工務店 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

工務店とは、狭い営業エリア内で地域に密着した活動を行っている戸建て住宅などを請け負う建設会社のことを指す。大規模なハウスメーカーと比べて、建築主の好みや条件に合わせた家づくりを得意としている。工務店での住宅建築は、「自由設計」のスタイルが一般的で、伝統的な木造軸組工法など、会社ごとに得意分野があるのも特徴である。地元を拠点とし地域の実情を細かく理解しているため、気候風土や交通事情など周辺の生活環境などに配慮した設計も可能になる。

最近では工務店と名のつく会社は数多くあり、その特徴は小規模だけでは説明できなくなってきている。会社の規模や営業スタイルによって大きく次の3つに分けられる。

【地域密着型の工務店】
拠点を置く地域に密着して、周辺の戸建て住宅などの施工を請け負う。社長のほか数名の社員で成り立つなど会社の規模は小さい。現場の大工が施工から設計までを管理する昔ながらの形態である。

【フランチャイズの加盟店】
本部が開発、指導する工法や規格を使い、各地域の工務店がフランチャイズ加盟店として施工するスタイル。本部が一括で仕入れた建築資材を使うことでコストが抑えられる。

【中堅ビルダー】
近隣の県や市に支店や営業所を設置しており工務店としては施工エリアが広い。地域密着型でありながら、住宅展示場を用意しているなど、営業活動にも注力している。

人口減少にともなう住宅着工数の減少や経営者の高齢化による後継者不足などにより、工務店が生き残るためには新たな対応が求められる。競合相手との価格競争に巻き込まれないためには、自社にしかない価値を生み出す必要がある。工務店では設備や技術による差別化が難しい分、きめ細かいサービスによって強みを活かせるという戦略がある。顧客との接点を一度の建設で終わらせず、継続的にフォローすることによって関係性を築くことなども効果的な戦略。地域密着の工務店は、地域の人のニーズをより深く把握しているため、周辺の環境に配慮した家づくりができるという強みがある。

新築需要は減少したとしても、維持保全やリノベーション需要は増加しており、その担い手は必要。家族形態が変わった際の住み替えプランやバリアフリー化など、一生を通して快適で安心な住まいを提案できれば、長く信頼される工務店となる。

工務店は住宅建設を担っているだけでなく地域のインフラともいえる。地元経済の核となる役割を果たすことが求められる。