【3分でわかる】経済産業省(経産省) - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

経済産業省の概要・活動内容

「流れを変える、流れを創る」
これは経済産業省のリクルート資料に記載されたキャッチフレーズだ。経済産業省は「国富の拡大」をミッションとする中央省庁で、日本の産業力により、世界と日本の課題に立ち向かい、それを解決することで、経済的な豊かさと経済力を獲得し、国を豊かにし、未来の日本を創り出すという使命がある。

DX、GX、脱炭素など、世界は今、多くの巨大な社会課題を抱え、その解決に向けたイノベーションを起こそうとしている。そこには、新たな市場が生み出される可能性が広がっており、日本の企業がデファクトスタンダードを獲得し、その新市場のシェアを高められれば、社会課題の解決と経済成長を一挙に進めることも夢ではない、といえる。

そのためには、直面する社会課題をつぶさに分析し、課題が解決された後の社会を思い描きながら、課題解決に資する研究開発の目標や戦略を官と民が共有し、国はその実現のためにあらゆる政策、予算を総動員する必要があり、一方、企業では研究開発を集中的に進めることが求められている。

こうした官民一体となった取組ができなければ、社会課題の解決の過程から創造される新市場を席巻すること、日本の未来が豊かになることは困難だ。経済産業省はその旗振り役を行う中央省庁であり、故に「流れを変え、流れを創る」をスローガンに、産業界とともに挑戦を続けている。

規模

職員は約8000人、年間予算は約9000億円。設置は2001年で、それ以前は通商産業省と称されていました。組織は大臣を頂点に、大臣官房と6つの局、3つの庁、8つの経済産業局などから構成されています。
6つの局は、経済産業政策局、通商政策局、貿易経済協力局、産業技術環境局、製造産業局、商務情報政策局。3つの庁は、資源エネルギー庁、中小企業庁、特許庁。所管する特殊法人には、日本貿易保険、商工中金(商工組合中央金庫)などが、独立行政法人には、産業技術総合研究所、日本貿易振興機構(JETRO)、中小企業基盤整備機構、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、日本原子力研究開発機構(JAEA)などがあります。

沿革

1945年 通商産業省が発足、
2001年 経済産業省に名称変更

業務範囲

所管業務は大きく分けて、「通商・貿易」「資源・エネルギー」「産業イノベーション」の3分野です。

通商・貿易分野

資源が限られた日本は、貿易や投資により富を蓄え、豊かにすることが必要で、事業者が製品やインフラを日本国外に輸出し、海外に展開しやすいよう、海外の国々との経済連携協定締結や貿易保険等により支援しています。
また、海外から日本への投資を促すため、外国企業誘致を行い、世界と日本の経済的な共存・共栄関係を構築・強化しています。

資源・エネルギー分野

安全で持続可能な資源やエネルギーを、安定かつ効率的に確保するため、産業・生活の基盤となる資源やエネルギーの生産調達から消費までの仕組みを構築し強化しています。エネルギー基本計画や資源経済ビジョンの策定や、電力・ガス市場の設計・運営、再生可能エネルギーや省エネルギーの推進、水素社会の実現、原子力・核燃料サイクル政策、資源外交、循環経済社会の推進などを行っています。

産業イノベーション分野

世界と日本の課題解決に貢献する産業・イノベーションを創出し振興するため、国としての目標の設定、規制やルールの策定と見直し、研究開発プロジェクトなどを政策として企画・実行しています。
産業横断的な政策(グリーン成長戦略、デジタル政策、人材政策、産学連携、地域政策・福島復興、中小・スタートアップ政策など)から、個別の産業政策(ヘルスケア・バイオ、自動車・航空機、半導体・電池、コンテンツなど)まで、その業務は多岐に渡ります。

