コミュニティスクール - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

コミュニティスクールとは「学校運営協議会を設置した学校」のことを指す。学校運営協議会とは保護者や地域住民が参加して学校運営に意見を出す協議会のことだ。学校運営協議会で出された意見は学校の校長・市区町村教育委員会に伝えられる。また、学校運営の意見のみならず、教職員の任用に関する意見も提出される。市区町村教育委員会に伝えられた意見は都道府県教育委員会にも伝えられ、教職の任用などに反映される形だ。

コミュニティスクールのメリットとして「学校と地域が共同で学校運営の課題に対処できる」点が挙げられる。これまで地域住民が学校運営の問題に対してクレーム等を伝える他なかったが、コミュニティスクールを活用することで地域住民が問題解決に直接関わることができる。学校側としても地域住民の意見を直接聞くことができるため、学校の内側からは出にくい様々な視点を問題解決に活かすことが可能だ。またコミュニティスクールによって学校運営の透明度が増す点もメリットといえる。コミュニティスクールで出された地域側の意見に対して、学校側は必ず対応しなければならない。仮に地域側の意見が受け入れない場合は「なぜ受け入れられないのか」理由を明確に説明しなければならない。これまでPTAや保護者から寄せられる質問に対して、学校側が明確な回答を必ず行うとは限らなかった。「意見として参考にさせてもらう」といった回答にとどまるケースも多く、学校運営の不透明さを助長する要因にもなっていた。これに対してコミュニティスクールで出された地域側の意見は学校側に対する拘束力を有する。学校側は地域側の意見を無視することは原則できず、真摯に対応しなければならない。地域住民が学校運営に直接関わる制度として、コミュニティスクールは最適と言えるだろう。

ただしコミュニティスクールによって「地域の権限が強くなりすぎる」可能性がある点には注意しなければならない。コミュニティスクールでは地域住民が学校教員の人事に関わったり、教育委員会に直接意見を伝えられる等、強い権限が与えられている。ただし、この強い権限が地域住民の私利私欲で利用されてしまう可能性も否定できない。地域住民の意見によって、かえって学校運営が混乱してしまうケースも生じてくるかもしれない。

コミュニティスクールを有効に機能させるためには、あくまでも学校側と地域住民側の協力体制が前提になる。コミュニティスクールが相手側を批判するだけの場となってしまっては、学校運営に支障をきたしてしまう。どこまで地域住民の意見に応じていくか、学校側のバランスの取れた対応もコミュニティスクール成功の要となってくるだろう。