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企業説明

P&Gの会社概要・活動内容

P&Gは洗剤、紙おむつ、ヘアケア製品、化粧品、小型家電製品など、人々の暮らしと密接につながった製品とサービスを提供する世界最大級の一般消費財メーカーである。70近くの国々で事業活動を行っており、世界で50億人近くがその製品を使用している。同社は、1837年に義理の兄弟であったウィリアム・プロクターとジェームス・ギャンブルが、当初ろうそくと石鹸の製造会社としてアメリカオハイオ州シンシナティ市に設立した。1879年、洗濯用と入浴用に2つの石鹸を家庭で使い分けていたことに着目し、1つで両方がまかなえる石鹸「Ivory Soap」を開発したことで一気に知名度を上げる。純度99.44%という高品質で「お風呂に浮く」ことが話題になり、全米でブームを巻き起こたIvory Soapは、現在も販売が続く同社の伝説のブランドだ。「人々の暮らしを、小さくても意味のあることからより良いものに」「現在、そして次世代の世界の消費者の生活を向上させる」という考えのもと、Ivory Soapを始め、現在までに消費者のニーズに沿った画期的な商品開発を行い、人々の生活に変化をもたらしてきた。

P&Gでは、現在 ベビー・フェミニン・ファミリーケア、ビューティー、ヘルスケア、グルーミング、そしてファブリック&ホームケアという5つの分野のセクタービジネスユニット(SBUs)で事業を展開している。2022年はインフレと同社の値上げの影響で、消費者が支出を減らすために安価な商品を求めたり、大きなサイズを買って一回ごとの出費を減らそうとしたりといった変化が生じていたものの、COVID-19の流行後も安定して売上を伸ばしており、2022年10月19日に発表した2022年7~9月期の決算での売上高は前年同期比1%増の206億1200万ドルであった。

P&Gの特徴や価値観

同社は、消費者のニーズを読み取り、常に画期的な新しい商品を開発してきた歴史を持つ。前出の「Ivory Soap」同様、1946年に発売が開始され、現在も続く洗濯用洗剤ブランド「Tide」は、当時衣類汚れの落ちが悪い固形石鹸が洗濯に使われていたことに注目し、洗濯専用の洗剤を開発するに至った。「The washday miracle(洗濯の日の奇跡)」と呼ばれた「Tide」は現在もマーケットで愛される商品だ。また、オムツ業界のシェアNo1.を走り続けている「Pampers」も、1940年代にスウェーデンで開発されつつも、大手製造業が製造に関心を示さなかった紙おむつのアイディアを、1950年代にP&Gが商品化、大量生産化に成功して1960年代には米国で爆発的に広まった。1970年代には、当時オムツを安全ピンやボタンで留めていたところ、流行していたテープで留めるアイディアをオムツに採用するなど、安全性向上と忙しい母親達のオムツ替え時間短縮に貢献してきた。

また、近年ではコラボレーションや自社にない商品開発を行っている企業の買収も行っている。有名なのは、2005年に買収した男性向けカミソリブランドのGillette社の買収だ。Gilletteは2001年に初めて女性専用カミソリに向けた女性への調査と、今までカミソリでどういった経験をしてきたのかといった聞き取りを行い、隠れたニーズをもくみ取る努力の末、女性向けカミソリ「Venus」を商品化している。P&Gになかった分野という点だけでなく、そういったGillette社の企業文化がP&Gとマッチしたのかもしれない。

P&Gの最近の動向

P&Gは、2021年9月に気候変動に対する企業目標を発表した。その内容は、2040年までに原材料から小売り業者までサプライチェーンを含めた温室効果ガスゼロ・エミッションの達成、及び、2030年の中間目標達成だ。同社では脱炭素化の具体的なプランとして、独自に「Climate Transition Action Plan」を作成して発表するなど、透明性の高い活動を行っている。そこには、2030年までにパッケージに使う新たなプラスチック知用を50%削減することや、2030年までに再生可能エネルギーを100%利用する(既に97%まで達成)など、各目標とその達成方法が記載されている。

