【3分でわかる】講談社 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

企業説明

講談社の会社概要・活動内容

講談社は、1909年(明治42年)に初代社長である野間清治によって「大日本雄辯會」という名前で設立された。講談社はキングレコードや株式会社日刊現代と同じ音羽グループ企業のうちのひとつである。現在の位置づけとして講談社は、日本国内にある総合出版社であり、大手出版社のうちの一つでもある。講談社の属する音羽グループは放送業界の大株主としても有名である。戦前の論調では、私設文科省という異名をつけられたほど、出版業会では大きな力をもつ企業としても知られている。設立当初は弁論雑誌の出版を主に行っていた。約3年後の1911年(明治44年)に、より娯楽性の高い大衆文学雑誌である「講談倶楽部」を創刊し人気を博し、講談社を立ち上げた。その2年後には月刊誌である「少年倶楽部」を創刊。この頃より、かしこまった弁論雑誌だけでなく、少年向けの雑誌を筆頭に、老若男女に向けた雑誌の創刊を行ってきたと考えられる。また。1899年(明治32年)に高等女子校令が交付されたことによって、女性向けの雑誌の創刊が各社で行われた。講談社は、一足先に婦人向け雑誌の「現代、婦人倶楽部」を創刊している。1988年(昭和63年)に休刊されたが、戦前・戦後を通じて「四大婦人雑誌」に数えられた。弁論雑誌からスタートし、少年雑誌・女性向け雑誌で出版社としての地位を築いてきた講談社は、常に時代の最先端をキャッチすることが得意な企業とも考えられる。

講談社のキャッチコピーは、【おもしろくて、ためになる】である。創業当時より、数年間は弁論雑誌に特化していたが、時代とともに移り変わる流行を取り入れた雑誌や文庫本を出版していることから、このキャッチコピーに通じる部分があると推測できる。また常にアンテナを張って、「おもしろくて、ためになる」ことを発信しているということが伺えるだろう。

出版業界の多くは非上場企業のため有価証券非公開となっており推測ベースにはなるが、4年生大学を新卒で就業した場合本給が約26万8千円、時間外勤務手当または裁量労働手当と賞与が年4回あり、昇給の機会も年1回あることを踏まえると、新卒の年収の最低ラインは450万円といったところだろう。平均年収は30代で1000万円、40代で1500万円レベルと言われている。そして採用ページやキャッチコピーから、講談社は常に新しい視点で考えることのできる人材とともに、新しい風を出版業界に吹かせている企業と言えるだろう。

講談社の特徴や価値観

出版業界は、大きく分けると多様なジャンルの雑誌や書籍を扱う、総合出版社と学習参考書や地図など特定の分野に特化した出版社の2つで成り立っている。講談社は先に述べた通り、総合出版社である。日本国内における総合出版社というと、KADOKAWA、集英社、講談社、小学館が大きな柱となっている。今回はこの3社を筆頭に一部、他社の特徴も踏まえ総合出版社内の特徴を指摘していく。講談社の最大の特徴である、「デジタルコンテンツ」「コンテンツ力(りょく)」「オリジナル版権の所持」についての3つのキーワードをベースに比較していきたい。

まず1つめの「デジタルコンテンツ」について。つい数年前までは、書籍や漫画などの出版物は紙媒体で読むのが一般的だったが、近年Kindleなどを筆頭に電子書籍などのデジタルコンテンツが主流になりつつある。実際、公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所が発表した2021年度の紙媒体の売上規模は1兆2080億円で前年度より1.3%の減少。しかしデジタルコンテンツの売上規模は4662億円だが、前年度比18.6%となっている。そして講談社は、このデジタル化にいち早く対応するため「デジタルソフト戦略」を推進している。これこそが、古来からの出版物業界のベースモデルから脱却をはかり、デジタルコンテンツビジネスが伸びてくる業界内に新しい波を作り出していこうとしていると推測できる。2021年の11月の単独決算を発表したが、デジタルコンテンツや海外事業などの収入は前期と比較し27%増加し910億円に増加していることから、出版不況と言われる中で、早くにデジタルコンテンツに力を入れているあたりが、古くからある大手の出版社ということに安心感を持つのではなく、常に業界の動向を注視し時代とともに変化を遂げてきた、講談社ならではの強みと言えるだろう。

