ファイブフォース分析 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

ファイブフォース分析とは、マーケティングや事業戦略で効果を発揮するフレームワークだ。

  • 買い手の交渉力
  • 供給者の交渉力
  • 代替品の脅威
  • 新規参入の脅威
  • 競合の他社状況

上記5つの関係性から業界を捉え、自社を取り巻く状況や自社の競争力を分析し、事業環境の予測や変化が自社にどのように影響するかを整理していく。整理した予測や自社へのプラス・マイナスの影響を基に、将来の事業戦略を策定したり事業領域のシフトについて検討することが可能だ。

上記の分析は、モバイル通信業界におけるファイブフォース分析の一例である。
モバイル通信業界ではMVNO事業者の増加や楽天モバイルのMNO事業参入、大手事業者の低価格化が進み競争は激化の一途をたどっている。この結果、スマホユーザーである買い手の交渉力が高まりサービス提供事業者は更なる高品質・低価格のサービスを提供しなければならない。この分析の1つの結論として、通信業界全体の参入障壁が下がったことでモバイル通信事業だけではなく親和性領域での事業加速が必要不可欠である。スマホ決済やサブスクリプション事業がその最たる例と言えるだろう。事実、通信キャリア大手のドコモやau、ソフトバンクはモバイル通信事業を中心に「クレジットカード・スマホ決済などの金融サービス」「光通信などの固定回線」「動画・音楽配信などのサブスクリプション」など様々なサービスをパッケージ化し顧客の囲い込みを行なっている。この動きは、競争が激化する中で他社との差別化を図り、流出を阻止しつつ顧客単価を向上させる事業戦略が見て取れる。

ファイブフォース分析で重要な点は、分析した結果から将来予測を立てることだ。未来予測を踏まえて仮説検証を行い、今後の事業戦略へと発展させれば大きな効果が得られるだろう。

また、就活における企業研究にも非常に有用である。業界全体の動向から一つの企業を分析し、予測ができるため企業の将来性や市場の成長性、入社後にどのような分野で活躍できるかといったイメージができる。

ファイブフォース分析を活用するためには情報収集能力と業界動向を俯瞰する視野が求められるが、入社前に考え方の基礎をマスターしておくと良いだろう。