「内定獲得への道」OB・OG訪問編~失敗しない「OB・OG訪問」徹底解説 - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜
「内定獲得への道」OB・OG訪問編~失敗しない「OB・OG訪問」徹底解説

OB・OG訪問は、志望企業で働いている社員から実情を聞くことができるので、応募先の選定や志望動機を明確にするうえでとても有益です。一方で、社会人との接点が少ない学生の方は、アポを取るときや実際に会いに行くときのマナーや注意点などが分からず、心配なことも多いでしょう。そこで本記事では、貴重な機会であるOB・OG訪問の手順や注意点、訪問を選考にいかすためのポイントや質問例などを解説します。

OB・OG訪問とは

OB・OG訪問とは

OB・OG訪問とは、企業で働いている社員の方に、仕事内容ややりがい、職場の雰囲気などを聞いて、企業研究に役立てる活動です。大学のOB・OGなどのつながりをいかして、自分でアポイントメントを取り、訪問させてもらうため、ハードルが高いと感じる方もいるでしょう。しかし、OB・OG訪問は、自分が関心を持っている企業の仕事内容や働き方、社内の雰囲気などリアルな情報を知ることができる貴重な機会です。本選考の前に社員の方と話をする機会を得ることで、自分がその企業で活躍する姿を想像しやすくなり、面接時にリアリティーのある受け答えができるようにもなります。志望度の高い企業が見つかった際は、できるだけOB・OG訪問をすることをおすすめします。

OB・OG訪問の流れ

OB・OG訪問の流れ

OB・OG訪問は、以下の流れで進めることが一般的です。

Step1:OB・OGのアポイントメントをとる

Step2:OB・OG訪問の準備をする

Step3:OB・OGを訪問して、話を伺う

Step4:お礼の連絡をする

Step1:OB・OGのアポイントメントをとる

まず、関心がある企業で働くOB・OGを見つけましょう。大学のキャリアセンター、サークルの先輩や教員などにお願いして、コンタクトを取っていきます。候補となるOB・OGが見つかれば、メールや電話などでOB・OG訪問の依頼をします。相手に失礼のないよう、言葉遣いはもちろんのこと、電話をする時間帯にも気をつけましょう。

また、OB・OG訪問の時間帯は先方に合わせるのが基本です。こちらから候補の日程をいくつかあげて、先方に選んでいただくようにします。お会いする場所についても、先方のご都合を伺い、負担が少ないようにしましょう。OB・OGが勤めている会社の会議室や、会社近くのミーティングスペースやカフェなどが一般的です。昨今ではオンラインも選択肢として有力です。OB・OGの意向に沿った場所を選びましょう。

Step2:OB・OG訪問の準備をする

アポをとることができたら、入念に用意をしましょう。OB・OGの方には、お忙しい中で時間を作っていただくのです。失礼のないようにするためにも、準備は重要です。

当日は緊張し、会話の進め方に戸惑ったり、聞き忘れたりすることが起こりえます。質問項目は事前にまとめておきましょう。質問項目はメールであらかじめOB・OGの方と共有しておくと、先方も準備しやすくなり、お互いにとって有意義です。OB・OG訪問をより実りあるものにするための質問例を、この記事の後半で紹介しているので参照してください。

Step3:OB・OGを訪問して、話を伺う

OB・OGを訪問して、話を伺う

訪問当日は、最初のあいさつが肝心です。お会いしたら、まずは時間を取ってくださったことへの感謝を伝えましょう。

会話の最中は、事前に考えた質問を一方的にするのではなく、相手の話をしっかり聞き、キャッチボールをすることが大切です。少し具体的に説明しましょう。

例1

学生「まずは、・・・・・・・・・について教えてください」

OB・OG「それは・・・・・・・・・・・・・・・・・ですね」

学生「では次に、・・・・・・・・・・について教えてください」

OB・OG「それは・・・・・・・・・・・・・・・・・ですね」

例1のように、自分の聞きたいことだけを聞いて、情報を得て終わりというコミュニケーションは、相手の方も話しづらくなりますし、かなり印象が悪いものです。このように記事で読むと、「そんな失敗はしないよ」と思う方もいるかもしれませんが、実際にはよく見受けられるので、ご注意ください。

例2

学生「まずは、・・・・・・・・・について教えていただいてよいでしょうか」

OB・OG「それは・・・・・・・・・・・・・・・・・ですね」

学生「なるほど。・・・・だったのですね。とてもよく理解できました。ありがとうございます。それでは次に・・・・・・についても教えていただいてよいでしょうか」

OB・OG「それは・・・・・・・・・・・・・・・・・ですね」

例2のように、相手の話を受けて、あいづちを打ったり、話を深掘りしたり、感謝を伝えたりといった「リアクション」を挟むことで、会話のキャッチボールが成立します。今後の面接、さらには社会に出た後でも非常に重要なことですので、しっかりと認識しておきましょう。