具体的な業務

では、具体的にはどのような業務が行われているのか。経済産業省の業務は広範なため、ここでは「製造産業局自動車課」を例に、その業務の一端を事例として紹介します。
「技術の進化が産業構造を変える」
AI、IoT、ロボット、バイオ、それを支える部品、鉄・アルミの製造など、世界ではあらゆる分野で、秒単位で技術が進化しており、大きな進展は「イノベーション」と呼ばれます。時には産業構造自体を根本から変化させ、経済や雇用にも莫大な影響も。こうした急速な技術的変化に対し、日本の企業はどのように対応すれば良いのか…道筋を示すようなコンダクター役として経産省が機能しています。
「2050年カーボンニュートラル」を菅首相が宣言したのと時を同じく、世界的にクリーンの波が一気に押し寄せ、EUと中国を中心にガソリン車廃止の流れが生じ、EVが急速に拡大し始めました。日本の自動車メーカーはハイブリッド車で世界を席巻しています。しかし、このクリーンな流れは、自動車メーカーだけでなく、数多くある部品メーカー、ガソリンスタンド、自動車整備工場など、多くの企業を震撼させることとなります。多くの課題が一気に噴出する中、特に重要な点は、コア技術は何か、どの技術が重要なのかです。政策を捻りだすには、それを見極めることが必要です。有識者との意見交換や自動車業界と連携した技術的な課題検証、場合によっては現場に足を運び製造工程を自分の目で確認、コアとなる技術を突き止めるといった作業は欠かせません。時々刻々と変わる技術を見極め、迅速に政策に落とし込み、日本企業がグローバルな競争を勝ち抜くためにあらゆる手を尽くす、これが経済産業省の業務でありミッションと言えるでしょう。

直近の企業活動で取り上げるべき顕著な傾向

日本の産業経済分野における直近の特筆すべき企業活動といえば、「脱炭素」「DX」「GX」への対応と言えます。これは誰も否定しないキーワードでしょう。特に日本の起業の99.7パーセントを占めると言われる中小企業における対応が重要となっています。
なぜなら、大企業は脱炭素、DX、GXの対応がすべて社内の人間で対応できる可能性が高く、そのための投資も厭わない一方、中小企業の従業員に脱炭素やDXの専門家が在籍していることは考えにくいからです。外部のリソースを活用し、アドバイスなどを受けながらことを進めることを想定しても、これには費用が発生します。専門家にはコンサルタントフィーを支払い、DXのベースとなるデータ収集のために製造ラインには無数のセンサーを取り付ける…これもタダでは設置できないため、経済産業政策の必要性が存在するのです。
一例として、今や脱炭素化、いわゆるカーボンニュートラルへの対応は、世界規模で急ピッチに進められており、中小企業であっても取引先大手企業からの要請があるほか、金融機関の資金貸付時の審査要件に脱炭素化への取組が加味されていることもあり、もはや中小企業の脱炭素化への取組は、選択余地のない経営課題となりつつあります。
そのため経済産業省では、CO2排出量の見える化を促進し、カーボンニュートラルに向けた設備投資等を支援し、脱炭素ビジネスを創出しようと政策を練り上げています。
外部要因が色々とあり、嫌々脱炭素化に取り組むとしても、結果、省エネによりコストが低減され、取引先からの評価が上がり、金融機関から有利な資金提供を得られるのであれば、中小企業経営者にとっては悪い話ではありません。そう思えるような政策を展開するのが経済産業省の役割と言っても過言ではありません。
冒頭、「流れを変える、流れを創る」というキャッチフレーズを紹介しました。日本の企業が、社会経済の大きな流れに円滑に対応でき、その流れの中から新しい流れを創り、新しい市場を見出す…。経済産業省の仕事は、目前のとある事業の課題から、国や社会というマクロな視点まで行き来しながら業務を遂行していることがわかりました。
目の前の行政手続きというようなミクロから、社会構造全体というマクロを行き来して思考を回すという難しさ、面白さを感じられることが、経済産業省の醍醐味と言えます。

この先の閲覧には大学メールアドレスの認証が必要です

大学メールアドレスを認証する

企業情報

企業名 経済産業省(経産省)