STP分析 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

STP分析とは、マーケティング戦略の立案で活用されるフレームワークだ。以下3つの要素から、「誰に」「何を」「どのように」販売するかを分析し戦略に役立てる。

  • Segmentation(セグメンテーション):顧客や市場を分ける
  • Targeting(ターゲティング):狙いを定める
  • Positioning(ポジショニング):他社との違いを明確にする

同じ種類の商品でも「商品の価値・質」「企業のブランディング」などによって販売単価やターゲットは異なる。例えば同じアルコール飲料でも、100円台から購入可能な発泡酒と1本数十万円の高級ワインではSTPも変わってくるだろう。

STPのS「セグメンテーション」は、似たようなニーズを持つ顧客を分けて考え、市場を細分化することである。商品やサービスの販売・展開では「利用・購入して欲しいユーザー像を明確にする」ことが重要だ。1本数十万円の高級ワインであれば、未成年は購入対象から外れるため「年齢」でセグメンテーションを行う。さらに、販売価格からある程度経済的に余裕を持つ層がユーザー像になるため「収入」「資産」でもセグメンテーションを行う可能性が高いだろう。このように、セグメンテーションをすることで自社が取り扱う商品やサービスを必要としているユーザー像が見えてくる。

STPのT「ターゲティング」では、市場の中から狙うべきターゲットを絞り込む。ターゲティングの手法は一般的に3種類だ。

  • 無差別型:セグメントをした市場間を無視し、同一商品を全ての市場で提供する
  • 差別型:セグメントをした複数の市場に対し、ニーズにあった商品やサービスを提供する
  • 集中型:1つ、あるいは限られた市場に集中してマーケティングを行う

セグメントとターゲティングの違いは、セグメントは市場を「分ける」ことに対してターゲティングは「絞る」ことである。先ほどの高級ワインで言えば、「年齢」と「収入」においてセグメントをした市場からどの層にターゲットを絞るか?という点を決めていく。ターゲティングは商品性や自社の戦略によって様々な観点があるが、限られた富裕層や年齢、あるいは性別に絞って販売をする場合は集中型のターゲティングになるだろう。また、1本数十万円の高級ワインとは言え広い市場に高級ワインの良さを伝え、「1本」ではなく「1杯」など細かく販売することで単価を下げる戦略を取るなら「差別型ターゲティング」と言えるだろう。このように、自社の製品特徴や戦略をふまえて具体的なユーザーや市場をターゲティングすることが重要だ。

STPのP「ポジショニング」では競合と比較した自社・自商品の立ち位置を決定する。価格や品質、販売チャネルなど競合との優位性やマイナスポイントを比較することが重要だ。優れた商品力や正確なターゲティングがあっても、既に競合他社が先行している場合は競合以上の優位性を市場に示さなければならない。ポジショニングでは3C分析や4Pを併用することでより精度の高い競合比較が行えるだろう。

STP分析はマーケティングの基礎である。企業の顧客志向が高まり、担当者レベルでのマーケティングが重要な現代ビジネスではあらゆる業種で必須スキルと言えるだろう。