ペンディング - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

ペンディングは、保留、先送りという意味。ビジネス用語として使われる場合、ネガティブな意味で使われることが多い傾向にある。例えば次のとおり。

<ペンディングの使い方>

  • あの企画はペンディングになった
  • ペンディングになっていた案件は動き出しそうにない
  • この交渉はペンディングにしてください

これらのペンディングはいずれも、保留、先送りという言葉に置き換えることができる。ではなぜ、わざわざ英語のペンディングを使うのかというと、言い回しがマイルドになるからである。もちろん言い回しが持つニュアンスは、聞き手の印象によって大きく異なる。しかし「あの企画は保留になった」というのと「あの企画はペンディングになった」というのでは、異なる印象を受けるだろう。「保留になった」は、プロジェクトリーダーがスタッフに決定事項を伝えるときに相応しい。そのため、保留≒中止というニュアンスを含むことがある。一方の「ペンディングになった」は、スタッフどうしのフランクな会話のなかで使われることが多いだろう。そのためペンディングに、復活する可能性が少しはある、というニュアンスを含ませることができる。

ペンディングはさらに、重要案件であることは間違いないが、今はこの件に触れないでおこう、という意味を含ませることができる。例えば次のように使う。

●A案件はとりあえずペンディングにしておいて、先にB案件を検討しようじゃないか

話者がこのように言った場合、A案件は一時的に保留、先送りするが、B案件を検討したあと再び検討するという意味になる。このように言われたら、聞き手側は「A案件は却下されたわけではない」と理解できる。そのため安心してA案件を後回しにすることができる。

これを「A案件はとりあえず保留にしておいて、先にB案件を検討しようじゃないか」と言い換えてしまうと、聞き手は「このままB案件の検討を進めたら、A案件は消滅してしまうのではないか」と不安に感じるかもしれない。保留という言葉は強い。したがってこの場合、ペンディングが持つマイルドなニュアンスが重宝される。

ペンディングをポジティブに使うこともある。例えば次のとおり。

●このC案件についてはなかなかよい意見が出ないから、とりあえずペンディングにして、各自持ち帰って検討を加えようじゃないか

検討課題が暗礁に乗り上げてしまったら、ペンディングの期間を設ければ、検討者たちはクールダウンすることができる。「冷静になって考え直してみよう」という意味で「ペンディングして考え直してみよう」と言うことができ、このペンディングは前向きな行動と考えることができる。