戦略系コンサルティング業界を研究する【内定までの業界研究#01】 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

この記事では、コンサルティング業界の中でも戦略系コンサルについて解説します

戦略コンサルのビジネスモデル

そもそも、コンサルティング会社はどのようにしてお金を稼いでいるのでしょうか。

コンサルティング会社は、基本的には「相談」や「問題解決」それ自体を商品とするビジネスを展開しています。

クライアント企業や組織に対する、何らかの「提案」や「有益な情報」の提供といったその成果が目には見えにくいサービスから、実際にクライアントと共に動き業務を改革する「実行支援」や営業利益や販売売上などの「成果物」を基準としたサポートも含まれており、その対価によって会社は報酬を得ています。

コンサルティング会社のビジネスモデルは一概にこれと決めることは難しく、それぞれのプロジェクトによって「どこで」「どのように」お金を稼いでいるかといった性質はバラエティーに富んでいると考えてよいでしょう。

コンサルティング会社側からの視点では、基本的にはクライアントが求めるものに対し「どのようなコンサルタント」が「何人」で「何時間」かけて取り組んだかということを基に採算性を算定しています。

つまりコンサルティング会社の商品は「コンサルタント」そのものであって、そのコンサルタントが提供する成果の内容で優劣がつく構造になっています。

利益を生み出す構造

コンサル オフィス

コンサルティング会社は、どのような商品・サービスを提供して利益を生み出しているのでしょうか。
またクライアントは、いったいどのような価値を求めて仕事を依頼するのでしょうか。

もちろん個々のクライアントやプロジェクトによって事情は違いますが、コンサルティング会社がクライアントから期待されている価値をひとことで表すなら、「クライアント企業だけでは処理・解決のできない課題をクリアできること」となるでしょう。

これは、クライアント企業側に人的リソースが足りていないこと、専門性やノウハウが不足していること、課題に取り組むだけの時間がないこと、社外の視点を取り入れる必要性があることなど、さまざまな理由に起因しています。

もちろん、どのような会社でも内部にコンサルティング機能を有しているのは確かです。
その内部機能だけでは解決が困難な課題に対して、プロフェッショナルな視点からサポートすることは大きな価値をもつ場合があるのです。

主要企業

戦略コンサルティング会社の主要企業を「BIG3」と呼び、これは「マッキンゼー・アンド・カンパニー」「ボストン コンサルティング グループ」「ベイン・アンド・カンパニー」を指すのが一般的です。

ここでは、この3社の情報を比較しつつ、それぞれの会社の特徴を理解しましょう。

3社の会社概要、メインの商品、企業理念

マッキンゼー BCG ベイン 比較表

マッキンゼー・アンド・カンパニー

マッキンゼー・アンド・カンパニー(以下「マッキンゼー」)は、世界トップレベルの戦略コンサルティングファームです。

世界65カ国に130を超えるオフィスを構え、世界トップの社員数を誇り、業界内で強い存在感を放っています。現在3万人以上のコンサルタントが所属し、日本のトップ30社の80%を支援しています。

マッキンゼーのパーパスは「世界に持続的な良い変化をもたらすこと」です。
ミッションは「顧客企業が強い競争力を備え、それが業績向上という目に見える成果を生み出し、さらには継続的な成長を具現化できるように貢献する」こと、さらに「マッキンゼー自体が優秀な人材を惹きつけその人材の持つ才能を最大限に引き出しながら、彼らを夢中にさせる組織であり続ける」ことを掲げています。

ボストン コンサルティング グループ

ボストン コンサルティング グループ(以下「BCG」)は、日本に深く根ざしコンサル業界をけん引する経営戦略コンサルティングファームです。

世界50カ国以上にオフィスを構え、2.5万人ほどの従業員を抱えています。
1963年にボストンで創設されたのち、1966年には世界第2の拠点として東京オフィスが開設されました。
現在国内では東京・名古屋・京都・大阪にオフィスを構え、日本経済への貢献度は高いといえるでしょう。

BCGはパーパスを「世界を前進させる人々の可能性を解き放つ」ことと定義しています。

ベイン・アンド・カンパニー

ベイン・アンド・カンパニー(以下「ベイン」)は、徹底的な成果主義で知られている戦略コンサルティングファームです。その「真に進むべき道を追求し、提言する姿勢」のことをベインでは「True North」といいます。

