学習塾業界を研究する【内定までの業界研究#25】 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

この記事では、人材業界に位置付けられる学習塾系業界について詳細をまとめています。学習塾系業界のビジネスモデルや有力中心企業、業界の特徴、最近の動向、給与などを解説しています。学習塾系業界の仕事に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

学習塾系業界のビジネスモデル

人材業界における学習塾系のビジネスモデルから紹介していきます。

教育現場への人材派遣や求人情報の掲載

人材業界における学習塾系業界の代表的なビジネスモデルは、時間講師の派遣による収益化です。依頼者からの希望を満たす時間講師を塾や学校などに派遣します。

たとえば、集団指導塾で講師が不足してしまったときや、次の教室長が決まるまでのつなぎを確保したいときなどにサービスが活用されます。

教育現場の課題について人材の派遣で解決し、対価を獲得する仕組みです。

また、講師だけでなく教室事務スタッフを派遣するビジネスモデルもあります。サービスの利用料金の相場は、1時間あたり2,000円ほどです。

そのほか、教育現場に関する求人情報を求人メディアに掲載して、掲載料を受け取るビジネスモデルも存在しています。

テンプスタッフのビジネスモデル

ここまで学習塾系業界のビジネスモデルを紹介しましたが、具体的な企業のビジネスモデルにも着目してみましょう。

トップクラスの求人数を誇る人材紹介サービスである、テンプスタッフのビジネスモデルについて紹介してみます。

テンプスタッフの求人情報サイトでは、大手学習塾の教室運営・講師の仕事に関する求人が掲載されていました。

仕事内容は生徒面談や成績管理、講師のシフト作成、集団授業の実施などです。求職者はホームページの求人情報から直接エントリーできる仕組みになっています。

学習塾系の求人情報を掲載することで、掲載料を受け取っているビジネスモデルの一つだといえるでしょう。このように学習塾系業界は、人材紹介サービスに関連する事業と密接に関わっているとわかります。

学習塾系業界の有力中心企業はエデュケーショナルネットワーク、学研エル・スタッフィング、イスト

学習塾系サブ1

学習塾系の有力中心企業の例は下記の通りです。

  • エデュケーショナルネットワーク(Z会グループ)
  • 学研エル・スタッフィング(学研ホールディングス)
  • トライグループ
  • イスト(ITbookホールディングス)
  • サクシード
  • コスモ
  • ライトハウスソリューション

学習塾系業界の人材派遣企業は売り上げが公開されていない企業も多く、高い売り上げが確認できたのが、Z会グループ(エデュケーショナルネットワーク)、学研ホールディングス(学研エル・スタッフィング)、トライグループ、ITbookホールディングス(イスト)、サクシードなどです。

ここからは、学習塾系の業界でグループの売り上げが高いエデュケーショナルネットワーク、学研エル・スタッフィング、トライグループを有力中心企業として、それぞれの概要を紹介していきます。

3社の企業概要や企業理念

3社の会社概要は以下のとおりです。数字はいずれも2021年3月時点の情報です。

学習塾業界比較表

公式情報で確認できなかった部分は「-」として表記しています。

エデュケーショナルネットワークは、小学校、中学校、高校、大学、大学院、専門学校、塾、予備校など、あらゆる教育機関に教員を派遣しています。

学研エル・スタッフィングは、塾講師や家庭教師に特化したアルバイト検索サイトを運営しているほか、学校に通えない子供に対しての学び場も提供しています。

トライグループはCMでおなじみの家庭教師のトライを展開。家庭教師に特化した人材登録サービスを提供するとともに、完全マンツーマンの個別指導塾事業も行っているほか、自治体や学校への学習支援事業などまで実施しています。

各社の理念は下記の通りです。

エデュケーショナルネットワーク:「最高の教育で、未来をひらく。」

学研エル・スタッフィング:「人と人の出会いと感動を創出し 互いの成長を促すことで 社会に貢献し続ける」

トライグループ:「人は、人が教える。人は、人が育てる。」

3社の売上高と営業利益の比較

3社のグループ全体における直近1年間の売上高と営業利益を確認してみましょう。

学習塾業界売上高表

公式情報で確認できなかった部分は「-」として表記しています。

学習塾業界営業利益表

公式情報で確認できなかった部分は「-」として表記しています。

売上高を見ると、1位が学研ホールディングス、2位がZ会グループ、3位がトライグループという順番でした。

営業利益に関しても学研ホールディングスが上位です。

学研ホールディングスは売上高と営業利益の両方とも利益が増加しているとわかります。Z会グループは2021年に売上高は落ち込みましたが、営業利益は増加傾向です。

学研ホールディングスのグループ各社は「健康経営優良法人2022」に認定されており、従業員が健康で安定的に働ける職場環境を目指しています。安心して働ける環境が売上上昇につながる要因の一つとなっていると考えられます。

