人材・派遣業界を研究する【内定までの業界研究#26】 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

この記事では人材・派遣サービス業界について詳細をまとめています。人材・派遣サービス業界のビジネスモデルや有力中心企業、業界の特徴、最近の動向、給与などを解説しています。人材・派遣サービス業界の仕事に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

人材・派遣サービス業界のビジネスモデル

人材・派遣サービス業界のビジネスモデルから紹介していきます。

さまざまな業界の企業に正社員や派遣社員などのヒューマンリソースを供給

人材・派遣サービス業界では、労働力を必要とする企業にヒューマンリソースを供給することで、報酬を獲得するビジネスモデルが構築されています。

具体的に供給されるヒューマンリソースとして挙げられるのが正社員や派遣社員です。

正社員を市場に供給するサービスとして新卒採用サイトや、転職エージェントなどがあります。

たとえば新卒採用サイトでは、卒業予定の大学生が個人情報を登録してアカウントを作成すると、企業の求人に無料で応募できます。

これでは収益が発生しないように見えますが、企業がサイトに求人情報を掲載するときに掲載料を支払うようになっています。さらに、説明会や面接予約画面の制作料など、オプションの追加によって収益を獲得できるビジネスモデルも確立されています。

派遣会社に関しては、派遣社員を派遣して勤務時間に相当する派遣料金を受け取るビジネスモデルとなっています。

ただし派遣料金がすべて派遣会社の利益になるわけではありません。派遣料金から派遣社員の賃金や社会保険料、教育研修費用などの経費が差し引かれて、最終的な営業利益は1.2%ほどになるといわれています。

DODAのビジネスモデル

人材・派遣サービスのビジネスモデルをさらに具体的に理解してもらうために、転職エージェントとして知名度の高いDODAのビジネスモデルについてご紹介してみます。

俳優の林遣都さんがCMに出演していて、一度はサービスの名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

DODAの人材紹介サービスは、掲載した求人情報をもとに募集ポジションに適した転職希望者を企業に供給するサービスです。業界トップクラスの転職希望者数を誇っています。

DODAの人材紹介サービスでは利用するときに初期費用は発生しません。採用が成功してから費用が発生する完全成功報酬型のビジネスモデルを採用しています。

具体的な成功報酬は、内定者の理論年収の35%であり、採用要件によっても異なるようです。

なお、登用した人材がすぐに退職してしまったときは、報酬の一部が返金されます。

有力中心企業は、リクルート、パーソルキャリア、パソナ

人材・派遣サービスサブ1

日本の人材・派遣サービス業界で売上の高い企業を挙げると下記の通りです。

・リクルート

・パーソルキャリア

・パソナ

ここからは売上の高いリクルートやパーソルキャリア、パソナを有力中心企業として、その概要を紹介していきます。

3社の会社概要やサービス、企業理念の紹介

3社の会社概要は以下の通りです。数字はいずれも2021年4月時点の情報です。

人材・派遣サービス業界比較表

リクルートは新卒や中途、アルバイトなどに関する情報サイトを展開しています。代表的なメディアがリクナビやリクナビNEXT、タウンワーク、フロム・エーナビ、はたらいくなどです。情報サイトのジャンルは仕事だけに限らず、自動車や旅行、飲食などさまざまあります。

パーソルキャリアは創業から60年以上の実績があり、1967年にはアルバイトニュース速報(のちのアルバイトニュースan)、1989年には転職情報誌「DODA」を創刊。近年はハイクラス層を対象とした転職サービスも開始しており、ターゲットを絞った事業も見受けられます。

パソナは、人材派遣会社としての事業を展開しており、事務や営業、テレマーケティング、ITなどさまざまな職種の求人を取り扱っています。すでに派遣サービスを利用している就労者に対して、電話やオンライン、対面などの手段で、キャリアコンサルティングも行っています。

各社の理念は次の通りです。

リクルート:私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。

パーソルキャリア:雇用の想像・人々の成長・社会貢献

パソナ:誰もが自由に好きな仕事を選択し、一人ひとりの人生設計にあわせた働き方ができる社会を築く

3社の売上高と営業利益と純利益の比較

3社の直近3年間のグループ全体における売上高と営業利益と純利益を確認してみましょう(*9、10、11)。

人材・派遣サービス業界売上高表
人材・派遣サービス業界営業利益表
人材・派遣サービス業界純利益表

直近の売上高を見ると、1位がリクルートホールディングス、2位がパーソルホールディングス、3位がパソナという順番でした。リクルートホールディングスの売上は2兆円を超えており、ダントツでトップです。

