WEBテストを対策する。テスト内容から科目別対策法まで|内定獲得への道 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

就職活動において、Webテストは避けられないものの一つです。どれだけエントリーシート(ES)対策や面接対策をしていても、Webテストで落ちてしまってはその後の選考に進めません。突破しなければ一次面接にすら進めないという大切な存在だからこそ、内容や対策について深い理解が必須です。特に、戦略コンサルティングファームや投資銀行など人気の業界では、9割がWebテストの段階でふるい落とされてしまうというデータがあり、対策は不可欠です。今回の記事では、Webテストの中身から対策までお話ししていきます。

就職活動におけるWebテストとは

新卒選考の際に課されるWebテストとはどのような試験なのでしょうか。今回は、企業がWebテストを実施する目的、受検方法、種類、内容という4つの観点からお話しします。

Webテストの目的

Webテストは、採用企業が候補者の能力や適性を把握するために実施されています。

本選考やインターンの申込者が非常に多かった場合、すべてを面接に呼び対応することは物理的に困難のため、学生の数をどうしても絞らなければなりません。そのため、企業はWebテストの結果をさまざまな観点から分析し、次の選考に進める学生を決定しています。特に、短時間の面接だけでは見抜くことが難しい、問題処理能力や地頭の良さ、性格の特性といった部分を把握するために、Webテストは最適といえます。

受ける時期としては、エントリーシート(ES)など書類選考の合格後や、書類選考と同時など、面接の前に行われることが一般的です。

Webテストの受検方法

Webテストには主に2種類の受検方法があります。自宅からパソコンで受ける方法とテストセンターで受ける方法です。

自宅からパソコンで受検する場合は、締め切り日時までの期間中であれば、自身で時間を決めて受けることができます。一方で、テストセンターでの場合は、所定の会場で監督のもと受検するため、予約が必要です。テストセンターでの受検の流れは以下の通りです。

テストセンターで受検する場合の流れ

①携帯電話やパソコンからテストセンターで受検できる日程を予約する
②性格診断を自宅で受検する
③能力試験はテストセンターに行き、受検する

インターンや本選考のシーズンになると、テストセンターが混雑して空きがなく予約できない場合もあります。企業からテストセンターでの受検の案内が来た場合には、早めに予約をすることをおすすめします。

受検方法はそれぞれの企業によって異なります。企業から送られてくるWebテストの案内をしっかりチェックしましょう。

Webテストの種類

最も有名なのはSPIという試験です。書店で対策本を見かけたことがある方もいるでしょう。他にも、玉手箱やGAB、TG-WEBなど、試験のタイプは多岐にわたり、試験ごとに問われる内容、問題の種類なども異なってきます。そのため、各試験に合わせた対策を講じる必要があります。

Webテストの種類

Webテストの内容

Webテストには、学生の性格を把握する「性格適性検査」と、計算や言語などの能力を把握するための「能力適性検査」の2種類があります。これらによって、採用企業は自社の仕事内容やカルチャーとフィットする学生なのかどうかを判断しています。

性格適性検査は、一般的には自身の性格を考えながら回答すれば良いでしょう。一方で、能力適性検査には対策が欠かせません。

Webテストは前に戻れない設定となっており、1度解答した問題をやり直すことができない仕様になっています。したがって、一般的な入試のように、簡単な問題を先に解いてあとから難しいものに戻りやり直すというような解答方法をとることができません。入試に自信があった方でも、事前練習して慣れておくことが必要となるでしょう。

特に、テストセンターで受検する形式のテストの場合、正答率に合わせて難易度がカスタマイズされます。正解した問題の次の問題は少し難度の高い問題が出題されますし、不正解の場合は、次に少し難度を下げた問題が出題されることがあります。そのため、「今回はできた」「難しかった」などと自己判断せずに、結果を確認して、次の対策に活かしていくことが大切です。