その他にも、近年同社ではインクルーシブなCMを採用していることも注目したい。前出の女性専用カミソリブランド「Venus」では、2001年発表当初はムダ毛のない美しい肌をしたモデル体型の女性を起用するCMであった。しかし、2018年に「My Skin. My Way.」というキャンペーンを発表し、2022年現在まで様々な体型や肌の女性をCMに起用してきた。女性が発案し、女性チームよる女性のためのこのキャンペーンでは、2つのことを約束している。1つ目は、Venusの広告は100%女性で構成されたプロダクションチームで作成すること、2つ目は、広告に関わる女性の50%は有色人種で構成されることだ。その理由は、全ての「女性」を正確に表現するためだ。プロダクションダイレクターに女性を起用したことで、今までの「完璧な女性像」ではなく、本当の姿を表現することを実現した。インクルーシブネスをビジネスに前面に押し出したことにより、Venusブランドは大きく躍進した。販売数、売上、マーケットシェア、ブランド・エクイティ、全てにおいて過去3年の会計年度で高い数値を実現した。

P&Gでの働き方・キャリア

P&Gジャパンは、1973年に日本で営業を開始して以来、育児事情を大きく変えた紙おむつ「パンパース」、新しい生活習慣を生んだ「ファブリーズ」をはじめ、衣料用洗剤「アリエール」「ボールド」、柔軟剤「レノア」、台所用洗剤「ジョイ」、ヘアケア ブランド「パンテーン」「h&s」「ヘアレシピ」、スキンケア製品「SK-II」、シェーブケアブランド「ジレット」「ブラウン」など、暮らしを変える革新的な製品を発表してきた。「暮らし感じる、変えていく」という企業メッセージは、消費者が求めているものを心の底から理解し、革新的な技術とアイデアによって、毎日の暮らしをよりよいものに変えていく、という消費者への約束だ。兵庫県神戸市に本社を置き、同社の代表的ブランド「パンパース」のオムツはすべて日本で製造されている。

P&Gでは「平等な機会とインクルーシブな世界の実現(Equality & Inclusion)」を経営戦略に掲げている。ジェンダーに関しては、2022年の最新のデータによると、グローバルで見た社員の41%、そしてマネジメントクラスの50%を女性が占めている。また、グローバルで見た役員クラスの45%をマルチカルチャー(他国籍・文化)が占めている。同社では、米国内のマルチカルチャーも推し進めていて、働く人の40%をマルチカルチャーにする目標を掲げており、各役職におけるアフリカ系、アジア系、ヒスパニック系の占める割合をウェブサイトで公表している。2022年現在、米国内で働くP&G社員の28%がマルチカルチャーである。

また、P&Gには「GABLE」という言葉がある。これはゲイ・アライ・バイセクシュアル・レズビアン・トランスジェンダー・エンプロイーの略で、LGBTQ+(性的マイノリティ)当事者と彼らをサポートするアライ社員の総称だ。アライ社員とは、LGBTQ+当事者であってもなくても、LGBTQ+を理解・支援し、自分たちの活動や必要性について発信していく社員のことを指す。同社はこの活動を通して、『社員に選ばれる会社』としてイノベーションを生み続け、お客様へ新たな価値を届けることを目指している。

さらに、P&Gジャパンでは障がい者を「PWD=People Who are Differently-abled」と考えている。障がい者のためだけではなく、障がいの有無に関わらず組織全体を強化していくという信念のもと、それぞれに異なる多様な社員が、障がいの有無を含めたあらゆる差異を元に、自分らしさを大切にしながら活躍できる組織・職場作りを目指してインクルージョン推進に取り組んでいる。障がい者にとってインクルーシブな職場環境は、異なる個性を持つ一人ひとりの社員にとっても自分らしさを活かしながら最高の結果を達成する一助になるためだ。メンター制度、トレーニング、業務体験等、体系的なサポート制度が整っている。

P&Gジャパンでは、ライフステージを通して柔軟な働き方ができる制度が整っている。ワーク/ライフバランスを大切にするため、全社員コアタイムありのフレックス制度を採用している。その他にも、入社2年目から使えるロケーションフリーデー(在宅勤務)も月に5日間設けられている。この在宅勤務制度はなんと20年以上前の2001年から行われており、形だけでなく同社に根付いた制度だ。さらにP&G独自の「コンバインド・ワーク」という制度も2015年からある。これは、1日の中で会社と自宅の両方で働くことができる制度で、上手く利用すれば、例えば介護や育児でフルに出社できない人も、時短勤務にせずに働き続けることができるという点が最大の魅力である。

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企業情報

企業名 P&G Japan
代表者 スタニスラブ・ベセラ
本社住所 神戸市中央区小野柄通7-1-18 三宮ビル北館