ロジスティクス - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

ロジスティクスとは、生産から消費までの物の流れを最適化することである。物流はロジスティクスの一部である。

ロジスティクスは経済規模が小さいと、ほとんど問題にならない。生産者と消費者が隣接していれば、生産者が物を消費者に手渡しすることで物の流れが終了してしまうからである。したがってロジスティクスは大きな経済圏で社会的経済的課題になりうる。

経済成長を遂げた社会では、物の種類と数が爆発的に増え、物の流れが複雑になる。そのため、生産から消費までの間の工程を整理、管理する必要がある。物は、原材料の調達、原材料の保管、加工、生産、生産物の保管、包装、輸送、荷役、販売を経て消費者に届く。これらの1つひとつの工程で物と代金の交換が行われるので、その都度、物理的な物の移動と決済が発生することになる。それらは物の流れを中断させる原因になりうる。例えば、マイナス5度で保管しなければならない物の場合、特別な保管方法と特別な輸送手段が必要になる。また、どこかの工程で代金の支払いが滞れば、物の受け渡しが中断されるので、消費者に届く時刻が遅れてしまう。さらに経済のグローバル化によって、原材料をつくる国と、生産する国と、消費者がいる国が異なることが珍しくなくなった。例えば、ベトナムの工場で部品をつくり、それを日本の工場が輸入して、完成品をアメリカに輸出するといった場合、保管する回数も輸送する回数も増える。

ロジスティクスでは、各工程の管理が問題になる。製造と販売の両方を手掛ける企業であれば、原材料の調達から消費者に販売するまで一貫して管理できるが、そうでない場合は、各工程を運営する事業者が、自社が担当する工程だけを管理することになる。そのため運送会社などがロジスティクス・ビジネスを展開して、物の流れを一括管理することがある。

ロジスティクスではコストが課題になる。途上国や新興国で物をつくって先進国に輸出するのは、そのほうが安く物をつくることができるからである。ところがロジスティクスのコストは、物の移動距離が長くなるほど膨らむ。そのため、他国で物をつくることでコストを押し下げても、ロジスティクスのコストが増えてしまったら経済効果が生まれない。ロジスティクスは安価であることが強く求められるため、生産性を高めるIT化やデジタルトランスフォーメーション(DX)化が進んでいる分野になっている。ロボットが荷物を取り扱う自動倉庫システムが発達したのはそのためである。

また、地政学リスクや自然災害リスクが高まったことで、サプライチェーンの分断が頻発して経済を混乱させている。ロジスティクスは強固でなければならない。

ロジスティクスの最適化は、物理的な物を扱うすべての企業にとって重要課題になっているはずだ。