【3分でわかる】トヨタ自動車 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

企業説明

ものづくりを就職活動の軸に据えている学生は、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)を企業研究の対象から外すことはできないでしょう。なぜならトヨタが世界1の自動車メーカーだからです。トヨタを研究することは、日本のものづくり学ぶことにつながるはずです。また、漠然と「大企業に入って世界で働きたい」と考えている就活生も、トヨタは魅力的に映るはず。なぜならトヨタは日本で最も大きいグローバル企業だからです。就活生がトヨタ研究を始めるとき、この会社が巨大である点に注意する必要があります。トヨタは多様で多面的なので、部分部分を1つひとつ確認していき、それらをつなぎ合わせて全体像をつかむとよいでしょう。

なおこの記事の情報は2022年10月31日時点で公表されているものです。

トヨタの会社概要・活動内容

トヨタは自動車メーカーですが、自動車だけの企業ではありません。トヨタは自社のことをモビリティ・カンパニーと呼んでいます。トヨタはモビリティに「可動性」という日本語訳をつけ、これを「移動の量と質を上げ、人、企業、自治体、コミュニティができることを増やすこと」と定義しています。そこで以下では、自動車の部分と自動車以外の部分にわけて解説します。

会社概要

  • 会社名:トヨタ自動車株式会社
  • 代表取締役社長:豊田章男
  • 創立:1937年(昭和12年)
  • 本社:愛知県豊田市トヨタ町1番地
  • 東京本社:東京都文京区後楽1丁目4ー18
  • 資本金:6,354億円
  • 株主上位3社:日本マスタートラスト信託銀行株式会社、株式会社豊田自動織機、株式会社日本カストディ銀行
  • 従業員数:単体70,710人、連結372,817人
  • 上場証券取引所:東京(東証プライム市場)、名古屋、ニューヨーク、ロンドン
  • 連結経営指標(2022年3月期):営業収益31兆3,795億円、営業利益2兆9,957億円、当期利益2兆8,746億円

ここらわかることは、トヨタは愛知県に本社を置く、東証プライム市場に上場している31兆円企業である、ということです。なお、社長の豊田章男氏は創業家出身者ですが、豊田家は同氏を含めて株主トップ10にも入っていないので、トヨタはオーナー企業ではないといえるでしょう。

自動車メーカーとしてのトヨタその1「最も多くつくる」
2022年上期(1~6月)の世界新車販売台数のトップ5は以下のとおり。トヨタ・グループの台数にはダイハツの軽自動車と日野のトラックも含みます。

単位:万台
1位トヨタ・グループ(ダイハツ、日野を含む)513
2位フォルクスワーゲン・グループ(ドイツ)387
3位現代自動車グループ(韓国)338
4位日産系(ルノー・日産・三菱自動車グループ、日仏)313
5位ステランティス(アルファロメオ、シトロエン、フィアット、プジョーなどの欧州勢)293

このようにトヨタは世界で最も多く自動車をつくっている会社です。ただ最近は、長らく年間1位の座をフォルクスワーゲン・グループと競っていて、この2グループが世界2強といえるでしょう。

自動車メーカーとしてのトヨタその2「連合艦隊」
トヨタの自動車製造を担っているのは、次の子会社などです。

国内:トヨタ車体株式会社、トヨタ自動車九州株式会社、トヨタ自動車東日本株式会社、株式会社デンソー、株式会社アイシンなど
海外:トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッキー株式会社、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インディアナ株式会社、タイ国トヨタ自動車株式会社、ブラジル・トヨタ有限会社、広汽トヨタ自動車有限会社など

トヨタがセダン、ミニバン、コンパクトカー、SUV、高級車とありとあらゆる自動車をつくることができ、なおかつ、世界中でリーズナブルな価格で販売できるのは、このようなトヨタ連合艦隊が編成されているからです。また、先ほど紹介したトヨタ・グループの販売台数には、ダイハツ工業株式会社の軽自動車と日野自動車のトラックも含まれています。さらにトヨタと業務資本提携を結んでいる企業にマツダ株式会社(以下、マツダ)、株式会社SUBARU(以下、SUBARU)、いすゞ自動車株式会社(以下、いすゞ)、スズキ株式会社(以下、スズキ)があります。トヨタに関係していない国内自動車メーカーは、本田技研工業株式会社(以下、ホンダ)と日産自動車株式会社(以下、日産)系くらいでしょう。

自動車以外のトヨタ「金融も情報通信も」
自動車以外のトヨタの顔といえば金融事業でしょう。トヨタは自社や子会社、関連会社などの資金需要に応える金融事業を展開しています。「企業にお金を貸す」という点において銀行のような振る舞いをしています。また、自動車購入者の割賦販売(ローンのようなもの)のサポートも行っていて、「個人にお金を貸す」点でも銀行と似ています。トヨタの金融事業は子会社のトヨタファイナンス株式会社が担っています。さらに情報通信事業も行っていて、これは車とインターネットをつなぐコネクテッドや車両ソフトウェアを手掛けています。情報通信事業は、トヨタ全体のなかでは「その他事業」に入るのですが、それでも関係する従業員は約24,000人になります。

