就活を始める前に知っておきたかった「ステップごとのポイント」 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

「何から準備を始めたらいいのかわからない」「どのタイミングで就活を始めるべきか知りたい」就活を目前にして、このような疑問を抱えている学生もいるのではないでしょうか。

企業分析や自己分析・インターン・エントリーシートなど、就活にはさまざまな準備が必要なため、始まってから準備をしても手遅れになる可能性があります。早めに就活の流れを抑え、何をすべきか把握しておくと、余裕をもって就活に挑めるでしょう。

就活の準備や流れを、ポイントとともに解説していきます。

就活スケジュールを知る

就活スケジュールを知る

まず就活を始めるにあたって、大まかな流れを理解することが重要です。一般的に、就活準備期間は大学3年生の6月頃から始まります。就活の全体の流れは、以下のとおりです。

  1. 企業へプレエントリーする
  2. 説明会やインターンに参加する
  3. 企業へ本エントリーする
  4. エントリーシート(ES)を提出する
  5. 筆記試験を受ける
  6. 面接を受ける
  7. 内々定をもらう
  8. 内定をもらう

具体的に、これら8つの項目で何をするのか理解しておきましょう。

(1)企業へプレエントリーする

プレエントリーとは「仮応募」を指し、学生が企業に興味があることを示す役割があります。企業ページやリクナビ、マイナビなどのサイトからプレエントリーすると、説明会や選考の連絡が届きます。あくまで意思表示なので、本エントリーが決まっていない、何も準備ができていない段階でも応募可能です。企業への理解度を高め、自分とマッチしているか見極めるためにも、ひとまずプレエントリーしておくとよいでしょう。

(2)説明会やインターンに参加する

さらに企業への理解を深めるためには、説明会やインターンへの参加が重要です。説明会では、会社の理念やビジョン、ミッションのほか、ホームページには載っていないような詳細な内容まで把握できます。

企業によっては、説明後に疑問点を直接聞けたり、実際に働いている社員と交流できたりするので、企業分析・自己分析に役立ちます。

インターンシップとは、学生が実際に興味のある企業で働く制度です。就業体験をとおして、職種への理解や現場の雰囲気、他企業との違いを肌で感じられます。

「ジョブ」と呼ばれるインターンは外資系企業で多くみられる、面接後に実施される選考のひとつです。ジョブでは、就活生が実務に近い課題を与えられ、限られた日数でその課題に取り組みます。日系企業のインターンは通常3日程度で終わる一方、外資系企業は1週間程度と、長期間で行われることがほとんどです。

説明会やインターンへの参加は、面接時のアピールポイントになります。また、企業によっては選考に進むうえで必須となる場合があり、各企業のスタンスを理解することも重要です。

(3)企業へ本エントリーする

①のプレエントリーと見分けるために「本エントリー」と記載しますが、本エントリーとエントリーは同義です。プレエントリーは選考に直接影響しない一方、エントリーは選考を受けるための申し込みであり、応募者数が多いと人数をふるいにかける場合もあります。

そのため、エントリーをしていないと、選考に進めないケースもあります。プレエントリーがない企業は、本エントリーから選考がスタートするため、事前に志望企業の選考スケジュールを調べておきましょう。

(4)エントリーシート(ES)を提出する

エントリーの際に提出するエントリーシート(ES)には、志望動機や自己PRなどを記載します。エントリーシートは、企業側がどのような学生なのか知るための重要な書類であり、今後の選考に大きく影響します。企業から指定されたフォーマットにしたがって記載し、限られたスペースのなかで伝えたいポイントをわかりやすく書くことが大切です。

むやみにエントリーすると、エントリーシートの作成に時間を費やしてしまうため、ほかの準備が疎かになることが考えられます。この時期に焦らなくてもいいように、①〜③の準備を早い段階で終わらせておくといいでしょう。

(5)筆記試験を受ける

選考のひとつに、筆記試験を設ける企業もあります。企業によって出題形式は異なりますが、GMAT・TG-WEB・IMAGES・CAB・GAB・SPI・内田クレペリンの7つが主な試験です。適正と性格の判断や③④と同様に志望者の人数調整を主な目的とし、スキルや知識を問う問題から性格テストまで幅広い内容が含まれます。

就活という多忙期に、筆記試験対策だけに時間を費やしてしまい、ほかの企業の選考が疎かになったという声もよく聞きます。全業界を志望しない限り、目安として10時間未満の対策で高得点を狙えるでしょう。ほかの選考フェーズとのバランスをみて、筆記試験の準備をしましょう。

(6)面接を受ける

面接は志望者がどのような人か知る目的があり、自己PRや志望動機、学生時代に力を入れたことなどを問われます。一般的に複数回の面接が行われ、集団面接、個人面接など、形式はさまざまです。

面接では、質問される内容ばかり意識が向きがちですが、就活生から面接官に質問する場合もあります。逆質問は、企業への本気度や相性を見極めるチャンスでもあります。その場で質問を考えるのが苦手な人は、質問内容を事前に用意しておきましょう。

(7)内々定をもらう

内々定とは、企業から簡略的に内定を約束されることです。書面を交わすケースは少なく、ほとんどの場合はメールや口頭で伝えられます。内々定の段階では正式な内定と異なり、労働契約は成立しません。そのため、企業も学生も内々定を取り消せます。

しかし、特別な理由がない限り、企業側から取り消される場合はほとんどなく、内定の確約ととらえても問題ないでしょう。内々定をもらってからも、ほかの企業の選考を継続する選択肢もあります。

