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ガクチカに研究室活動は使える?例文付きで解説!理系就活生は必見

「ガクチカ」とは、学生時代に力を入れたことの略語です。理系文系を問わず、ES(エントリーシート)や面接で頻繁に尋ねられる質問のひとつです。具体的には、ゼミやサークル、アルバイト、ボランティア活動でのエピソード・学びについて触れることになるでしょう。

この記事では、ガクチカにおける理系就活生の強みやメリット、研究活動をガクチカに選ぶ際に注意したいポイントなどを、具体例を含めて解説します。

ガクチカの質問の意図

ガクチカ質問の意図

就活で定番の質問であるガクチカの意図は、応募者が企業の求める人材かどうかを見極める点にあります。

企業側がガクチカを尋ねることで知りたいのは、応募者が困難に直面したときに、どのようにその課題を乗り越え、解決したのかという「プロセス」です。いくら学業やスポーツで優秀な結果をおさめていても、そこに至るまでの過程を通じて応募者の人柄や努力が伺えなければ、面接官の心をとらえることは難しいでしょう。

応募者は入社後、学生時代には経験したことがなかったような案件やプロジェクトに取り組むことになります。多くの場合、一人で黙々と取り組むのではなく、チームで協力しながら業務を進めなければなりません。

また、そのプロセスを通じてほかのメンバーの意見に耳を傾け、的確に自分の考えを伝えること、リーダーシップの発揮、複数タスクのマネジメントなどが求められます。

企業側はガクチカを通じて、応募者のモチベーションや問題解決能力、コミュニケーション能力などを見極めたいと思っているのです。

ガクチカでの理系学生の強み・メリット

ガクチカでの理系学生の目強み・メリット

ガクチカは理系文系を問わず尋ねられますが、理系学生ならではの強みやメリットがあります。ひとつずつ説明します。

文系学生と差別化が図れる

ひとつ目の強みは、文系学生と差別化を図れる点です。

理系学生が経験していて、文系学生に経験がないもののひとつは研究活動です。テーマにもよりますが、研究活動には企業側が知りたい要素が詰まっています。研究活動は、入社後の企業活動と類似している点がたくさんあります。

例えば、研究活動はトライアンドエラーの繰り返しです。エラーが発生したら、それを分析し、改善を図ります。そのプロセスはPDCAサイクルであり、入社後の業務に直結する能力といえるでしょう。

文系学生にも同様の機会(フィールドワークやボランティア活動など)がないわけではありませんが、研究活動ほど応募者の企画力や実行力、粘り強さを如実に浮き上がらせる事例はなかなか見つからないでしょう。

面接官の興味を惹きやすい

理系学生がガクチカで研究活動を取り上げると、面接官の興味も惹くことができます。

なぜなら、理系学生の研究テーマは面接官にとっては未知の世界であることがほとんどで、知的好奇心を刺激する可能性が高いからです。面接を担当する側に立って考えると、サークルやアルバイトでのエピソードが多いなか、研究活動を取り上げるだけで新鮮味があり、アドバンテージになります。

研究活動を話すうえで、注意点があります。それは自分の研究に対する思い入れに任せてヒートアップして話してしまい、専門用語を頻発してしまうことです。研究活動について語るときは、相手の立場に立って素人でもわかるような言葉を使い、わかりやすく伝えるようにしましょう。

エントリーシートで研究活動について触れる場合も同様です。自分と異なる研究分野の人でも、わかりやすい説明を心がけましょう。文系の人がその説明を見ても、内容を飲み込めるくらいにすることが理想です。

志望動機とつなげやすい

志望動機とガクチカを結び付けて、説得力をもたせることができます。

面接やESでは基本的に志望動機を尋ねられるため「研究室では●●について研究していたため、御社の●●の分野に魅力を感じた」のように述べることで、理系学生のアドバンテージを最大限発揮できるでしょう。

