
就活とは企業に「求められる」ことであり、自分にあった会社に「選ばれる」ために、自己分析は不可欠です。自己分析とは自分の特性や、どういった仕事に向いているのか理解することを指します。しかし、自分のことほどわからないのが人間です。
- 自己分析ってどうすれば良い?
- 自己分析はいつから始める?
- 自己分析から内定に結びつけるには?
本記事では、そういった疑問に答えます。
- 就職活動に自己分析が必須なのはなぜ?
- 自己分析で自分の「軸」を見つける
- やりたいこと、できることを明確にする
- 効果的な自己PRができる
- 自己分析のための簡単な5つのステップ
- テーマを決める
- 自分史を振り返る
- 掘り下げる
- 周囲の人に聞く
- 自己分析はいつから始める?
- 早ければ早いほど良い
- 就活を進めながら修正していけばOK
- 効果的な自己分析で最終面接に臨もう
- エピソードは平凡で良いので複数準備する
- ビッグファイブにあてはめて考える
- 自己分析をしないとどうなる?
- 志望する職種、企業からの内定が得られない
- 早期離職の可能性が高くなる
- まとめ
就職活動に自己分析が必須なのはなぜ?
一度就職して定年まで務めるとすれば、約30年〜40年もの間その会社で働くことになります。できれば自分に向いていて、楽しいと感じる仕事が良いと思っても「自分にどの仕事が向いているのか、何ができるのかわからない」という人がほとんどでしょう。
そこで必要なのが「自己分析」です。ただしやってはいけないのが「独学で自己分析する」こと。就活は「正解のあるゲーム」です。正しい方法で行えば、希望する企業から内定を得るのはそれほど難しくありません。
一方、間違ったやり方で自己分析してしまうと、内定はおろかESで選考落ちになるでしょう。そうならないために、自己分析の「正しい方法」を知る必要があります。
自己分析で自分の「軸」を見つける
自己分析をする理由は、自分の軸を見つけるためです。自分の軸とは、「自分はどんなことが好きで、どんなことをやりたくないのか」という価値観のことです。しかし、好きなことややりたいことが自分に向いている仕事とは限りません。
やりたいこと、できることを明確にする
自己分析は自分の価値観をはっきりさせる過程です。
- 好きなことと嫌いなこと
- 大事にしてきた価値観
- 強み・弱み
- 大きな決断をするとき、なにを基準に選ぶか
こういったことはすべて「どの会社で」「何をするのか」を決める要素になります。自己分析でわかったことは今後就活を進めるうえでの軸となるので、できるだけ細かく分析しておくことが必要です。
効果的な自己PRができる
自分の強みや苦手なことがわかれば、仕事の適性がわかります。企業も能力を十分に活かして働いてくれることを願っています。入念な自己分析をもとに自己PRできれば、比較的早く内定をもらえるでしょう。
何十社という会社にESを送っても、面接にすらたどりつかないという学生も多く、そうなると次第に疲弊していきます。「周りの人はどんどん内定をもらっているのに、自分はなかなか決まらない」そう嘆きながら妥協の末に、特性に合わない会社に入社することも考えられます。
自分の能力や適正に見合わない仕事を、これから先約40年続けるのは、精神的に厳しいでしょう。自己分析を入念に行い、効果的に自己PRできるようにしておきましょう。
自己分析のための簡単な5つのステップ