(8)内定をもらう

内定が出ると、書面を交わして正式な契約を締結します。内定者が内定承諾書を提出し、企業が受け取った時点で、入社決定といえるでしょう。近年の内定解禁日は10月1日以降であり、内定式で正式に内定が通知されます。

早めの準備に取りかかる

早めの準備に取りかかる

企業側が内定の前に内々定を出すのは、優秀な学生を確保しておくためです。企業は内定解禁日である10月1日よりも早い段階で、早期内定を出します。しかし、契約が成立していないので辞退することも懸念されます。それでも、早期内定を出す理由は以下のとおりです。

  • 早めに就活に取りかかっている学生は先を見据えた行動ができ、優秀な人材が多いため
  • 万が一、内定を辞退された場合を考え、追加枠で採用する時間を確保したい

前者の理由をみると、早く行動した学生の方が内定に近いことがわかります。また、早い段階で就活を始めることで、インターンなどの経験も積めます。経験をたくさん積み、企業と関わる時間を増やすことで、学生と企業がお互いに理解を深められるのです。

就活成功者のスケジュール

実際に、就活に成功した学生と苦戦する学生のスケジュールを比べると、就活の開始時期に違いがあることがわかります。

トップ層と呼ばれる東大・京大・一橋・東工・早慶などの大学のなかでも優秀な学生は、早い人で大学3年生の6月頃から7月の間に、外資選考(投資銀行・コンサル)の夏採用、内定に進んでいます。日系企業であれば7月頃に夏インターン、1月頃の冬インターンを経由し、内定直前まで選考が進みます。遅くても翌年の6月には内定を約束されている状態です。

一方、平均的なGMARCHの就活スケジュールは、大学3年生の1月頃から動き出す人が多い傾向にあります。すでにトップ層の大学と半年以上の差が開き、外資企業での経験を積んだ学生たちとの差に苦しむこともあるでしょう。

焦りを感じてから、1月頃に日系企業の冬季インターンに参加し、内定直前まで選考が進む傾向が多くみられます。インターンの経験があれば、全落ちは免れるでしょう。3月に説明会に参加、エントリーシート・筆記試験を通過し、6月に内定という短スパンで就活を進める学生が多い印象です。

最後に、就活で苦戦する学生のスケジュールを紹介します。多くの学生が、マイナビやリクナビなどの就活サイトがオープンする、大学3年生の3月以降に動き出します。しかし、すでに本選考を行っている企業も多く、エントリーできる企業は限られるでしょう。エントリーシートや面接の準備が十分にできないまま選考が進み、少し遅れて8月頃の内定となる人が目立ちます。

就活のポイントは「自己分析」

早めに準備を始めることで、就活において重要視されている「自己分析」に時間を多く費やせます。就活はただ選考を受けるだけではなく、十分自己分析を行ったうえで、自分に合う企業を見つけなければいけません。こういった工程は、エントリーシートの作成や面接にも大きく影響します。

質問の意図を考える

面接時に聞かれる質問は、就活生の性格や強み、それらが仕事にどう活かせるかの判断につながります。つまり、自己分析により企業や職種との相性に気づき、選考もスムーズに進むのです。

以下、選考時によく聞かれる質問です。

  • 志望する理由
  • 学生時代に力を入れたこと
  • そこで学び、身につけたか
  • 挫折経験
  • どのように乗り越えたか

ここで大事なのは、なぜこれらの質問を聞かれるのか、面接官の意図を汲み取ることです。例えば志望動機は、志願者がその会社にどういった価値を見出しているのか、どのように貢献できるのかを意図しています。また、挫折経験は、会社でのストレスを乗り越えられるか、そのストレスとどう向き合っていけるのかを判断します。

自分の強みを知る

自分の強みを知る

次に、企業に売り込む自分の強みを考えていきましょう。多くの企業が「ビッグ・ファイブ」と呼ばれる心理テストを利用し、人材の適正化を図ります。ビッグ・ファイブでは対象者を以下の5つに分類し、特性を導き出します。

  • Openness(開放性)
  • Conscientiousness(誠実性)
  • Extraversion(外向性)
  • Agreeableness(協調性)
  • Neuroticism(神経症的傾向)

しかし、これら5つすべてが高得点である必要はありません。「チームで働くことが多く、協調性を重要視している」「常に新しい視点を求めているので、開放性のある人材がほしい」など、企業によって求める強みは異なります。自分の強みを分析することで、会社の求める人材に一致しているか見極めましょう。

まとめ

就活を始めるにあたって、まずは就活の大まかな流れを知ることが大事です。どのような選考ステップを踏んで内定にたどり着くのか、それぞれのステップで行われることは何かを知りましょう。

選考を進めていくうえで欠かせないのは、自己分析・企業分析です。自分の性格や、強み、自己分析で発見した適正が、企業の求める人材と一致しているのか。それらを見極めることで、就活での選考がスムーズに進みます。逆にこの工程を怠ってしまうと、的外れな企業ばかりに時間を費やしてしまい非効率です。

早い段階で行動することで、余裕をもって対策できます。自己分析は自宅でも簡単に取り組めるので、すぐにでも始めましょう。

著者

トイアンナ

2012年、慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループのマーケターを経て、独立。
数千人の就活生から相談に乗った経験を活かして書籍『確実内定』を出版し、発行部数2万部以上のヒットとなる。
複数の就活媒体で監修・執筆を歴任。

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