行っている。一法人として提案に特化した事業を掲げることで、専門性を高める狙いがうかがえるだろう。続いて「株式会社ADKクリエイティブ・ワン」は会社名の通り総合クリエイティブ会社である。クリエイティブ、プロモーション領域の発案から制作までを行っている。「株式会社ADKエモーションズ」はTVアニメを中心としたビジネスや商品販売をメインに行っている。

他の広告会社にはないADKの特徴としてコンテンツビジネスが活発な点が挙げられるが、この分野においては「株式会社ADKエモーションズ」が大きく関わっているといっていいだろう。この部分だけ切り起こして会社化していることからも、コンテンツビジネスをより重要度の高い領域と捉えている姿勢が推測できる。アニメだけでなく漫画やアニメを原作とした舞台、またはコンサート事業にも携わるなどしている。「クレヨンしんちゃん」「ドラえもん」など誰もが知っている名作テレビアニメの企画や登場キャラクターの商品化に深く関わっている。こういった有名作品が今から他社に奪われるということはあまり考えにくい話であるため、的確なポジションを取っていることも強みの一つと言えるだろう。

アニメだけでなく実写特撮番組とも繋がりが強く、有名な所では「仮面ライダーシリーズ」にも事業として関わっている。さらにADKはアニメや特撮番組の企画に関わっているだけでなく、登場キャラクターの版権をもっていることも強みである。総合広告会社の中でここまでコンテンツに携わっている企業はそうそう多くないだろう。

ADKホールディングスの最近の動向

ADKの直近の活動としては、傘下のADKマーケティングソリューションズが2022年8月に日本IBMとともに企業のサステナビリティ活動の推進・浸透を支援する新しいパッケージ「CASES」の提供を始めたと発表した。目先の利益だけではなく長期的な視線で見たときの影響を考えて行動するという思想を組み込みつつ、社会的責任を果たす使命の表れだろう。

このような取り組みの背景には社会的にサステナビリティへの理解が広く浸透し始めていることが挙げられる。しかし、多くの日本企業においては、サステナビリティに対する方針として掲げてはいながらもまだまだ実態が伴っていないケースが多いだろう。日本企業がサステナビリティ活動に対して踏み切れない理由はSX=サステナブルな事業への転換とCX=顧客満足度が異なる方向を向いてしまっていることだ。分かりやすくいうとSX面で魅力を感じたとしてもCXの視点から見ると望む体験になっていないことが異なる方向を向いてしまっている要因である。企業は営利を目的とした集団である以上利益の確保は必須であるが、社会的責任も果たす必要がある。CASESはADKマーケティングソリューションズと日本IBMとの共同事業であるCXコンサルティング・ユニット「alphabox」として展開されている。CASESでは現時点でのCXを顧客満足度とサステナビリティから分析することで解決方法を特定、最終的にはSXとCXのギャップを解消することが大きな目標になっている。旧来からの広告代理店の立場として広告主・媒体提供者・ユーザーを始めとしたステークホルダーを常に見続けてきた企業だからこそ、こうした使い勝手とサステナビリティを両立させる取組みにより注力できているのかもしれない。

一方で、2022年10月の植野伸一代表取締役社長逮捕は、業界に問わず大きなインパクトを与えた。こうした変革を進めていく中で、社会的責任を担保したうえで事業活動をしていくというベースラインを整えていくことも早急に求められていると言えるだろう。

広告関連で言うと、近年は比較的若い年代をターゲットとした分野にも注力している姿勢がうかがえる。例えば、人気YouTuberのフィッシャーズとJA共催がコラボした交通安全の啓発キャンペーンを手がけたり、auフィナンシャルグループオリジナルの金融教育冊子を制作するといった事例が起きている。元々コンテンツビジネスが強みである分、アニメ等にとどまらず若い年代をターゲットとしたノウハウをこういった形でもより活かしていきたいところだろう。

ADKホールディングスでの働き方・キャリア

ADKホールディングスでは常に新しいことに挑戦する姿勢を重視しており、既成概念にとらわれない自由で柔軟な発想を取り入れることで常にステークホルダーを満足させる姿勢を持っている。採用の中では「スタメン採用」という大企業では今までにあまりない採用制度を取り入れている。新卒就活については、社会経験が少ない中でやりたいこと・強みと言った頻出の質問に本心からの解を見い出せていない就活生も少なくない。こうした中で就活生と同じ目線に立って「見つけていく」という姿勢は、クライアントと深い付き合いを持ち奔走していく広告業界に属する企業として親和性が高い取組みとも言えるだろう。働き方に関しても健全で安心できる職場環境が整っていると言える。社員一人ひとりの人権を尊重しつつ年齢や性別、人種や国籍などの差別は一切行わない多様性を尊重している。ポテンシャル採用においては、いわゆる総合職に近い入社後に配属が決まるコースとは別に配属確約型のコースも存在している。広告業界は職種によっても働き方の性格が大きく異なるため、自分がどのような活躍の仕方をしていきたいのか明確な考えを持っている方にとっては良いアプローチになるだろう。実行力を始めとした共通の求められる素養は抑えつつ、各職種で特に求められる人物像については把握しておきたい。

育成面にあたっては、人物の個性・能力を最大限に発揮できるような環境作りを掲げている。全社員を対象に仕事と生活のバランスを安定させることを目標に、生産性向上を意識したメリハリのある働き方を推進しているのも特徴になる。ノー残業デーや一斉有給休暇取得日なども設けている。ワークバランス面に力を入れており、社員が長期的に働くことのできる環境作りを推進しているのだ。育児・介護を両立する社員向けに短時間勤務やリモートワークの導入を積極的に行うなど福利厚生面は非常に充実している。男性の育児休暇取得にも力を入れており、利用制度15%以上を目指しているそうだ。さらにADKで働いている方の中には子供を持つ社員も多くいるが年に一度、夏休みの間に社員の子供たちをオフィスに招いて行われる「ADKこども参観日」も魅力的な福利厚生の一つだ。子供たちに父親、母親である社員の仕事を理解してもらうのと同時に広告作成の体験や他にも数字をデザインして時計にするなどクリエイティブな活動を行うことができる。広告業界の企業らしい取り組みとも言える。社員だけでなく、社員の家族も大事にしてくれるのは将来を見据えたときの大きな安心感となるだろう。

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企業情報

企業名 ADKホールディングス(アサツー ディ・ケイ)
設立日 1956年3月19日
本社住所 東京都港区虎ノ門一丁目23番1号虎ノ門ヒルズ森タワー
オフィス数 国内12拠点、海外35拠点
従業員数 約2500人
資本金 375億8100万円