また、社会人との会話で、緊張してしまうこともあると思います。質問事項のメモになぜその質問をしようと思ったのかなどの情報も書いておくことで、自分の聞きたかったことを伝えることができるでしょう。

なお、メモはパソコンやスマートフォンに打ち込むのではなく、できるだけノートを用意して手書きでメモをしましょう。パソコンやスマホなどでメモを取る場合、紙に比べて目線を合わせることが少なくなってしまい、円滑なコミュニケーションがとりづらくなります。さらに、年齢によってはパソコンやスマホを見ながらのコミュニケーションに嫌悪感を示す方もいらっしゃるかもしれません。手書きのメモのほうが目線も合わせやすく、スムーズにコミュニケーションを取れるうえに、面接の練習にもなります。手書きのメモだけでは不安という方は、あらかじめ録音することに許可を取り、ボイスレコーダーを利用するのもおすすめです。訪問の最後も、感謝の気持ちを伝え、しっかりとあいさつすることを忘れないでください。

直接お会いしたほうが打ち解けやすいのですが、昨今ではオンラインでのOB・OG訪問も珍しくありません。オンラインの場合は、あらかじめ指定されているオンラインツールを立ち上げ、接続方法などを確認しておきましょう。さらに、開始10分前には接続しておき、万が一ネット環境などの不具合があった場合は、早めに連絡ができるようにします。オンラインの場合も、録音する場合はしっかりと相手に許可をもらったうえで録音するようにしましょう。

Step4:お礼のご連絡をする

帰宅後(オンラインの場合は終了後)にお礼のメッセージを送ります。このステップは極めて重要なので、忘れないようにしましょう。目上の相手に時間をとっていただいた場合、お礼を伝えるのは、社会人としての常識です。社会人になった後、上司や先輩に食事に連れて行ってもらった場合なども同様です。今からしっかりと習慣化しておきましょう。

お礼のメッセージには、感謝の言葉はもちろんのこと、OB・OG訪問の中で得られた学びや感想、指摘された課題とその克服法といった内容を含めておくと良いでしょう。時間内では聞けなかったコメントなどを返信でもらうことができるかもしれません。

OB・OG訪問の準備

OB・OG訪問では、志望企業で実際に働いているからこそわかる、貴重な話を聞くことができます。OB・OG訪問をすることで、自身と合うかが確認できるうえ、面接での話に説得力を持たせることができるようになるでしょう。しかし、やみくもに質問をしても、何となく分かっただけの状態になる場合も往々にしてあります。OB・OG訪問を有意義な時間にするためには、準備が大切です。

おすすめの準備方法の一つは、OB・OG訪問のアポの前までに志望動機や自己PRを用意し、フィードバックをいただくというものです。企業HPや書籍、Webメディアなどからの企業理解では、実態と乖離(かいり)してしまっているかもしれません。そこで、作成した志望動機がその企業で働く方から見て、納得感があるものなのか意見をもらいましょう。自己PRでアピールするポイントも、企業によってフィットするスキルや表現方法があるはずです。また、志望動機や自己PRを聞いてもらうことで「自分の成し遂げたいことや志がその企業で実現できるのか」「自分の強みが企業の求める人物像に合致しているのか」を確かめることができます。

なお、志望動機や自己PRが固まっていないという場合は、次章で紹介するような質問をすることで、志望動機や自己PRを作成する際の方向性をつかむことができるでしょう。

OB・OG訪問の際に役立つ質問例

OB・OG訪問の際に役立つ質問例

企業理解が深まる質問、志望動機や自己PRの確認に役立つ質問例を紹介します。下記の例を参考に、自身でアレンジして質問案を作成してください。

企業理解を深める質問

  • 1日の仕事の流れを教えてください。
  • 1年の中で忙しい時期はありますか。どのようなときに繁忙期になるのでしょうか。
  • 目標や予算などはどのように決めるのですか。
  • 仕事をされている中で、特にうれしい、面白いと感じる点はどのようなところでしょうか。
  • この仕事が難しい、あるいは大変だと感じる点はどのようなところでしょうか。
  • 御社でご活躍されている社員の特徴は、どのようなところにあるのでしょうか。
  • 評価制度について、具体的に教えていただけますか。
  • 社内異動はありますか。ある場合、どのように決まるのか教えてください。

