アグリゲーター - ATLAS(アトラス)〜未来をつくるリーダーへの就活キャリアサイト〜

「アグリゲーター」とは、「アグリゲート(aggregate)する人」、つまり「集める・合計する・総計する」人との意味から、「集める人・物・組織」のことを表す。

エネルギー分野におけるアグリゲーターとは、「電気の需要と供給をとりまとめる業者」などを指す。具体的には自ら電力の集中管理システムを設置し、エネルギー管理支援サービス(電力消費量を把握し節電を支援するサービス)、電力売買、送電サービス、その他のサービスの仲介を行っている。

アグリゲーターが取り扱うサービスのうちのひとつとして「デマンド・レスポンス(需要応答)」がある。このようなサービスで発生したネガワット(節約できた発電量)に対して、電力会社はアグリゲーターに報奨金を支給し、需要家はアグリゲーターから報酬を受け取る仕組みになっている。

アグリゲーターの仕事の流れは以下の通り。

  1. アグリゲーターが電力会社から節電指令を受ける
  2. アグリゲーターから需要家へ節電指令
  3. 需要家が節電を実施
  4. アグリゲーターが節電量を電力会社へ報告
  5. 節電量に応じた報酬を電力会社からアグリゲーターへ支払う
  6. 節電量に応じた報酬をアグリゲーターから需要家へ支払う

アメリカでは、エネルギー管理(EMS)への発展に伴い、アグリゲーションビジネスが急成長している。日本では2012年頃からアグリゲーター事業が活発化しはじめた。電力会社がアグリゲーター事業を行うほか、別の事業者がアグリゲーターになる例も一般的である。

アグリゲーターによって、需要家側のエネルギーリソースを束ねる(アグリゲートする)ことで仮想発電所としてコントロールでき、市場取引や相対取引を通じた調整力としての活用が期待される。また、需要家側のエネルギーリソースが市場参加することで、より高コストの電源を代替し、電力コストの引き下げも貢献できる。

今後、需要家側のエネルギーリソースは更に導入が拡大していき、アグリゲーターが需要家側と系統運用者の間に立ち、需給をコントロールすることによって系統安定化や再エネルギーの最大限の活用がもたらされる。現在は十分な活用がなされていない需要家側のエネルギー機器(蓄電池やEV、エネファーム、EMS等)についても、アグリゲーターが効果的に遠隔制御することができれば、投資対効果の向上につながる。このようにアグリゲーションビジネスによるエネルギーシステムの⼤変⾰に伴い、新産業の創出が大いに期待できる。