Webテストで学生が抱えがちな課題と対策

Webテストで学生が抱えがちな課題と対策

能力適性検査における学生が抱く悩みは、「解き方がわからない」と「時間が足りない」の2つに大別されます。それぞれについて、詳しく解説していきます。

解き方がわからない

対策本を購入し、実際に手を動かして例題に取り組んでみることが重要です。

Webテストは読解といった国語のような問題から、中高校生レベルの数学の問題まで、さまざまな内容が出題されます。テストの種類により出題傾向や対策方法が異なるので、SPI用や玉手箱用の対策本など、自分の受ける試験に合わせて購入しましょう。

書店には、Webテスト対策について書かれた本がたくさん並んでいます。問題数が多いなど、それぞれの本に特徴があるので、自分の克服すべき点にあわせて、お気に入りの1冊を選びましょう。おすすめの本を以下にあげます。

『史上最強 SPI&テストセンター超実践問題集』オフィス海著(ナツメ社)

問題数が多く、ジャンルごとに問題が分かれているため、自分の苦手分野が見つけやすい問題集です。解説だけでなく、各問題を解くときのコツもまとめられており、解法を身につけることができます。また、本の冒頭にSPIやテストセンターについて詳しく説明があるため、今からWebテスト対策を始める方にも最適です。

『【玉手箱・C-GAB編】これが本当のWebテストだ! (1)』SPIノートの会(講談社)

Webテスト対策として評判がよく、頻出問題から順に並んでいるため効率的に学習できます。1冊で玉手箱とGAB[y2] の2つのテストの対策ができることも魅力の一つです。SPIよりも迅速な解答が求められる玉手箱はこのような対策本で準備することがおすすめです。

最近では、問題が解ける以下のようなアプリも出てきているので、それを使うのもいいでしょう。アプリを使う利点は本よりも手軽に、電車の中など隙間時間が活用できる点です。

『SPI言語・非言語 就活問題集 -適性検査SPI3対応-』Ann株式会社

問題数が382問と比較的多いのが特徴で、しっかりと対策をしたい人におすすめです。目標設定の機能もついており、自分の学習を管理して進められます。また、有料のアプリが多い中で、こちらは無料でリリースされています。

『SPI Lite 【Study Pro】』

自分の苦手な分野を重点的に練習して対策できる機能がついています。苦手なジャンルや問題を把握し、対策したい人に使ってほしいアプリです。こちらの無料版は問題数が52問ですが、有料版にすることで232問に増えるので、より深く取り組みたい人は課金してみるのも手です。

時間が足りない

能力適性検査は問題が難しくて解けないというよりも、解き終わらなかったり、時間に焦って解けなくなってしまったりするケースが大半です。

特に玉手箱の試験は、対策していないと時間が足りなくなる受検者がほとんどです。書籍に掲載されている問題を反復して解き、実際の試験でも問題を素早く解ける力を身につけていきましょう。

問題に慣れておくことで、解法のパターンを見つけるまでにかかる時間が短くなり、制限時間内により多くの問題が解けるようになるでしょう。過去問や例題などで、しっかり対策をすることが重要です。

まとめると、Webテストの対策は以下の3ステップを意識すると良いでしょう。

①問題のタイプを知る

②問題の解き方を身につける

③反復練習で解答のスピードを上げる

問題を解く力をつけるため、この3ステップを繰り返しましょう。解く力を定着させるために、問題集は最低でも3度は解いてみるのがおすすめです。

Webテストで合格ラインを超えるための科目別対策

Webテストで合格ラインを超えるための科目別対策

ここからは、Webテストの種類別・科目別の対策について、より詳細に見ていきましょう。

Webテストの合格ラインは企業によって異なり、一律には決まっていません。もちろん、志望者の多い人気企業の選考ほど、ボーダーラインは高くなるでしょう。そのため、1点でも多く取れるように気を抜かずに対策をすることが必要です。

では、多くの企業で取り入れられているSPIと玉手箱について解説します。

(1)SPI

対策が必要となるのは主に、非言語、言語、英語の3科目です。いずれの科目も準備をきちんとすれば、安定した成績を取れるようになります。各科目の概要と例題をみていきましょう。

非言語

非言語とは、表やデータ、計算などの問題を指します。複雑な計算を処理したり、公式を暗記して解いたりするのではなく、情報を整理することで解ける問題が多いです。そのため、出題形式に慣れることが何よりの対策になってきます。

