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SaaSは、Software as a Serviceの略称で、直訳するとサービスとしてのソフトウェアとなるが、クラウドによるコンピューティング・サービスのことを指す。

クラウドが登場する前、ソフトウェアは必ずパソコンなどの端末のなかに入っていた。端末内にソフトウェアがインストールされているので、コンピューティング・サービスを利用することができた。クラウドによって、ソフトウェアが端末に入っていなくても、コンピューティング・サービスを利用できるようになった。ただしソフトウェアがなくなったわけではない。クラウドはいわば、巨大な共用コンピュータで、そのなかにソフトウェアが入っていて、それを「みんな」で使うのがSaaSである。したがって、ソフトウェア企業がソフトウェアをつくって販売するように、SaaS企業もソフトウェアをつくってクラウドで販売している。

利用者にとってのSaaSのメリットは、高額なソフトウェアを買わなくてよくなることだ。高機能のソフトウェアは価格が高く、それを使い切ることができないと無駄になってしまう。SaaSなら、月額使用料を支払うだけで目当てのソフトウェアを使うことができ、しかも使い終わったらSaaS契約を解除すれば、それ以上の支払いが発生しない。しかもSaaS企業が新しいソフトウェアをリリースすれば、利用者はすぐにそれに乗り換えることができる。SaaS企業は、完全にインターネット経由のみでソフトウェアを販売できるので、販売工程を簡素化できる。また、毎月定額の収入が得られるので経営が安定する。売り切りのソフトウェアだと、販売直後の注目が集まっているときは売り上げを伸ばすことができるが、それをすぎると売上高が落ち込んでしまい経営が安定しない。

SaaSのデメリットは、この裏返しとなる。利用者は、SaaSサービスを長期間にわたって利用すると、いつかの時点で売り切りのソフトウェアよりコスト高になる。SaaS企業は、ソフトウェアが完成するまで収入がないうえに、ソフトウェアをリリースできても大きな収入を得られない。

SaaSの利用は広がっていて、マイクロソフトのオフィスもSaaSで提供されるようになった。また、企業内の情報共有ソフトウェアであるグループウェアも、多くはSaaSで提供されている。

SaaSは無料版も多く存在する。グーグルのGメールを筆頭に、ブログやチャット、インターネット会議システム、データ保存などは、料金を支払わず利用することができる。ただし、SaaS企業に個人情報や使用履歴などの情報を提供したり、SaaS企業が提示する広告を閲覧する必要があったりと、無料で利用する対価が発生していないわけではない。