自己分析は5つのステップに沿って進めます。また、5つのステップの前段階としておすすめしたいのが【ビッグファイブ プラス】という性格診断ツールです。
★【ビックファイブ プラス】 5つの性格診断プラスα 質問表
ビッグファイブでは「協調性」「外向性」「好奇心の強さ(開放性)」「情緒安定性(神経性傾向)」「勤勉性」という5つの要素を評価し、その人にどのような特性があるか判断します。
ビッグファイブは企業の筆記試験でも用いられています。企業によっては「外向性が高い人が良い。特に勤勉性は求めない」「協調性がもっとも大事。外向性は不要」といった求める人物像が異なるため、すべての評価項目で高得点を取る必要はありません。
自分にどの特性が一番強く出るのかわかれば、次の5つのステップに進みましょう。
テーマを決める
ビッグファイブでどの特性が強いかわかれば、それがあなたの「強み」です。診断結果で出た特性をもとに、自己PRを練り上げます。「強み」とは自分が苦労しなくても普通にできることなので、その延長線上にある職業につけば、ストレスなく長く続けられるでしょう。
自分史を振り返る
自分のもっとも強い特性を、端的に表すエピソードを思い出してみてください。例えば「勤勉性」が高い、という判定が出たと仮定します。
「途中であきらめない粘り強さ」や「辛抱強さ」「責任感」という特性を表すエピソードがあるはずです。「小学校時代」「中学校時代」「高校時代」「大学時代」のそれぞれを思い出してみてください。
例:
- 小学校では6年間英語塾に通った
- 中学時代はバレーボール部で日々練習に励んだ
- 高校時代はマネージャーとして仲間をサポートした
- 大学時代はアルバイトを掛け持ちして月15万円稼いだ
掘り下げる
次はそれぞれの経験に対して「なぜ」を掘り下げてみましょう。「なぜ」は5回ほど繰り返すと良いでしょう。「なぜ」を繰り返すことで、自分の強みや特性をはっきりと言語化できます。ここで大切なのは、あなたの特性と関係のある強みを明確にすることです。それはあなたの「価値観」だからです。
周囲の人に聞く
今度は、周りの人に自分のことを聞いてみましょう。できればあなたに毒舌をふるってくれる人がいればなお良いです。例えば、親や親友などが挙げられます。その人たちにビッグファイブの評価基準を見せて、それぞれの項目で自分を5段階で評価するならどのくらいになるか聞いてみてください。
もし、自分で受けたビッグファイブのテスト結果と周囲の評価にギャップがあれば、周囲の人の言葉を優先してください。面接官はあなたのことを知りません。あなたが自分をどうとらえていようが、面接官は周りの人があなたを見ているように判断するからです。
もし「自己ギャップ」の項目で大きなスコアが表示されたり、周囲の人の評価と自分が出した診断結果の間に、大きな差があったりする場合は要注意です。もしかするとあなたは等身大の自分からかけ離れた、自己認識を抱いているかもしれません。
その場合、内定は得たとしても、その後「得意と思っていた業務だったけど、実はすごく苦手だった」ということになりかねません。実際に就職して働き始めてから、違和感や仕事に対する苦痛、モチベーションの低さと闘うことになります。それでは、せっかく就職したのに早期退職する原因になります。
そうならないために、できるだけ早くキャリアカウンセリングやコーチングなど専門家に相談し、自己ギャップを小さくしていきましょう。
自己分析はいつから始める?