研究活動をガクチカに選ぶ際のポイント・注意点

研究活動をガクチカに選ぶ際のポイント・注意点

理系ならではのアドバンテージ、研究活動をガクチカに選ぶ際のポイントを3つ解説します。

成果なしでも大丈夫!過程を重視する

研究活動をガクチカに選ぶ場合、大事なのは成果ではなく過程です。企業が面接やESを通して知りたいのは、就活生が研究活動においてどのように「主体的、積極的に動いたのか」という点です。

理系学生の場合、学会発表できたことを成果にする傾向にあります。しかしその発表内容を成果として語っても、専門外の面接官にはわかりづらいことが多く、心に刺さらない可能性もあります。

学会発表という成果よりも、学会発表に選ばれるためにどのような努力を重ねたのか、どのような課題にぶつかり、それをどう乗り越えたのかが重要です。また「200人中10名しか選ばれない学会発表に選ばれた」など、具体的な数字を入れて相手がイメージできるように伝えましょう。

周りの人と関わりがあるエピソードを選ぶ

注意したい2番目のポイントは、周りの人と関わりがあるエピソードを選ぶことです。上述のように、企業側はESや面接を通じて、応募者が自社の求める人材に合っているかどうかを見極めたいと思っています。

理系学生に限ったことではありませんが、ほぼすべての業務で重視されるのはコミュニケーションスキルや協調性です。そのため、企業は応募者が研究活動でほかのメンバーとどのように協力し、チームワークやリーダーシップを発揮したのかを知りたいと考えています。それが伺えるような、具体的なエピソードを選ぶようにしましょう。

エピソードに具体性を出すためには、よく言われることですが「5W1H(Who、When、Where、What、Why、How)」を意識すると情報が整理されます。「誰と、何を、どのように頑張ったのか」を相手目線で伝えるようにします。

他のエピソードも追加で聞かれる場合がある

理系学生の場合、研究活動をガクチカで使える強みはありますが、ほかのエピソードも追加で聞かれる場合があるため、準備しておきましょう。

例えば、アルバイトやサークル、資格取得など、学業以外のパターンも用意しておくことをおすすめします。望ましいのは、チームワークで、自ら動き、数字となる成果を出した経験です。

「どのようなパターンでも使えるガクチカの作り方」は次項で解説しますので、参考にしてください。

ガクチカの基本的な構成・書き方

ガクチカの基本的な構成・書き方

ここでは、ガクチカをESや面接で取り上げる場合の基本的な構成・書き方を紹介します。研究活動に限らず、アルバイトやサークル、ボランティア活動をベースにする場合にも使えますので、参考にしてください。

①結論
②動機・エピソード
③目標・課題
④取り組み・結果
⑤人柄
⑥学んだこと

以下、各項目について具体的に説明します。

結論

最初に結論から書き始めるのは、読み手が端的に全体像を理解できるようにするためです。また、相手が「読みたい」と感じるように、好奇心を刺激するインパクトのある一文から始めるのも良いでしょう。ほかの学生と差別化を図るためには、誰もがやっているようなことではなく、ユニークなテーマを選ぶのもひとつです。

動機・エピソード

次に、動機付けになったエピソードを書きましょう。5W1Hの「Why」であり、企業側は応募者がどのようなことに熱意を感じ、モチベーションをかき立てられるのかを知りたいと考えます。

動機について、感じてもいないことを取り繕って書く必要はありませんが、前もって深掘りしておくことをおすすめします。つまり、表面的な理由ではなく、その根底に「どのような価値観があるのか」を考えておくのです。

例えば「六大学野球優勝を目指して努力した」ことをテーマに選ぶとしましょう。「自分が野球部のキャプテンだったから」というだけでなく「野球部のキャプテンとしてチームで一体感を感じたかった」「チームでひとつの目標を掲げ、そこに向かって努力することが報われることを経験したかった」と書くと価値観に根差した動機を伝えられ、面接官の共感を生みやすくなります。