学習塾系業界の特徴

学習塾系サブ2

エデュケーショナルネットワークや学研エル・スタッフィング、トライグループなど人材業界に分類される学習塾系業界の特徴は、塾講師や教員、家庭教師などの派遣によって収益を得ています。

ただ、いずれの有名企業も派遣ビジネスだけを行っているわけではありません。教育に関する知見や教育人材のリソースを活かして、さまざまな教育ビジネスを展開しています。

たとえば、最新ツールを導入して教育環境を効率化したり、不登校児童を対象とした教室を運営したりすることもあります。

つまり、学習塾系業界は人材業界の一種でもありますが、業務が人材のマッチングだけに限らないということです。有力企業以外の企業にも着目すれば、さらに事業の幅が広がるでしょう。

たとえば、サクシードでは新学習指導要領にもとづき、教育現場で必要になるプログラミング講師の紹介・派遣事業も行っています。

また、イストはオンライン家庭教師システムを展開し、24時間いつでもどこでも都心と同じ高品質な教育を受けられるオンラインサービスを利用できるようにしています。

このように学習塾系業界では、時代のニーズに応じた新たな教育サービスが今後も増えていくと予想されます。

自分に適した仕事が見つかるチャンスもあるので、教育人材の派遣以外に関する事業についても確認して、就職先を検討してみることをおすすめします。

学習塾系業界の最新動向

最近の報道から人材業界における学習塾系業界の動向を探ってみます。

エデュケーショナルネットワークは2022年2月8日、学校や学習塾関係者を対象として、同社が複数のサイトから発信していた教育情報・サービス情報を一覧化するサービス「Mytranz(マイトランズ)」をリリースしました。

煩雑になりがちな複数のアプリケーションのアカウント管理を一つにまとめることで、利用者は学校・塾などに必要な情報にいち早くたどり着けるようになります。

また、学習塾系業界ではオンライン授業の取り組みも活発化してきました。トライグループは2022年4月に小学4年生~高校3年生を対象として、高品質なオンライン集団授業を年間で提供する「オンラインLive集団塾」をオープンします。

ハイレベルなプロ講師がアニメーション教材を使用しながら、オンライン上で直感的にわかりやすい事業を展開。塾や予備校が近くになければ教育サービスを受けられないという地域格差の課題を解決できる可能性があります。

このように最近の学習塾系業界の企業は、教育現場に教育人材を派遣するだけでなく、システムの改善やITの導入によって教育環境のDX化を推進しているとわかるでしょう。

学習塾系業界の給与水準

エデュケーショナルネットワークと学研エル・スタッフィング、トライグループの給与水準がわかるよう、口コミからリサーチした内容を元に具体的な年収例を紹介します。

【エデュケーショナルネットワーク】

28歳正社員営業職(非管理職):年収300万円、ボーナス0円

30代在籍5年~10年(主任クラス):年収500~550万円

【学研エル・スタッフィング】

40代前半(主任クラス):年収350万円

39歳在籍15年~20年:年収760万円

【トライグループ】

24歳の正社員営業職(非管理職):年収370万円

新卒入社在籍3年未満:年収300万円、ボーナス20万円

年収が1,000万円を超えたという口コミは見受けられませんでしたが、学研エルスタッフィングでは800万円近くの年収になった社員がいました。学習塾系業界でも高年収を狙えることがわかります。

ATLAS会員限定コンテンツ

ES・体験記

充実したES・選考体験記に加えて、企業ごとの選考突破の攻略法を掲載しています。

g clip-path="url(#clip0_67_2718)"> 限定選考ルート

コンサルやファンド等の特別選考ルートを登録情報をもとにご案内します。

企業分析

企業の最近の動向や競合と比較したときの強み、選考フローについて解説します。