例題をみていきましょう。

例題: ある水族館では、入場者数が先月より25%増加し、8000人であった。この時、先月の入場者数は何人か。

答え: 6400人

例題: 以下の条件を読み、Aさんの飼っている金魚の数で考えられるものを全て答えよ。
A. Aさんは3匹より多く飼っている。
B. AさんはBさんの飼っている数の3分の1以下である。
C. Cさんは34匹飼っていてBさんより10匹多い

答え: 4、5、6、7、8匹

言語

言語とは国語のような試験で、熟語の意味や成り立ち、並べ替えや空欄補充などが出題されます。大学で受けるテストではあまりみられないので、非言語と同様に、問題に慣れることが重要です。

例題をみていきます。

例題: サーモン:刺身 と同じ関係の2語を以下の選択肢から選びなさい。
1. 消しゴム:文具
2. 小説:書籍
3. 水族館:博物館

答え: 1、2

英語

英語では穴埋め問題や整序問題、単語の成り立ちなどが問われます。英単語や英文法を復習し、解答できるようにしておきましょう。

(英語の試験が実施されない場合もあります)

例題: 次の説明文と意味が最も近い単語を、選択肢から選びなさい。
a state of things like agreements that can be legally or officially acceptable
A. special
B. persistent
C. valid
D. permanent
E. latest

答え: C

(2)玉手箱

玉手箱は難度が高く、時間制限も短いため、特に対策が必要です。分野は計数、言語、英語に分かれ、SPIと似ていますが、出題される問題は大きく異なります。

計数

計数では、データや表から必要な情報を読み取り、計算して答える問題が出題されます。桁の大きい数字が出てきたり、問題を解くためには必要のない数字があったりするため、迅速な計算力と判断力が問われます。

表やデータを見て、「この問題では何が問われ、どの部分に注目したら良いのか」という判断がより早くできるようになることが欠かせません。繰り返し問題を解くことで素早く判断できるようになりますので、反復練習を心がけてください。

例題: グラフ・表を見て、次の問いに答えなさい。

ウェブテスト 表

今年度、観客動員数が最も多いのはどのサッカーチームか。選択肢のAからEまでの中から1つ選びなさい。

答え: A

言語

言語は少し長めの文章を読み、その文章に対し、問いの文章を論理的に判断する問題になっています。選択肢は「論理的に正しい」「正しくない」「この文章からは判断できない」の3つで構成されている場合が多いです。この出題形式は他の試験ではみられず、対策の有無により点差が大きく開く科目でもあります。玉手箱の試験の中で、最も注意が必要な科目といえるでしょう。

例題: 次の本文を読み、問題文一つ一つについて、A・B・Cのいずれかに当たるかを判断し、選びなさい。
日本で大企業を中心にみられる「長期雇用」やいわゆる「年功賃金」という雇用システムについて、男性の勤続年数を国際比較すると、日本は35〜54歳において最も長いが、フランスなど大陸ヨーロッパ諸国も長い。勤続年数別の賃金プロファイルをみると、日本だけでなくドイツなども傾きが大きくなっている。
長引く低成長、労働者の高齢化、日本的雇用システムの対象者となる正社員が増えない中での非正規雇用労働者の増加、共働き世帯の増加とワークライフバランスの要請など、経済社会構造は日本的雇用システムが定着した高度経済成長期から大きく変化しており、その対応が求められている。
長期雇用については、長期勤続の正社員割合が高い企業ほど人材を確保する上での問題が少ないなどメリットもあり、労働者のためだけでなく、企業にとっても雇用の安定を図ることが重要である。
企業の賃金制度についてはこれまでも見直しが進められ、その結果、管理職以外の基本給の決定要素について、年齢・勤続年数を選択する企業割合は低下、一時的に高まった業績・成果も低下する一方、職務・職種などの仕事の内容が大企業を中心に高まっており、職務遂行能力は依然最も高い。
企業が今後重視する賃金決定要素では、長期雇用前提の職務遂行能力が引き続き重視される見込みであり、労使の合意の下に、労働者の意欲と能力が発揮され企業が活性化するための賃金・処遇制度に向けた取り組みが今後とも求められる。
厚生労働省、平成25年版「労働経済白書」より抜粋