世界38カ国に61のオフィスを構えており、東京オフィスは1982年に開設されました。

「コンサルタントがクライアントにお届けするのは単なるレポートではなく、”結果”である。」という原則のもと、結果を出すことに非常に重きを置いているといえるでしょう。

主要企業3社の規模比較

戦略コンサルティングファームの多くは、パートナーシップ制を採用していて非上場です。
そのため、業績は公開されておらず、売上高・営業利益・純利益などの正しい情報は入手することはできません。しかし、おおよその規模感は公開されている情報から掴むことができます。

ここでは、グローバル分野と国内分野で分けて考えます。

グローバル分野では、マッキンゼーを「10」とすると、BCGが「8」、ベインが「5」といった規模感となります。

日本分野では、BCGを「10」とすると、マッキンゼーが「8」、ベインが「5〜6」といった規模感です。

日本国内においてはBCGが存在感を発揮していることが伺えます。これはBCGがいち早く日本に進出し、日本に対して高い順応性をもって事業を拡大してきたことと関係がありそうです。

主要企業3社からみる業界の特徴

戦略コンサルティングファームでは、クライアント先の戦略立案や新規事業の立ち上げなど、クライアント企業の上層における意思決定に近い領域でのサポートがメインとなります。
この点において、クライアント企業の進むべき道を模索して最適解を導出するのが仕事であると言えます。

そのため、長いスパンでクライアント企業のあるべき姿を考えた上で、それ以降の進むべき道を経営陣と共に見出すことに重点を置いており、短期的な成果には拘らず中長期的に成果を出す方策を打ち出すことが重要です。

その上、策定した戦略を業務要件やビジネスモデルに落とし込むところまでをクライアントが希望するようになっているため、戦略コンサルであっても実行支援を含めた幅広い支援も行っています

しかし同じ実行支援であっても、総合コンサル(M&Aや人事戦略の提案からIT等のシステム導入といった実行支援を手がけている)とは少し違う側面から企業と関わります。

また、戦略コンサルではクライアント企業の上層部と接触するため、経営コンサルなどと比較して少数精鋭でプロジェクトを進めることが多いです。

ですから、一般的なコンサルタントに求められる資質に加えて、企業の上層部と対峙できるだけのコミュニケーション能力や高度なマネジメント能力が求められるといえます。

戦略コンサル業界の最近の動向

新型コロナウイルスやSDGsなど、社会の変化によってここ数年で業界は大きく変化しています

まず、新型コロナウイルスの影響です。
世界中で生活様式が一変し、緊急事態宣言などで人流・物流が著しく制限されたことにより、特定の業界で需要減少・経営危機に瀕する事態となりました。
このようなコロナ禍で苦境を強いられる企業に対して、コンサルティングファームによる経営再建のサポートの必要性が増しています

また、SDGsが広く認知されるようになりました。
企業が長期的に生き残るために、ビジネスで社会課題を解決するというスタンスが必要になり、社会課題を起点とした事業アイデアの検討や戦略策定の支援などをコンサルティングファームが担うようになっています

これに加えて、近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)も浸透してきています。
企業にとって、目まぐるしく変化する環境に合わせて、データとデジタル技術を駆使しながら、長期的な視点でビジネスモデルや業務形態を変革する必要性が高まっています。

このような社会の流れが重なり、ますます戦略コンサルは社会に求められるようになっているのです。

戦略コンサルの給与水準

コンサルティングファームで働く人は、おおむね4つの階層に分けられます。

プロジェクトの責任者である「パートナー」、現場でリーダーとして仕事を進めるのが「マネージャー」、そのもとで責任を分担するのが「コンサルタント」、その補助となるのが「アナリスト」です。

それぞれのポジションによって給与水準は違っており、責任が重い順に給与も高くなります。

マッキンゼーの平均年収はおよそ1,600万円~2,000万円で、初任給はボーナス含めて700万円弱です。
BCGの平均年収はおよそ1,400万円~1,800万円ベインの平均年収は1,500万円~1,900万円です。
入社してから時間がたつほどポジションも上がり、それにつれて年収も上がるようになります。

しかし3社ともに平均年齢は30歳程と日本企業と比べるとかなり若く、40歳、50歳まで生き残り続けるのはほんの一握りであると言えるでしょう。
収入が高い分、それだけ責任とプレッシャーが大きくなるというのも事実です。

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