トヨタの特徴や価値観

トヨタの同業他社と異なる点は、規模の大きさでしょう。先ほど紹介した2022年上期(1~6月)の世界新車販売台数のうち、主な日本(系)企業だけを抜き出してみます。

単位:万台
トヨタ・グループ(ダイハツ、日野を含む)513
日産系(ルノー・日産・三菱自動車)313503
ホンダ190

日産系とホンダを足しても503万台で、トヨタ・グループの513万台に届きません。「トヨタ連合艦隊」になると、これにマツダ、SUBARU、いすゞ、スズキが加わるので文字とおり圧倒的な存在です。

トヨタの最近の動向

トヨタの最近の企業活動のうち、注目されているものを2つ紹介します。

EVに本格参入
自動車王者であるトヨタですが、EV(電気自動車)の開発ではアメリカ勢や中国勢だけでなく、ヨーロッパ勢にもおくれを取っています。トヨタは巻き返しを図るべく、2021年12月にEVのプロトタイプ(試作車)を16台披露し、さらに2030年までに計30車種を投入すると宣言しました。EV関連投資は今後4兆円に達するといいます。

街もつくってしまう~スマートシティ構想
トヨタは街もつくります。トヨタは静岡県裾野市に東富士工場を持っていましたが、2020年までにこの機能を東北に移設し、同工場を閉鎖しました。同工場跡地の71万平方メートルは東京ドーム15個分。トヨタはここに、ウーブンシティという街をつくろうとしています。ウーブンシティ構想はいわば地方の再開発事業なのですが、さまざまなモビリティ(可動性)を持たせるところが新機軸になっています。その具体的な内容は以下のとおりです。

ウーブンシティ構想の具体策の一例
・水素社会をつくる
・IT化、情報通信ネットワーク化を進化させる
・地下空間を使った効率的な物流システムを構築する
・食を通じた健康事業を展開する

これをトヨタひとりでつくることはできず、この事業にはENEOS株式会社、日本電信電話株式会社(NTT)、日清食品株式会社なども参画しています。この未来都市には、将来的に2,000人が居住します。建設工事はすでに始まっていて、最初の実証実験は2024~25年に行う予定です。この事業を主導するのはウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社で、トヨタは「協業」として参加します。この「協業」の意味は深く、例えばトヨタの社長、豊田章男氏の長男の豊田大輔氏は、ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社(以下、ウーブン・プラネット)のシニア・バイス・プレジデントで、同社の子会社のウーブン・アルファ株式会社の代表取締役に就任しています。また、章男氏自身、個人で50億円をウーブン・プラネットに出資しています。

トヨタでの働き方・キャリア

トヨタ単体の社員の平均年齢は40.4歳で、平均勤続年数は16.4年。平均年間給与(年収)は8,571,245円で、製造業企業では破格のレベルといってよいでしょう。トヨタもしっかり働き方改革を進めています。企業によっては、コロナ禍で進んだリモートワークを徐々に出社に切り替えていますが、トヨタは「後戻りさせない」意向を示しています。ただ、社員どうしが直接顔を合わせないことでコミュニケーション上の問題が発生しているので、状況に応じてリアルオフィスの利用も進めていく方針です。また、残業時間に関係なく毎月45時間分の残業代を支給するなど、待遇のよさは光っています。キャリア形成やスキル獲得は高いレベルで可能です。

理系人材は、自動車、自動運転、先進安全技術、シャシー技術、電池、生産技術、電子制御、コネクテッドなどの開発、製造に携わることができます。文系人材は、国内外営業、調達、生産管理、物流、総務、人事、経理、広報、顧客対応などの仕事を任されます。人材育成プログラムも充実していて、育成フェーズでは担当事技職、指導職、主任職とステップアップして、能力発揮フェーズでは基幹職から幹部職へと昇進・昇格していきます。

もちろん厳しさもあります。昇格するにはTOEICで600点以上獲得する必要があります。また新入社員や一部の中途入社者は工場実習や販売店実習が課せられます。上昇志向がある人も、「鍛えてもらいたい」と思っている人も、トヨタなら確実に成長できることでしょう。

まとめ~やりがいもメガ級

トヨタは日本を代表する世界1の企業であり、それは自他ともに認めるところです。その巨大な事業規模と広大な事業範囲から、トヨタの一挙手一投足は日本経済に影響を与えるほど。トヨタに入社すると「自動車をつくっている」と意識すると同時に、「日本経済を背負っている」と感じるはずです。しかしトヨタで働くことの大変さは、高額な報酬や手厚い福利厚生、やりがいのある仕事、大きくて強い達成感によって報われるでしょう。「ものづくりに関わりたい」「大きな企業に入って世界でビジネスがしたい」と思った就活生は、トヨタを研究しない理由はないのではないでしょうか。

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企業情報

企業名 トヨタ自動車