2つめの「コンテンツ力(りょく)」について。総合出版社なのでさまざまな出版物があるのは、各社同じだ。しかし講談社は1909年の創業以来、小説、ファッション、児童文学などの多岐にわたるジャンルで、首位を獲得している実績がある。有名なコミック作品をあげると「明日のジョー」「GTO」「進撃の巨人」「天才バカボン」「金田一少年の事件簿」などがある。一度は聞いたことのある作品で、青年や少年層をメインにした作品が多い印象を受けるが、古くから有名な作品ばかりである。他の出版社を見ると、集英社は「SLAMDUNK」「ドラゴンボール」などの少年向けの作品が、小学館は「ポケットモンスター」や「名探偵コナン」、「妖怪ウォッチ」など小学生などの小さい子供向けの作品が多い印象を受ける。講談社の例に挙げたコミック作品はTVドラマ化や映画化されているものも多くあり、その人気ぶりが伺える。このことから、一度出版した作品を、単なる出版物としてだけでなく多方面にコンテンツを拡大していけるコンテンツ力(りょく)こそ講談社の強みだと考えられる。このコンテンツ力(りょく)を自社のホームページでも発揮している。2024年度の講談社の採用ページでは「昭和元禄落語心中」とコラボレーションしたオリジナルの会社紹介を作成もしている。また、電子漫画が読めるアプリ「マガポケ」も年々人気を博している。このように多岐にわたるジャンルを横にも縦にも展開できるコンテンツ力(りょく)があると言える。

3つめの「版権の所持」について。講談社以外の大手出版社も版権を所持しているが、講談社の持つ版権は、ディズニーである。ディズニーといえば世界中に熱狂的なファンがおり、コンテンツ力(りょく)としても非常に強いことが言える。そんなディズニーの版権を持っている講談社は版権について他社よりも強みになっていると考えられる。ディズニーの版権を使用した主な出版物は、公式ガイドラインとして有名な「ディズニーリゾートガイドラインマップ」がある。ディズニーに関していうと版権以外にも、オフィシャルスポンサーとしてディズニーランドの「トゥーンタウン」とディズニーシーの「タートル・トーク」を提供している。タートル・トークの「スクワート」のボキャブラリーの豊富さは、講談社がスポンサーとして参加しているからだと考えることができる。世界的に有名なディズニーを版権に持つ講談社は、今後もさらに世界的に事業を展開していくことのできる企業だと言えるだろう。

