統合型リゾート(IR/Integrated Resort) - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

IRとは、Integrated(統合)とResort(リゾート)の頭文字2つを取った言葉で、日本語では統合型リゾートと呼ばれることもある。IRは、「統合」と名前がついている通り、エリア内にホテル・国際会議場・国際展示場・レストランやショッピングモール・カジノ・遊園地や水族館などが集結したものである。これらすべてが一箇所に集まることで、仕事でIRを訪れる人や観光で訪れる人などすべての人を集客することができ、地域の活性化や観光復興の一躍を担うことが期待されている。

世界で有名なIRといえば、シンガポールにある「マリーナベイサンズ」が思い浮かぶだろう。3本のビルからなるこちらの建物は、ホテル、会議場、カジノ、ショッピング施設、レストランなど様々な施設を有し、シンガポールを代表する観光地にもなっている。

IRはその地域の経済に大きく寄与することから、世界の動きを踏まえ日本でも誘致・設立を推し進めることを目的に2016年に「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(IR推進法)」が成立した。こちらの法整備を踏まえ、大阪市、横浜市(2021年に誘致中止を決定)、北海道、長崎などがIRの誘致先として手を挙げ具体的な計画の策定などを推進しているが、2021年現在では具体的な建設開始等には至っていない。法整備が整った現在において、IR建設が思うように進んでいない理由の1つとして挙げられているのが「カジノ」である。日本国内では基本的にカジノ営業は禁止されているが、IR推進法のもとでは認可される事となっている。こちらのカジノが、ギャンブル依存症を引き起こす、暴力団等の資金源になるのではと誘致先の住民から懸念される大きな障害となり、推進派と反対派で意見が分かれる事態となっている。今後、日本国内でIRが実際に建設開始されるかどうかは現時点では不明確な点も多いが、実際に運営が開始されることになれば、カジノディーラーなど現在日本では馴染みのない新たな職種の誕生や、ホテルの建設による従業員の雇用などが生まれるだろう。

IRは課題も多いが、地域観光の発展や新規雇用の開拓などメリットも大変大きいため、観光産業を目指す就活生は今後の動向にも注視してみるとよいだろう。