ただ、価値観に根差した動機を書く際、相手に良く思われようと意識し過ぎると「人助けをしたいと思ったから」「みんなの笑顔が見たかったから」などと、曖昧で面接官の共感を生みづらくなることもあります。取り繕わず、身の丈に合った自分の言葉で語るのが大事です。

目標・課題

目標・課題について触れる部分で、面接官は応募者の「伸びしろ」を見ようとしています。つまり「高い目標設定ができる向上心のある人材かどうか」「入社後も伸び続けるポテンシャルをもった人材かどうか」を見極めようとしているのです。

自分にはそのような目標を立てた経験がない、という人もいるでしょう。その場合も、自分が目標を立てた理由を深掘りすることは有効です。

例えば「野球部のレギュラーになることを目指した」目標を選ぶとしましょう。その目標をそのまま取り上げるのではなく、深掘りすることで「チームの一員として、野球部が六大学野球で優勝することに貢献したい」という目標に置き換えられます。

取り組み・結果

立てた目標やぶつかった課題に対してどのように取り組み、どのような結果が生まれたのかを尋ねることで、面接官は応募者の「問題解決能力」を判断します。

ESや面接の際、応募者の多くは基本的な心理作用として「自分の良いところをみせたい」「成功体験を話したい」という気持ちになるでしょう。そのため「どのような失敗をしたのか」「失敗に対しどのように向き合ったのか」を話すことで差別化を図る方法もあります。その場合は失敗要因の分析や、反省点に重きを置くと良いでしょう。

人柄

上述した「目標・課題」「取り組み・結果」に関する具体的なエピソードを通じて、面接官は応募者の人柄を理解したいと思っています。応募者としては、自己アピールにもつなげられる部分です。

人柄を述べたり、書いたりするときは、長所だけでなく短所も同時に書くとよいでしょう。また、人柄が形成された背景や家庭環境なども分析しておくと、説得力のある筋の通った説明ができるでしょう。

学んだこと

取り組みからの学びの部分で、面接者は応募者の「分析能力」を知りたいと思っています。

一口に「学んだこと」といっても、さまざまなレベルが考えられます。単なる「感想」や「きづき」に過ぎない場合もあり、それではESや面接では不十分です。面接官の心に刺さるためにはそれを深掘りし、個人として、あるいは組織としての「方法論」まで落とし込む必要があります。

研究活動のガクチカの例

研究活動のガクチカの例

以上の構成を前提に、研究活動のガクチカの例文を紹介します。参考にしてください。

①結論

わたしは学会発表を目標に、研究室での活動に注力しました。

②動機・エピソード

自分の研究活動について発信することで、新規の治療開発に少しでも貢献したいと思ったからです。

③目標・課題

薬剤師試験の資格取得や、ボランティア活動も同時に進めており、限られた時間のなかで成果を出すため、次の2点を心がけました。

④取り組み・結果

ひとつ目は、長期的視野に立ったマネジメントです。それにより現在の進捗状況をより的確に把握でき、すきま時間も活用しながら効果的に計画を進められました。

ふたつ目は、主体的に行動することです。国内外問わず50以上の論文を読み込み、得た知見を教員に提案・議論し、実験の妥当性を検証しながら立案できました。

⑤人柄

結果的に広い視野をもち、多方面でアプローチする視点を身につけられたと感じています。

⑥学んだこと

この成果は目標を見据え、課題を明確にし、それに向かって具体的かつ継続的にアプローチすることで得られたと考えます。

まとめ

理系学生の就活における大きな強みのひとつは、ガクチカで研究活動を取り上げられることです。大切なのは企業側が面接やESを通じて、応募者の「何を知りたい」と思っているのか見極めることです。

自分の動機や、研究活動を通じて培った人柄や得た学びを深掘りしておくことで、具体的かつ相手の心を動かせるガクチカを伝えられるでしょう。

著者

トイアンナ

2012年、慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループのマーケターを経て、独立。
数千人の就活生から相談に乗った経験を活かして書籍『確実内定』を出版し、発行部数2万部以上のヒットとなる。
複数の就活媒体で監修・執筆を歴任。

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