講談社の最近の動向

出版業界の動向を探るには、出版科学研究所が毎月25日に刊行する「出版月報」で詳しく探ることができる。また、毎月出版業界に関するデータの特集も同時に掲載されているのも特徴だ。され、そんな出版化学研究所の発表によると、紙媒体の売上は出版業界で1996年をピークに減少している。しかし、そんな出版業界でも売上を増加させる手段として、各出版社が力を入れているのが、コンテンツ事業である。講談社は2011年に電子「mapli」を創刊、2013年に世界180カ国に漫画12作品をクランチロール社よりサイマル配信を開始している。また、2015年には講談社デジタル本棚「godigi」サービスをスタートさせている。そのほか、2017年には「講談社VRラボ」の設立をし、VRアイドルグループHop Step Sing!を設立させるなど、約10年前よりデジタルコンテンツに力を入れていることがわかる。先述した講談社の強みであるコンテンツ力を合わせて活かすことで、デジタル化との掛け合わせを進めていこうという狙いがうかがえる。早い段階でデジタルコンテンツに力を入れることで、衰退していく出版業界から、一歩も二歩も先に進み、売上を確保していく姿勢は今後も続いていくことだろう。そして、10年前から力を入れてきたデジタルコンテンツ以外にも、海外拠点を作っている。2008年にアメリカに設立。2011年に台湾講談社媒体有限公司を設立するなどグローバルに事業展開もしている。グローバル事業に力を入れることで、今や世界共通語と言っても過言ではない「MANGA」「ANIME」など、まだ海外で人気のある漫画媒体での利益も、確実にあげていこうという傾向が理解できる。また最近では2021年にリバプール FC とオフィシャル・グローバル・パートナーシップ契約締結をしたことから、新しいジャンルでの戦略もあることが考えられる。例えば、講談社VRラボとリバプールFCがコラボし、VRで楽しむサッカーゲームマニュアル本の創刊など多方面に可能性がひろがっている企業である。また、近年の傾向として広告媒体の多様化がポイントになっている。紙面広告はビジネスモデルとしては伝統的なものではある。例えば若者女性向け雑誌『ViVi』では、インスタライブでインフルエンサーによる商品紹介のサポートや、Twitterも含めた複数のSNSのプロモーションに寄与する形となった。先述したデジタルコンテンツの一貫と言えるだろう。

講談社での働き方・キャリア

出版業の主要となる職種というと一般的には、編集・校閲・営業に分類される。しかし近年、出版物のデジタル化が進み、講談社ではこのほかにもライツクロス・メディアやビジネス戦略などの職種がある。今後もこういった職種の多様化や専門的なポジションの設定の傾向は続いていくことだろう。

新卒で入社した場合でも、全ての部署に配属される可能性はあるが、営業や編集に配属される割合が高いと推測できる。というのも、営業や編集は出版社の核となる部署だからである。また、編集に関しては、さまざまなジャンルの総合出版社だからこそ、ジャンルが多岐にわたるため、配属される可能性が高いと推測できる。編集はしっかりと原稿の引用元なども確認したり版権などの法律についても確認する必要があるので、多少の法律や版権についての知識があるといいだろう。営業も現在は国内外に向けてのものもあるので、TOEIC700点以上といった語学スキルがあると即戦力として活躍できる可能性があるだろう。

どの業界でも同じことだが、講談社に入社し編集部に配属になったからといって、編集の仕事だけをすればいいとも限らない。編集でも自分のアンテナに「おもしろくて、ためになる」ことがあれば、発言のチャンスや実際に取り組めるチャンスもあるのだ。講談社の場合は特にジョブローテーションの画一性が浅いということが指摘されることからも、個人の素養やパフォーマンスによって多様なキャリアが用意されていることが想定される。

入社後も新人研修を2ヵ月かけて行うほかに、事業関連研修(語学やビジネススキル)、海外研修など自己成長に繋がる研修があるのも、キャリア形成の強みと言える。さらに海外研修については、一定年数勤めた場合、自身の選んだ好きな国に好きな研修内容でいくことができるのも大きなキャリアチャンスだと考えられる。もちろん、海外研修にいくには会社の承認は必須だが、試す価値は大いにある。また、海外に拠点があるので、国内だけでなく、海外で活躍できるチャンスも広がっていると考えるのが妥当である。

このほかにも入社3年目研修などもある。働き方の一つとして、近年の時代の流れに則ってリモートワークの普及にも取り組んでいる。刊行物というのは、自動化で工場ラインのように量産するものではないため、人材力というのが企業のバリューに直結しやすいと言える。「おもしろくて、ためになる」を実現するのは間違いなく自社の社員でしかならない。社風として、時代の変化に柔軟に対応できる人材や、自分の面白いを発信できる、発掘できる人材が好まれる傾向がある。今のうちから自分の趣味や興味のあること以外にも視野を広げておくと、自身の強みとして活かせるだろう。

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企業情報

企業名 講談社