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COPとは、Conference of the Partiesの略語で、締約国会議という意味。COPは環境分野で多用されるが、それに限った言葉ではない。国際条約のなかで加盟国が最高決定機関をつくるとき、その名称をCOPとする。

環境分野でのCOPは複数あるが、代表的なのは、「気候変動に関する国際連合枠組条約(United Nations Framework Convention on Climate Change、FCCC、以下、気候変動枠組条約)」のCOPであり、以下このCOP(COP-FCCC)について詳述する。

気候変動枠組条約は1992年に採択され、1994年に発効した。その最初のCOP(締約国会議)は1995年、ドイツ・ベルリンで開催され、COP1と呼ばれている。

気候変動枠組条約の前文には「この条約の締約国は、地球の気候の変動およびその悪影響が人類の共通の関心事であることを確認し、人間活動が大気中の温室効果ガスの濃度を著しく増加させてきていること、その増加が自然の温室効果を増大させていること並びにこのことが、地表および地球の大気を全体として追加的に温暖化することとなり、自然の生態系および人類に悪影響を及ぼすおそれがあることを憂慮する」とあり、そのうえで「現在および将来の世代のために気候系を保護することを決意する」と結んでいる。

COP1では温室効果ガスの排出削減策などが協議されたが、結論として、同条約では問題の解決に不十分であった。そのため、2年かけて議定書交渉を行うことを決めて閉幕した。
COP2は1996年にスイス・ジュネーブで開かれ、議定書に法的拘束力を持たせることが定められた。
COP3は1997年に京都で開かれ、日本が議長を務めた。このとき採択された京都議定書の主な内容は次のとおりだ。

<京都議定書の主な内容>

  • 先進国の温室効果ガス排出量について、法的拘束力のある数値目標を各国毎に設定する。
  • 途上国に対しては、数値目標などの新たな義務は導入しない
  • 国際的に協調して、目標を達成するための仕組みを導入する。具体的には、排出量取引、クリーン開発メカニズム、共同実施など。
  • 数値目標
    • 対象ガス:二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC、PFC、SF6
    • 吸収源:森林等の吸収源による温室効果ガス吸収量を算入
    • 基準年:1990年 (HFC、PFC、SF6 は、1995年としてもよい)
    • 目標期間:2008年から2012年
    • 目標:日本6%削減、米国7%削減、EU8%削減など。先進国全体で少なくとも5%削減を目指す。

2022年現在、最新のCOPは同年11月6日~11月20日にエジプト・シャルム・エル・シェイクで開催されたCOP27である。