CSR - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

CSRは、Corporate Social Responsibilityの略語で、企業の社会的責任と訳される。

企業にはさまざまな責任が課せられている。株主に対しては利益を還元する責任があり、労働者に対しては労働の対価を支払う責任があり、取引先に対しては商品やサービスを安定的に提供する責任がある。これらはビジネスをするうえでの責任であるが、CSRでは、企業には社会に対する責任も課されていると考える。経済産業省はCSRを「企業が社会や環境と共存し、持続可能な成長を図るため、その活動の影響について責任をとる企業行動であり、企業を取り巻くさまざまなステークホルダーからの信頼を得るための企業のあり方」と定義している。

存続し続けることは、企業の重要な目的の1つである。存続しないと商品やサービスを長期的に提供できないほか、労働者を雇用できないからである。また、ますます競争が激しくなる市場において企業が存続するには、持続可能な成長が必要不可欠である。ところが、企業が存続と成長だけにとらわれていると様々な軋轢を生むことがある。企業の経済活動はときに公害を生んだり、自然を破壊したり、労働者を苦しめたりしてきた。現代社会において、そのような軋轢を生むことは許容されない。

企業活動などの基準をつくる国際標準化機構(ISO)は、ISO26000でCSRについて定めており、1)企業統治、2)人権、3)労働敢行、4)環境、5)公正な事業敢行、6)消費者課題、7)コミュニティへの参画の7項目を中核主題にしている。企業は、この7項目で主体的な役割を果たすことが期待されている。

ISO26000ではさらに、企業の社会的な責任には、1)説明責任、2)透明性の確保、3)倫理的な行動、4)ステークホルダーの利害の尊重、5)法の支配の尊重、6)国際行動規範の尊重、7)人権の尊重の7種類があるとも明記している。

CSRは企業に具体的な行動を求めている。

例えばパナソニックは、CSR活動を企業市民活動と呼び、貧困の解消に向けた取り組みを行っている。この取り組みの3本柱は人材育成、機会創出、相互理解である。人材育成では学びを支援し、機会創出では無電化地域に電気を届け、相互理解では社会課題講演会を開催している。

トヨタ自動車はCSR方針として「社会・地球の持続可能な発展への貢献」を掲げている。同社は、顧客に対しては革新的かつ安全で卓越した高品質の製品とサービスを提供し、従業員に対しては個々人の成長を支援し、取引先に対しては公正かつ自由な取引を行い、株主に対しては長期安定的な成長を通じて企業価値の向上を目指し、環境に対しては環境と経済を両立させる技術の開発に取り組み、社会に対しては政府や取引先による贈収賄を許さず誠実かつ公正な関係を持つことで、社会貢献に積極的に推進していくと述べている。