志望動機の方向性を確認するための質問

  • 私は企業を選ぶ際、〇〇という観点を大切にしています。この観点は、この業界の企業を選ぶ際に適切だと思われますか。
  • 私は〇〇という観点から、他にも▲▲業界や●●業界を志望しています。この業界で働くことのメリット・デメリットは△△だと考えているのですが、正しいでしょうか。(業界比較)
  • 私は御社で〇〇に携わりたいと考えていますが、志望する仕事ができる可能性はどの程度あるのでしょうか。(具体的な仕事内容)
  • 業界の中での御社の強みは〇〇にあると考えておりますが、▲▲様はどのようにお考えでしょうか。(同業比較)
  • 私は〇〇という志を持っています。その想いを御社での仕事を通じて、実現させたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
  • 私は将来〇〇を成し遂げたいと考えています。御社で、同様の仕事ができる部署や仕事はありますか。ある場合、その仕事につくことができるのは、どのような方なのか教えてください。

自己PRの方向性を確認するための質問

  • 私の強みは〇〇であると考えています。この強みは●●といったかたちで、御社でいきると考えておりますが、いかがでしょうか。
  • ▲▲様が考えていらっしゃる、御社で求められる強みや資質とは何でしょうか。また、それらは仕事でどのようにいきると考えていらっしゃいますか。

OB・OG訪問時のマナー

OB・OG訪問時のマナー

OB・OG訪問の際には、押さえておくべきマナーがあります。お会いする方は、仕事が忙しい中で、皆さんのために好意から時間をつくってくださっています。くれぐれも失礼のないようにしましょう。また、マナーに則った振る舞いは、社会人になった際や面接においても重要ですので、早めに慣れておくようにしましょう。

服装

服装はリクルートスーツが基本です。「服装は自由」と言われた場合も、基本的にはリクルートスーツが望ましいでしょう。しかし、スタートアップ企業などの一部の企業では、「服装が自由にもかかわらず、無難なスーツで来るのは、柔軟性がないのではないか。カルチャーにフィットしないかもしれない」などと受け止められることもまれにあります。心配な場合は、事前にアポをとった先輩に率直に聞いてみると良いでしょう。

確認した結果「私服でお越しください」と指定された場合は、私服で参加するようにしましょう。その場合でも、どのような私服でもいいというわけではありません。私服で個性を出す必要はありません。ビジネスカジュアルを想定し、ジャケットを着ていくと良いでしょう。相手への感謝の気持ちが伝わるような誠実な対応を心がけてください。気心の知れた先輩を訪問する場合であっても、「親しき中にも礼儀あり」です。清潔感がある服装で訪問し、時間をいただいたことへの感謝を伝えましょう。

手土産

基本的に、手土産は必要ありません。学生から物をもらうことを禁止している企業もあります。感謝の気持ちは手土産ではなく、言葉と態度でしっかり伝えることが大切です。

名刺

名刺は両手で受け取ります。自分の左前、名刺入れの上に置くことが基本です。 OB・OG訪問だけでなく、就職活動中は名刺を頂くことが多いため、名刺入れは用意しておきましょう。名刺はもらった直後にしまうことは基本的には失礼にあたりますから、注意してください。机がない、移動しながら話すなどの状況でない限り、出しておきましょう。こうすることで、部署名や肩書を確認することができるため、質問に困った際に「〇〇部にご所属なのですね。どのようなお仕事をする部署なのですか」などと会話の糸口にすることができます。

OB・OGの方が2人以上いる場合は、名刺入れの上には上席の方の名刺を置きます。その際、席順に並べることで、お名前を間違えずに会話することが可能となります。

カフェなどでの注文

OB・OG訪問の際に、場所をカフェなどの飲食店を指定される場合があります。その際の注文は、基本的にOB・OGの方に先に注文していただくようにしましょう。「好きなものを頼んでいいよ」と言われた場合でも、OB・OGの方が注文したものと同じものか、それよりも安いものを選ぶようにすると失礼がないでしょう。

時間厳守

待ち合わせの時間は厳守です。電車遅延や慣れないオフィス街で道に迷うなども考えられるため、15~20分ほど余裕を持ったスケジュールで移動しましょう。また、せっかく時間を取っていただくので、トイレなどを済ませておくことも忘れずに。もしも遅刻してしまう場合は、それがわかった時点で早めに連絡をしましょう。到着予定時間を伝え、再度調整していただくか、このまま伺っても良いかなどご都合を確認します。

終了時間を守ることも大切です。最初のあいさつが済んだ後に「今日は〇時までと伺っていますが、それで大丈夫でしょうか」などと、終了時間を確認しておくと良いです。終了時間を守るため、5分前までに終わるようにします。もし、5分を切ったタイミングでまだ質問したい場合は「最後にこれだけ聞いてもいいですか」と聞くと良いでしょう。

話している最中にスマホで時間を確認することは失礼です。腕時計を忘れずにしていき、話をしながらさりげなく残り時間を確認しましょう。

まとめ

OB・OG訪問は就活の過程において必須ではありません。しかし、OB・OG訪問ができるかどうかで、志望動機や自己PRのクオリティーは格段に違うものになるでしょう。OB・OG訪問を活用して、志望する企業への理解を深め、自分にフィットする企業からの内定を獲得できるようにしましょう。

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