投資銀行業界を研究する【内定までの業界研究#06】 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

投資銀行は現在でも、学生の就職希望の中でトップに位置する人気の業種です。「銀行」という名前がついていますが、一般に想像する「銀行」とは少し違った業務が特徴です。では、その投資銀行について、この記事ではビジネスモデルや特徴、最近の動向、給与などを紹介します。

投資銀行のビジネスモデルとは

投資銀行のビジネスモデルをご紹介します。

投資銀行の業務は大まかに言うと、企業が株式や社債を発行する時やM&Aの際にアドバイスや交渉を行なう事を仕事しています。

たとえば企業がM&Aを行うと仮定します。買収を行おうとする企業は、この時点で、買収しようとする企業の価値や値段などわかりません。そこで、投資銀行が中間に入って企業の値段を算出し、買収される側との交渉を行なったり、アドバイスを行うのが投資銀行の業務です。

その他の業務として、証券の発行時のフォローも行います。企業は株式や債券などの証券を発行して、その証券を投資家に販売し資金調達を行う事があります。その証券を発行する際のフォローが重要な業務の一つとなります。

さらに、企業への営業にあたる「カバレッジ」と商品開発にあたる「プロダクト」の2部門があります。「カバレッジ」の部門は、企業に対して先に述べたような「M&A」「証券の発行」などの提案を行います。例えば、「この企業は今後、証券を発行し資金調達が必要なのではないか」といった予想を立て、企業に対して、今株式を発行した方が良いのではないかといった、提案や営業をクライアント企業に行います。

そして「プロダクト」は「カバレッジ」がクライアント依頼を受けた案件を受けてその後の処理や計算を行う部門です。M&Aの案件を受けた場合、様々な手法を用いて、「買収したい企業はいくらで買えるか」の計算を行います。

国内の有力中心投資銀行は

投資銀行サブ1

日本の投資銀行トップ三社は野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほフィナンシャルグループの順となっています。

3社の会社概要、メインの商品・サービス、企業理念の紹介

 3社の会社概要は以下のとおりです。数字はいずれも2022年3月31日現在のものです。

投資銀行比較表

以上のランキングは、M&Aの金額ベースのランキング、実績となっています。投資銀行と言うと真っ先に思い浮かべるのは、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど、外資系の金融機関ですが、日本でも投資銀行の役割を担う機関は多数あります。投資銀行は引受業務が主力事業のイメージでしたが、金融業界全体の金融自由化やIT技術の進歩、経済のボーダーレス化が進み業務の幅は大きく広がっています。

また、各社の理念は次のとおりです。

・野村證券

金融資本市場を通じて、真に豊かな社会の創造に貢献する

三菱UFJモルガン・スタンレー証券

大切なものを、あなたと

・みずほフィナンシャルグループ

日本、そして、アジアと世界の発展に貢献し、お客さまから最も信頼される、グローバルで開かれた総合金融グループ

3社の売上高の比較

 3社の直近3年間の売上高をみてみましょう。 

投資銀行売上高比較表

投資銀行の過去3年間の上位3社の利益を比較しました。業界の動向としては、上記の数字をみても明確で、2021年は上位3社とも売上は減収となっています。新型コロナウィルス感染症の感染拡大などの要因から、世界経済の不透明感が高まりました。株式や投資信託の販売が低調だったことや、金利変動が乏しく債券引き受け業務が減少したことが影響しており、上記のような低下という着地となっています。

 投資銀行の最近の動向~マスコミ報道から

投資銀行サブ2

2022年3月9日の「あたらしい経済」では、「野村証券」と「丸井グループ」が、公募自己募集型デジタル債の発行について協業したことを取り上げました。デジタル証券企業の「セキュリタイズ」が提供するプラットフォームを活用した「セキュリティトークン」を発行します。この動向のポイントは証券会社の野村證券がデジタル債を販売するのではなく、事業会社の丸井グループが販売することです。丸井が販売することで、投資の未経験社にも投資が手軽に感じられるという効果が一つあります。今回の丸井との提携は、既存の個人向け公募社債活用のさまざまなハードルを乗り越える新たな付加価値を提供するために連携したとしています。

3社はブロックチェーンを活用したプラットフォームを用いることで、投資家の把握から、特定の投資家層へ社債の販売など、一般的な株式や、個人向け社債と比較した金額の小口化する事を狙っています。この仕組みを活用することで、発行会社と顧客が直接的な取引を行い、エンゲージメント強化を狙ったマーケティングといった新しい効果を期待しています。投資をしたことがない人にも、身近でわかりやすい投資の機会が提供されることでしょう。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は2023年度までに、営業員1人当たり年間「生産性」を現在の約7,800万円から約1億円に引き上げることとしています。インターネットや電話などの非対面口座を増やし、利用者が3割程度だったインターネットや電話などの非対面口座を7割まで増加させます。

対面営業は、富裕層と法人に特化することで富裕層への投資助言強化や、ローンや保険、事業継承に関するサポートなど新たなサービスへの提供へとシフトします。

このような動きから分かるように、投資銀行もデジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みが進められています。今後は、対面から非接触型の手軽な投資が拡大していくことでしょう。

給与水準

3社の給与水準を確認してみましょう。

・野村證券(2021年度有価証券報告書から)

平均年齢43.1歳、平均勤続年数4.1年、平均年間給与14,146,131円

・三菱UFJモルガン・スタンレー証券所(2021年度有価証券報告書から)

平均年齢45.6歳、平均勤続年数11.5年、平均年間給与8,822,845円

・みずほフィナンシャルグループ(2021年度有価証券報告書から)

平均年齢41.4歳、平均勤続年数17.0年、平均年間給与9,934,000円

投資銀行のみならず、金融業界は一般企業よりも給与の水準は高くなっています。 

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