アウトソーシング - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

アウトソーシングとは、外注すること、もしくは、社内業務の外部委託である。自動車メーカーは部品の多くを部品メーカーから調達している。これは部品のアウトソーシングである。派遣社員制度は、人材のアウトソーシングである。企業が税務を税理士事務所に依頼するのもアウトソーシングといえる。

企業がアウトソーシングをするメリットは、コストダウンできることである。高度な製品をつくっているメーカーが、それほど重要でない部品まで内製化してしまうと、高い賃金で雇用している従業員にそれをつくらせることになり人件費を押し上げる。重要でない部品を、安く製造する部品メーカーから調達すれば製造コストを低減できる。

企業がメイン業務以外の仕事を派遣社員に担当させれば、人件費を抑制できる。

また、自社で実行できない高度な業務をアウトソーシングすることも可能だ。企業が経理担当者を置きながら、それでも税理士事務所に税務を依頼するのは税制が複雑で難解なうえに頻繁に変わるからである。最新の税制を正しく理解して税務にあたらないと、節税効果が得られないばかりか、申告漏れなどの事故を起こしかねない。

また、生産性を向上させるには自社のIT化やデジタルトランスフォーメーション(DX)化が欠かせないが、社内にIT人材がいないと適切な業務システムを導入できないだろう。その場合、システム会社に自社のIT化をアウトソーシングすることができる。システム会社はクライアント企業の業務フローを調べ、それにマッチした業務システムを構築する。

ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)は、企業のある業務を丸ごと他社に委託することである。大規模病院では、診療報酬に関わる業務を一括してアウトソーシング企業に委託することがある。診療報酬は病院の主な収入源になるので、診療報酬業務はとても重要な仕事であるが、それすらアウトソーシングすることがある。

アウトソーシングすることのデメリットは、社内にスキルや知見を蓄積できないことだ。メーカーが高度な部品までアウトソーシングしてしまうと、それがブラックボックス化してしまい、自社で改良できなくなる。価格決定権がアウトソーシング企業に移ってしまうと、かえってコスト高になりかねない。

税理士事務所にすべての税務を委託してしまうと、自社の経理担当者の税務スキルは上がらない。

自社のIT化をシステム会社に任せっきりにした結果、既存の汎用的な業務システムを購入してしまうと、社員が業務システムに合わせて業務内容を変えなければならない事態に陥ってしまう。もしくは、社員がその業務システムを使わなくなり、IT化の投資が無駄になる。

人手不足が深刻化するなか、また、コストダウンや生産性の向上が急務となるなか、経営者にとってアウトソーシングは経営と事業を安定させる有効な手段であるが、自社の社員たちのスキルアップにはマイナス効果が働くこともある。