ホームスクーリング - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

ホームスクーリングとは学校に通わずに自宅で学習を行う教育方法のことを指す。日本では義務教育として小学校・中学校に通う必要があるため、ホームスクーリングはあくまでも補助的な教育方法となっている。アメリカ・カナダではホームスクーリングが合法となっており、通学して学校に通う代わりにホームスクーリングを実施することが可能だ。これは宗教や家庭ごとの教育方針の違いや学校環境の不安、治安悪化などが背景としてある。ホームスクーリングによって学習を進めて、大学進学に関しては通学するといった選択をする家庭も見られる。

日本で実施されているホームスクーリングは学校へ通うことが難しい子どもを対象に実施されることが多い。そのため、「ホームスクーリングをしている=不登校」というネガティブなレッテルを貼られることが多い。この点はアメリカ・カナダとは大きな違いだ。

ホームスクーリングは基本的に親・保護者が子ども指導する形で行われる。ただし、有料ではあるが、ホームスクーリングのサービスを利用すれば学習内容を講師から指導してもらったり、専門カウンセラーから精神的なケアを受けることもできる。

日本におけるホームスクーリングの基準はあくまでも学校を基準にして決められる。学習指導であれば義務教育範囲の指導を行うのが第一とされている状態だ。「学校へ復帰した後に無理なく授業についていける状態」に重点が置かれているのも、日本のホームスクーリングの特徴といえるだろう。

ホームスクーリングでの学習内容の決定はある程度各家庭に裁量が与えられているが、親・保護者は必ずしも教育の専門家という訳ではない。適切な学習内容を決められるとは限らず、かえって親・保護者の負担が高まる可能性もある。子どもが満足な教育を受けられず、社会的に孤立してしまっては本末転倒だ。

また、地域によってはホームスクーリングに対して理解が進んでいないケースもある。ホームスクーリングがネガティブに捉えられてしまい、不登校の子どもに対して登校を強要する学校も少なくない。

日本ではホームスクーリングの制度がアメリカ・カナダと比べて整備されていない点も問題だろう。「学校に通うのが当然」という考えがこれまで日本で常識とされてきた。ただし、インターネットの普及や社会環境の変化もあり、必ずしも学校へ通って教育を受ける必要はないと考える人も増えてきている。中にはあえて学校に通わないという選択をしている人も出てきている。日本でもホームスクーリングの制度整備を本格的に行っていかねばならない段階になったといえるだろう。