循環型社会 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

循環型社会は、循環型社会形成推進基本法第2条において、次のようなことを実施する社会であると定義されている。

  • 製品が廃棄物になることが抑制される
  • 製品が適正に循環的に利用されることが促進される
  • 製品が循環的に利用されない場合は適正に処分される
  • 天然資源の消費を抑制する
  • 環境への負荷ができる限り低減される

経済活動の重要な営みの1つに、製品の製造がある。製品は人々の暮らしを豊かにするが、故障や陳腐化によって廃棄されてしまう。製品のほとんどはそのままでは自然に還らず、なかには有害物質が含まれている製品もあるため、単純に廃棄すると環境問題を引き起こす。廃棄されるはずだったものを再利用すれば、廃棄される量が減り、経済的なプラス効果をもたらす。廃棄されるはずだったものを再利用するので、製品が循環していることになる。このことにより、使用済みの製品のことを循環資源と呼ぶことがある。

循環型社会では、使用済み製品を廃棄物にするのではなく、循環資源にしていく。ただ、使用済み製品のなかには循環資源にしにくかったり、循環資源にすることができないものもあるため、適正に処分することも求められる。

循環型社会という概念は、持続可能な社会という概念に含まれる。持続可能な社会にはその他に、低炭素社会と自然共生社会がある。

日本では、循環型社会を形成するための法体系が充実している。先ほど紹介した循環型社会形成推進基本法の他にも、環境基本法、廃棄物処理法、資源有効利用促進法、家電リサイクル法、食品リサイクル法、建設リサイクル法、自動車リサイクル法、容器包装リサイクル法などがある。この法体系からも、循環型社会がビジネスに深く関与していることがわかる。少なくとも廃棄物処理業界、資源業界、家電業界、食品業界、建設業界、自動車業界、容器包装業界は、法律によって強く循環型社会の実現が求められているわけである。

ビジネスシーンでは循環型社会事業が活況を呈している。調味料や化粧品や飲料などを再利用できる容器に入れて販売し、実際に容器を回収している会社がある。使い捨てのペットボトルや使い捨ての瓶を使わないため、廃棄物が減る。また、プラスチックストローを全廃すると宣言したコーヒーショップ・チェーンもある。紙製のストローを使えば、紙はリサイクルが可能で自然に還るため、循環型社会に貢献できる。企業にとって循環型社会への取り組みは、コストを押し上げるため損失になるが、企業イメージが向上すれば利益になる。そして人々の意識が向上すれば、循環型社会に貢献しているかどうかで企業や製品やサービスが選別されるようになるだろう。つまり企業にとって循環型社会戦略は、成長戦略にもなりうるのである。