ワーケーション - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

ワーケーションとは仕事を意味する「ワーク」と休暇や遊びを意味する「バケーション」をかけ合わせた造語である。この言葉自体は以前よりあるものであったが、新型コロナウイルスが日本で蔓延した2020年後半より日本国内でも一般的に認知されるようになった。

具体的にワーケーションとは、別荘地やリゾート地など休暇を過ごすような場所で日中は通常の業務を行い、仕事の後はリゾートステイを楽しむと言ったものである。通常であれば業務終了後満員電車に揺られながら帰宅するところを、仕事終了と同時に開放感溢れる場所でリラックスができるため、仕事の効率も上がると考えられ政府も普及活動などに力を入れ始めている。また2020年から世界各国で蔓延した新型コロナウイルスの影響により在宅勤務やテレワークと言った新しい仕事のスタイルが定着してきたため、ワーケーションもその流れに乗って定着が図られている。この流れに合わせて、リゾート施設やホテルなどでは1ヶ月単位の長期宿泊プランの販売や、Wi-Fi環境やデスクを設置して仕事が行えるスペースを確保するなどした新しいスタイルの客室などを用意し、顧客の獲得に努めている。2021年には日本を代表する帝国ホテルがホテル内の一部客室を改装し、長期滞在可能なサービスアパートメントを開始。富裕層を中心に人気を集めた事も日本国内で話題となった。このように政府も推奨しているワーケーションだが、実際に導入している企業はまだまだ少ないのが実態である。理由としては日本独特の仕事スタイルにあると推測できる。まずはじめに挙げられるのが、出社型の仕事が定着している点である。誰か1人が会社以外で仕事をしているとサボっているのではないかなどの疑心が社内で生まれ、チーム内の統率が取れなくなるため導入に消極的になる会社もまだまだ多い。次に挙げられるのは、機密情報などの漏洩問題だ。セキュリティー対策等がしっかりされたパソコン等で業務を行わず、ホテルや観光地のWi-Fiを利用して通信を行った場合情報漏洩が発生する可能性がある。潤沢な資金がある企業であれば対策をしっかりと行っていることもあるが、そういった整備が追いついていない会社も多々あるのが現状である。

このようにいくつかの課題を残すワーケーションであるが、働くスタイルの変化に合わせて今後はより推進していくものと想定できる。サービスを提供する企業もワークスタイルの変化に合わせ様々な施策を行っているため、これから旅行業界への就職を目指すのであれば既成概念にとらわれることのない、新たな発想やアイディアが必要になると考える。