「自己分析ってなに?」という質問の次によく聞かれるのが「いつから始めれば良いのか」というものです。答えは「早ければ早いほど良い」です。自分を知るにはそれなりに時間がかかるからです。
早ければ早いほど良い
自己分析をなるべく早く始めるべき理由は、就活に対するモチベーションを保つためです。日本には4,000社もの企業があるといわれており、そのなかから自分に合った企業を見つけ出すのは、想像以上に過酷です。
砂漠で落としたコンタクトを探すようなものでしょう。しかし、自己分析ができていれば「この辺りを探せば良い」という範囲がわかります。難しいなかでも、比較的見つけやすくなるでしょう。
就活を進めながら修正していけばOK
自分のことは案外わからないものです。自己分析するためのツールはたくさんあり、すでにあなたもそのうちのいくつかを試してみたことがあるかもしれません。
先に述べた「ビッグファイブ」より、もっと手軽に自分の強みを分析する方法として、自分が弱みだと思っていることを言い換える方法もあります。例えば「自分は仕事が遅い」ことが弱みなら、それを「仕事が丁寧だ」ととらえましょう。
企業によっては自分の強みだと思っていたことがマイナス要素だったり、逆に弱みだと思っていたところが企業の求める特性だったりします。エントリーする企業によって、修正を重ねると良いでしょう。
効果的な自己分析で最終面接に臨もう

自己分析の重要性をお伝えしてきました。次に、最終面接で内定を勝ち取るために、自己分析で得られた結果からどのような準備をすべきか考えてみましょう。
エピソードは平凡で良いので複数準備する
自己アピールになりそうなエピソードを、複数準備しておきましょう。そして、そのなかに数字で表せるものがないか考えてみてください。
企業はあなたの個人的なエピソードそのものよりも、そのことからあなたが会社にどういった価値を提供できるか、具体的な数字で知りたいからです。
例えば「アルバイトでいつも行う作業を効率化して、所要時間を5分短縮した」といった内容が挙げられます。単に「努力した」という主観的なものでなく、数字で具体的に説明することが大切です。
準備するエピソードは、平凡なものでも構いません。いくつか準備しておけば、最終面接でどのような質問が来ても慌てずにすみます。ある程度、本命企業が求めそうなエピソードを考えておけば、よどみなく回答できます。
ビッグファイブにあてはめて考える
「そんなにいくつもエピソードが思いつかない」という方は先述した「ビッグファイブ」にあてはめて考えてみましょう。
まず、白紙を準備します。ビッグファイブの「協調性」「外向性」「好奇心の強さ」「情緒安定性」「勤勉性」という項目を縦に並べましょう。
その項目のそれぞれに当てはまるエピソードを思い出し、右の欄に箇条書きで記入します。なお、すべての項目を埋める必要はありません。

一覧にしてから「自主的に行動し・他人と協働しつつ・数的成果を出した」ものがないか見てみましょう。それらを満たすものが、あなたが面接で前面に押し出すべきエピソードです。
また、そのエピソードが示す特性をもった人材を求める企業こそ、あなたに「向いている」企業です。それを軸にして企業を探しましょう。
自己分析をしないとどうなる?
どうしても行きたい会社だったとしても、自分の特性とマッチしていないなら難易度は高くなります。入社してもあなたの強みは一切評価されず、苦手な業務ばかり求められるかもしれません。本項では、自己分析をせずに就活を進めてしまう場合のリスクを紹介します。
志望する職種、企業からの内定が得られない
もし自己分析をせず、ただやみくもに「有名企業だから」「自分の好きな職種だから」といった理由で志望しても、おそらくどこからも内定は得られないでしょう。
企業はあなたのことに関心がありません。企業にとって関心があるのは「あなたは会社にとって有用かどうか」、もっといえば「お金を稼げる人間かどうか」です。
就活の成功は「好き」×「特性」×「企業の求める人物像」がクロスしたところにあります。もし、自己分析したのに志望する職種や企業から内定が得られないなら、あらためて上述の自己分析のステップを最初からやり直してみましょう。
早期離職の可能性が高くなる
自己分析が十分にできていない場合に考えられるもうひとつのデメリットは、早期離職する可能性が高くなることです。入社後、自分の特性に合っていない状況で何年も励み続ける覚悟があるなら、今から自分の弱い特性を鍛え直し、克服する努力が必要です。
就職でミスマッチがあった場合、モチベーションが保てずせっかく入社した企業を早期退職したり、仕事がつまらないと思いながら毎日出勤したりすることになるでしょう。強みをそのまま評価してもらえる企業を探したほうが、入社後も活躍できる可能性は高くなります。
まとめ
就活の正解は一人ひとり異なります。東大出身者であっても例外はありません。就活の成功は、自分をどれだけ深く掘り下げて分析し、自分の価値観や特性、企業の需要とマッチするかに尽きます。
「やりたいことが見つからない」と悩んでいるなら、まずは本記事に沿って自己分析してみてください。悩んでいるのはあなただけではありません。ATLASは就活生を全力で応援します。