人事コンサルタントとは、企業の経営課題を解決するために人事の改善・提案・実行を行う仕事である。企業の人事課題に対して、解決のためにどのようなアプローチをしたらいいかを考え企業に提案することが求められる。
人事コンサルタントには様々な分野があり、人事制度や組織の課題にアプローチする「人事組織コンサルタント」や企業の採用活動を支援する「採用コンサルタント」、従業員の教育・研修における課題を解決する「人材育成・教育コンサルタント」などがある。人事組織コンサルタントは、組織全体を見据えた人事計画や戦略を立てる役割を行い、採用コンサルタントは採用計画を立て、クライアントが求める人物像を把握し、戦略を立て採用支援を行うのである。人材育成・教育コンサルタントは、どんな人材に育成したいかの打ち合わせを行った後、企業の目的や対象の社員に合った人材育成の為に社員研修の計画及び実行を行う。
キャリアコンサルタントとは、2016年4月から創設された国家資格で、 昨今の働き方改革により注目されるようになり、厚生労働省でも積極的に導入を推進する動きが活発化している。キャリアコンサルタントは、個人のキャリアに関するコンサルティングを行う専門家である。キャリアとは、個人が今までの仕事で培った経験や経歴を指し、コンサルティングは専門的な知識を有する人が相談にのることである。キャリアコンサルタントの役割は、個人の能力や適性、興味、価値観等をもとに、個人に適した職業選択や能力開発の援助、スキル活用法など、キャリア選択の助言を行うことである。
キャリアコンサルタントは、企業の人事・教育関連、大学のキャリアセンター、公的就業支援機関、人材紹介・人材派遣会社など、幅広い分野で必要とされている。また、アドバイスだけではなく、企業の人事業務を代行することもある。教育機関には大学や専門学校、職業訓練校、小中高校などが幅広く含まれ、大学や専門学校の場合はキャリアセンターに所属し、学生の就職活動のカウンセリングや履歴書の添削、模擬面接などを行い就活生のサポートを行っている。職業訓練校の場合には、就職活動のカウンセリングを行うほか、就職活動やキャリアデザインに関する授業などを受け持つこともある。
このように、人事コンサルタントは主に企業の採用及び教育の支援、キャリアコンサルタントは主に就活生や働いている社員個人の支援として活躍している。