証券業界を研究する【内定までの業界研究#08】 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

証券会社は個人や投資家に株の売買や口座開設、そのサポートなどを行なっています。その歴史は古く老舗と言える証券会社も存在します。しかし、近年はその他の業務にも手を広げておりビジネスモデルも変化しつつあります。

今回は証券会社について、そのビジネスモデルや特徴、最近の動向などについて徹底解説したいと思います。

証券会社のビジネスモデルとは

 証券会社のビジネスモデルをご紹介します。 証券会社には様々な「業務部門」が存在します。

個人や企業の投資家向けに株式の販売を行う営業を行う「リテール部門」。株式を売り出したい企業向けや投資家に営業やアドバイスを行う「投資銀行部門」。証券業界や投資やその予測に必要な金融経済や証券の情報を調べる「リサーチ部門」。主な業務部門はこのような構成となっています。企業が事業を展開し規模を拡大するためには資金が必要です。その資金を調達するための一つの手段が株式の発行です。また、投資家も存在し利益のために株式を購入します。このような仕組みの中で双方の取引の仲介者として存在するのが証券会社です。

投資家が株式の売買をするためには、証券口座が必要です。証券会社は、口座の開設をサポートし、売買に生じる手数料を得ることで利益を得ています。また、投資家に対して、高騰しそうな株式をアドバイスしたりすることで、株式取引をしてもらえるように促します。しかし、近年では株式を担保としてローン業務を行ったり、商品として保険なども取り扱っています。

国内の有力証券会社は

証券会社サブ1

日本の証券会社売上高でのトップ三社は野村證券、大和証券、SMBC日興証券の順となっています。

3社の会社概要、メインの商品・サービス、企業理念の紹介

 3社の会社概要は以下のとおりです。数字はいずれも2022年3月1日現在のものです。

証券会社比較表

トップ3社はみなさんもメディアなどで必ずや名前を耳にしたことがある企業だと思います。

野村証券は、1925年に設立し長い歴史を持っています。証券業界で圧倒的な企業規模を誇る総合証券で、顧客口座数や顧客資産残高、国内店舗数など、様々な面で業界トップレベルです。1902年に開業した大和証券は創業119年を迎える老舗の総合証券会社で、全国に店舗を配するきめ細やかなフォローや接客が特徴となっています。その強みを生かし、コンサルティングにも注力。近年では、ネット取引にも力を入れています。証券会社もネット証券、インターネットでの取引にシフトしつつあることが分かります。しかしながら、高齢化社会にも対応し、今後も店舗でのアドバイスやフォローは欠かせない業務となることでしょう。

SMBC日興証券は商品販売額が大幅に伸長しました。2021年3月期には、預かり資産残高もSMBCグループ傘下に入って以来の過去最高額となり成長を遂げました。しかし、2022年3月には社内で相場操作が行われた事が大きな事件、ニュースとなりました。このような事件から今後の運営体制などが注視されるところです。

また、各社の理念は次のとおりです。

・野村證券

金融資本市場を通じて、真に豊かな社会の創造に貢献する

・大和証券

お客様を第一に考える誠実さと高い専門能力により、最も魅力ある証券グループとなる

・SMBC日興証券

お客様を中心に考え、より高い価値を提供する

3社の純利益の比較

 3社の直近3年間の売上高をみてみましょう。 

証券会社売上高比較表

過去3年間の上位3社の利益を比較してみましょう。

新型コロナウィルス感染症の拡大などから投資の動きが鈍くなり、業界としては下がりつつあるのが現状です。また、ネット証券会社の台頭も注目すべきところでしょう。手数料の安さからネット証券会社は顧客数なども増えています。しかし、上記の3社は実店舗を持つことで安定的な売上を誇っています。証券のスペシャリスト、証券会社の社員から直接アドバイスをもらうことができ、どのような投資で利益を得られるかフォローしているところが強み、特徴といっても過言ではありません。長引く低金利政策により預金よりも投資という流れになれば、対面で社員と話せる窓口を持つことは、新規の顧客獲得となるでしょう。一例として、SMBC日興証券は、三井住友銀行とSMBC日興証券の両方の窓口をもつ共同店舗を実現、店舗運営のコストを削減し、数多くの実店舗数を実現しています。

 証券会社の最近の動向~マスコミ報道から

証券会社サブ2

2022年3月15日の日本経済新聞では、大和証券のスタートアップ融資参入およびノンバンクの買収が取り上げられました。数億円を投じて、ノンバンクの「ブルー・トパーズ」を買収します。大和はスタートアップの新規株式公開やビジネスマッチングを支援していましたが、今後、融資まで手がけることで、大和証券の金融サービスのラインアップを拡充し相乗効果を高めていくことになります。大和証券は、スタートアップに関して、マッチングを手がけています。しかし、今後の課題として、有望なスタートアップをどのような形で探し出すかということがあるでしょう。

証券会社もこのように、証券の売買やアドバイスだけでなく、多角的な方面からのサービスの拡大や拡充を戦力としていることがわかります。

給与水準

 3社の給与水準を確認してみましょう。

・野村證券(2021年度有価証券報告書から)

平均年齢43.1歳、平均勤続年数4.1年、平均年間給与14,146,131円

・大和証券(大和証券グループ本社従業員の状況から)

平均年齢38.9歳、平均勤続年数14.4年、平均年間給与10,070,000円

・SMBC日興証券(三井住友グループ 各社データから)

平均年齢41.4歳、平均勤続年数13.6年、平均年間給与 開示なし

証券会社は平均的に1,000万円オーバーの平均給与となっています。 野村證券は平均年間給与が2位の大和証券と比べても高額なのがわかります。

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