待機児童 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

待機児童とは、保育の必要性がある子供のうち、特定教育・保育施設、または特定地域型保育事業の利用を申し込んでいるにも関わらず、利用ができていない状態の子供を指す。厚生労働省が公表しているデータによると、令和2年度4月1日時点での待機児童数は12,439人となっており、前年度比で4,333人の減少となっている。数年前は待機児童数の増加、保育所等の不足が指摘されていたが、近年においては待機児童数は減少傾向だ。保育所等の定員数の増加が、待機児童数減少の背景にある。また、保育士の人数も年々増加しており、保育の担い手が増えている点も待機児童数減少の要因の一つだろう。保育士の年収も高くなっており、今後も保育士として就職したい人は増えてくると予想される。今後も、待機児童数の減少が進む可能性が高いだろう。

待機児童数が減少している要因として、地方自治体の取り組みが挙げられる。下記、地方自治体の取り組みの一例だ。

<東京都足立区>

  • 幼稚園での預かり保育への補助
  • 幼稚園で2歳児を年度当初から受入れ

<東京都三鷹市>

  • 閉園した公立幼稚園施設を改修した公設民営保育所の増設
  • 市内の大学病院において、病児保育施設も合わせた保育施設を整備

<神奈川県横浜市>

  • 民間所有地と保育所整備運営法人のマッチング事業
  • 認可外保育室に対する助成

<大阪府大阪市>

  • 保育園の新設・増改築による整備
  • 賃貸物件を利用した公園の整備
  • 民間保育所の整備については、市有地・未利用施設を活用して、初めの10年間は無償貸与する

<東京都世田谷区>

  • 公共施設の敷地の一部や小中学校の校庭・教室を活用した私立保育園の整備

地方自治体が積極的に待機児童の解消に取り組んだ結果が、待機児童数の減少に繋がっていると考えられる。ただ、待機児童数を把握する上で注意しなければならない点が「統計上に反映されない待機児童」が存在する点だ。厚生労働省の待機児童数の統計調査では、下記の要件に当てはまる場合は待機児童としてはカウントされない。

  • 保護者が職を有していない状態で、求職活動を休止している事実が確認できる場合
  • 幼稚園などで実施されている長時間預り保育運営支援事業で保育されている児童
  • 地方公共団体における単独保育施策で保育されている児童
  • 企業主導型保育事業で保育されている児童
  • 利用可能な保育所等があるにも関わらず、保護者の私的な理由によって待機している場合

上記の要件を考慮すると、実際に保育所に入所できていない児童は統計上の数字よりも多くいると考えられる。