(問)日本や大陸ヨーロッパの勤続年数の長さは、自国の文化概念が大きく関係している。
A. 本文の論理から考えて正しい。
B. 本文の論理から考えて間違っている。
C. 本文からだけでは論理的に判断できない。

答え: C

英語

英語の出題形式は、言語とほぼ同様です。しかし、英語の試験は言語の試験と比べて制限時間が短く、問題数も少なくなっています。そのため、大学入学後に英語学習と離れている方は英文を早く読める力を取り戻しておくことが大切でしょう。

例題: Read the text and choose the best description for each of the question that follow.
Lawson has decided to make a foray into the Philippines, with plans to open its first store this year and build a network of 500 outlets by fiscal 2020. The second-largest Japanese convenience store operator will team with local retail giant Puregold[tm3]  Price Club under the just-established joint venture PG Lawson. The Philippine partner holds a 70% stake in the Manila-based company, while Lawson owns the remaining 30%.
Lawson is the last of Japan’s big five convenience store operators to set up shop in the Philippines, where the industry is still in its infancy. There were an estimated 1800 stores at last court in 2013, a fraction of the number in Thailand, prompting the view among Japanese companies that the country offers ample room for growth.
出典:NIKKEI Asian 06/13/2014

(Q)The Philippines is a promising market for Japanese convenience store operators.
A. The statement is patently TRUE or follows logically, given the information or opinions contained in the passage.
B. The statement is patently UNTRUE or the opposite follows logically, given the information or opinions contained in the passage.
C. YOU CANNOT SAY whether the statement is true or untrue, or follows logically, without further information.

答え: A

対策本以外でやるべきWebテスト対策

対策本以外でやるべきWebテスト対策

これまで、対策本を反復するトレーニングについて解説してきました。ここでは、普段から心がけておくべき対策や準備についてご紹介します。

(1)性格診断の対策もしよう

性格診断はもちろん、「1つの正しい答え」があるわけではなく、自分に最も合った回答を行う試験ですが、いざ問題をみると、自分はどの選択肢に一番近いのだろう……と悩んでしまうことがあります。自己分析や自己PRの準備を事前にしっかり行っておきましょう。

(2)文章を読むスピードを上げておこう

言語の試験では、短い時間で多くの文章を読まなければなりません。問題の「解き方」を理解するだけでなく、「読む力」を鍛えておくことが重要です。

文章を早く正確に読む力は一夜にして身につくものではありません。日頃から新聞や本などに目を通し、複雑な文章であっても素早く理解できるようにしておきましょう。

日本語だから大丈夫、と過信してテストに臨むと、問題の難しさや時間の短さに、実力を発揮できずにテストを終えてしまう可能性が高いです。さらに、問題文は、普段の会話で使う口語体と異なるため、意識的に新聞や本に触れておくことをおすすめします。

(3)メモは整理して書こう

非言語の試験では、問題をときながら手元で取る「メモ」が成績に影響を及ぼします。メモをとることで、情報を整理でき、より早く解くことができるからです。しかし、受検中に慌ててメモをとると、どこに何を書いたかを忘れてしまい、解答までに時間がかかってしまうこともありえます。常日頃から「メモは整理して書く」という意識を持つことが大切です。

まとめ

最後に、試験当日の準備についてお伝えしたいと思います。

非言語の試験では、計算や整理が必要な問題が多く出題されます。そのため、自宅受検の際は、紙やペンを試験前に用意しておきましょう。また、試験によっては電卓の使用が認められている場合もあるので、事前に確認してください。Webテストは時間との勝負なので、電卓の使用が可能な場合は使うのがおすすめです。

Webテストは、選考対策の努力が成績に反映されやすいものです。対策本を眺めるだけではなく、自身の手を動かして、しっかりと備えていただければと思います。

著者

ATLAS

未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト「ATLAS」の編集チーム。

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