営業利益に関しては、1位がリクルートホールディングス、2位がパーソルホールディングス、3位がパソナという売上と同じ順番でした。

純利益についても、1位がリクルートホールディングス、2位がパーソルホールディングス、3位がパソナという売上と同じ順番でした。

このように売上・営業利益・純利益ともにリクルートホールディングスがトップを走っており、市場を牽引していることがわかります。

リクルートホールディングスは人材・派遣サービスだけでなく、飲食や趣味などに関する事業も展開しています。収益の柱を多角化することで、利益を増やすことに成功しているのだと考えられます。

人材・派遣サービス業界の特徴

ここまでリクルートやパーソルキャリア、パソナなどの概要や事業、利益などについてご紹介しました。

新卒採用や転職、派遣、キャリア支援など、人材を起点としたさまざまな事業で利益を挙げていることがおわかりいただけたでしょう。

人材・派遣サービス業界は、事業によって関わる人々が異なる点に特徴があります。

たとえば、リクナビのように新卒採用に関係する仕事に就けば、大学生と関わりながら仕事をする可能性が高くなります。若い人の考え方を学べるだけでなく、エネルギッシュな学生から活力を分けてもらえるでしょう。

また、DODAのように転職に関係する仕事に就けば、さまざまな企業で働いてきた人材との出会いが得やすいです。ビジネスの経験値が高い人材と出会えれば、自分自身のキャリアを充実させるための考え方も学べるでしょう。

そのほか、パソナのように派遣社員を対象としたビジネスもあります。派遣社員には子育てに追われている女性も多いです。中には正社員になることができず、悩んでいる方もいるでしょう。その点、仕事と家庭の両立や、キャリアに悩む方も多いと考えられます。

したがって、派遣サービスの仕事は人材の悩みに寄り添える優しい人にも向いているでしょう。

日本の人材・派遣サービス業界には、マイナビやジェイエイシーリクルートメント、アデコなど、その他にも知名度の高い企業がさまざま存在しています。

自分がどのような人材と関わって仕事をしていきたいのかをよく考えて、企業を選ぶ視点を持っておくとよいでしょう。

人材・派遣業界の最新動向

近年、新型コロナウイルスの感染拡大にともない、リモートワークが主流になりつつあります。人材・派遣業界でもリモートワークに関する新たな取り組みが推進されています。

たとえばパソナは、パソナグループが進出する外国地域のITエンジニアを、日本企業に業務委託でマッチングする「越境リモート人材サービス」を2021年11月より開始しました。

対象国はインドや韓国、ベトナムです。サービスは、職種や業種に応じて各国の労働関連の法令に基づき提供されます。パソナの新サービスは、グローバル人材の新たな活用方法として、今後も注目されていくでしょう。

もし、ほかの企業も同様に越境リモート人材サービスを始めることになれば、人材・派遣業界では外国人と接する機会が増える可能性があります。

海外の人材とのコミュニケーションには当然、外国語の習得が必要になります。人材・派遣業界を今後目指すうえでは、外国語の習得がアドバンテージになる未来も近いうちに訪れるでしょう。

人材・派遣業界の給与水準

リクルートとパーソルキャリア、パソナの給与水準がわかるように、口コミをリサーチした内容をもとに具体的な年収情報を紹介します。

リクルート

営業部正社員:年収850万円

プロダクト統括本部正社員:年収700万円

パーソルキャリア

dodaプラス事業部正社員:年収420万円

エージェント事業部正社員:年収308万円

【パソナ】

人材紹介事業本部社員:700万円

人材派遣営業社員:402万円

リクルートの年収が高い傾向となりました。850万円の年収に達している社員もいるので、1,000万円近くの年収を目指すことも不可能ではないでしょう。

パーソルキャリアに関しては、年収が300万円ほどの社員も存在しています。DODAのように知名度の高いサービスを提供している会社ですが、必ずしも社員の給与が高いとは限らないようです。

ATLAS会員限定コンテンツ

ES・体験記

充実したES・選考体験記に加えて、企業ごとの選考突破の攻略法を掲載しています。

g clip-path="url(#clip0_67_2718)"> 限定選考ルート

コンサルやファンド等の特別選考ルートを登録情報をもとにご案内します。

企業分析

企業の最近の動向や競合と比較したときの強み、選考フローについて解説します。