PEST分析 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

PEST分析は、自社を取り巻く下記4つの要素から中長期的な戦略を分析するフレームワークだ。

  • 政治=Politics:法律や税制など、政治要因
  • 経済=Economy:物価や為替などの経済要因
  • 社会=Society:人口や宗教、流行などの社会的要因
  • 技術の進化=TechnologyAI導入やデジタル変革などの新技術・開発要因

大きな特徴は、外部環境要因にフォーカスした分析であることだ。自社だけでは解決できない問題を分析することで時代の趨勢を掴み、機会の創出や脅威の対策を行える。

PEST分析で重要な点は、洗い出した項目からプラス・マイナスの要因や発生確率の大小を整理し今後の戦略に活かしていくことだ。例えば「少子高齢化社会による働き手の不足・賃金の増加」という影響を受ける企業であれば、新技術のAIやロボットの活用、働き方の効率化によってリスクに備えることができるだろう。景気が悪くなり消費者の購買意欲が低下するなら、不採算部門の整理をするなど迅速に撤退戦略を打ち出すことも可能になる。このように、単なる情報収集や整理で終わることなく「機会・課題に対する仮説や具体的な行動戦略」までセットで思考することで真価を発揮するフレームワークだ。

PEST分析は現在と未来を比較しつつ将来を予測することに優れ、就職活動においても大いに活用できるだろう。特に就職先の企業研究では業界の動向や企業の将来性、それを取り巻く社会情勢を大きな視野で捉えることに力を発揮する。3C分析など、競合との立ち位置を把握できるフレームワークと併用することで現在と未来予測に基づいた企業研究ができ、志望先の正確かつ効率的な選定に有用である。

さらに、PESTを使った企業研究は面接対策にも効果がある。ほとんどの企業において、志望動機や入社後のあるべき姿は面接時の質問として採用されている。面接で重要なのは、通り一辺倒の回答や単なる希望を述べることではない。面接官はあなたが何を考え・どう分析し・なぜその結論に至ったのかという過程を極めて重要視しているからだ。

  • 分析:PESTを利用し、外的要因から俯瞰で見た企業・業界の立ち位置
  • 予測:分析結果から起こりうる機会やリスクを想定
  • 結果:予測・分析に基づいた志望動機・やりたいこと

その点、上記のような思考で出した結論は一貫性やシナリオがあるため、面接官の感動を得られる志望動機になるだろう。

様々な状況下で効果的な戦略を導けるPEST分析は、是非とも入社前に基礎を理解しておきたいフレームワークだ。